Recipe
2020.04.11

コウケンテツの“食は人なり 出会いなり”
全然赤くないボンゴレロッソ

世界スローフード協会の本部を構えるトリノにて、2年に一度開催される世界一とも言えるどでかい規模の食の祭典、Salone del Gusto(サローネ・デル・グスト)の取材で初めてイタリアの地に降り立ったのは2014年のこと。

深紅に染まったポモドーロを愛してやまない僕は、とにかく口の周りをトマト色に染めまくることしか頭になかった。しかし、出てくるパスタといえば、ピエモンテ名物のクリームソースとチーズがたっぷりのものばかり。なぜ!? トリノは北イタリアに位置し、お隣はフランス。なるほど!そちらの食文化とも影響しあっているのね。そこからミラノに向かい、入ったのは「灯台」という名の家族経営のシーフードレストラン。ミラノでシーフードかいな!? トマト味を渇望していた僕は、ボンゴレロッソを注文。え!これがロッソ(赤)!?というくらいビアンコ(白)にちょこっとトマトが入った代物。まじかよ。しかし、食べてみると数種類の貝の旨みに少量のトマトの酸味と風味が絶妙にマッチ。これは新発見!お店のおじさんが、「よう、若いの。俺たちの料理は赤ければ良いってもんじゃないんだぜ。ま、そんなにポモドーロが食いたければナポリのベスビオ山に行きな」。確かにおっしゃる通り。イタリアにも当たり前にその土地で違った食文化があるのだ。赤くないボンゴレロッソを作るたびに、背筋がピン!となる。早くまたあの店に行ける日が来ることを祈っています。

全然赤くないボンゴレロッソ

<材料>(2~3人分)

  • スパゲティ…160g
  • あさり(砂抜きしたもの)…250g
  • トマト…1/2~1個(好みで)
  • 玉ねぎ(みじん切り)…大さじ2/3
  • 赤唐辛子(小口切り)…2本
  • 白ワイン…1/2カップ
  • オリーブオイル…適宜
  • 塩、粗びき黒こしょう…各適宜
  • ドライバジル…小さじ1

<作り方>

  1. 鍋にたっぷりの湯(3リットル)を沸かして、塩大さじ2を加え、スパゲティを袋の表示より1分短めにゆではじめる。トマトは1センチくらいの角切りにして軽く塩をしておく。
  2. フライパンにオリーブオイル、玉ねぎを入れて弱火で、じっくりと炒める。玉ねぎがうっすらと色づいてきたら赤唐辛子、あさり、スパゲティのゆで汁をおたま2杯と、白ワインをふり入れて、ふたをして酒蒸しにする。
  3. あさりの口が開いたら、1のトマト、ゆで上げて湯をきったスパゲティを加えて手早く全体にからめ、1分ほど煮る。塩、こしょうで味を調え、ドライバジルを加えて混ぜ、器に盛る。

(料理・文:コウケンテツ/撮影:在本彌生)

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。3児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。