コウケンテツの“食は人なり 出会いなり”
新・夏の風物詩「コングクス」
麺はそうめんを使っています。暑くて何もつくりたくない日に、ぜひつくってみてください。
僕のボンマルシェでの連載(2016年4月~19年3月「アジアの台所から」)を一冊にまとめた、『アジアの台所に立つとすべてがゆるされる気がした』のなかで、ウズベキスタンはヒヴァで教わった「シュヴィット オシュ(ハーブ麺のトマトソースがけ)」という、ハーブが爽やかに香る、最高の夏の風物詩をご紹介させていただいている。
今回は、それに加えて、新たに、これぞ夏の風物詩!「コングクス(冷豆麺)」をご紹介!
世の中が今のような状況になる以前。韓国のソウルに行くと必ず立ち寄る市場があった。広蔵市場。100年以上の歴史を誇る巨大市場だ。取り扱う品は、食材はもちろん、衣料品、雑貨、寝具などなど多方面にわたる。ここに来ればなんでも揃(そろ)う。そしてその中でもおすすめなのが、「うまいもん通り」。文字通り韓国のうまい屋台メシがひと通り堪能できるわけだ。
僕のいつものルーチンは、季節の野菜をたっぷり堪能できる「ポリパプ(麦飯ピビンパ)」を食べたら、馴染(なじ)みのチャンジャ屋さんご夫婦にご挨拶(あいさつ)に行き、金物屋さんでマッコリカップを購入。最後は「ユッケ通り」でユッケをつまみに一杯飲む。まさに至福。
しかしある夏。あまりに酷暑で冷たいものが食べたいという僕に知人がすすめてくれたのが、期間限定「コングクス」の屋台だった。
蒸した大豆を潰してスープにし、稲庭うどん的なサイズの麺とからめていただく。あまりにシンプルすぎる、かつ白い見た目から想像できない、大豆の深いコクと清涼感! 付け合わせの酸味の利いたキムチと麺、冷たいスープを交互に食べるのがおすすめ。
「あなた、よく来るらしいじゃない! なんでうちの屋台に来ないの!?」とお姉さん。
ご、ごめんなさい! 以降、このコングクスが新たな夏の風物詩に追加されたとさ。みなさまにも激しくおすすめします。キムチは忘れずに!
「コングクス」
材料(2人分)
- そうめん…2束
- 大豆の水煮缶…2缶
- 白菜キムチ…適宜
- きゅうり…1/2本(細切りにする)
- 白すりごま…大さじ2
- ゆで卵…1個(半分に切る)
- 塩…適宜
作り方
- 大豆は冷たいミネラルウォーター、塩と合わせ、ミキサーで滑らかに攪拌(かくはん)する。
- そうめんはゆでて、冷水でもみ洗いし、水気をしっかりしぼって器に盛る。
- 1、2を器に盛り、きゅうり、ゆで卵、キムチをのせ、白すりごまをかける。
(料理・文:コウケンテツ/撮影:在本彌生)
コウケンテツ さん

コウ・ケンテツ 1974年、大阪生まれ。料理研究家。世界30カ国以上を旅して料理を学んだ経験を持つ。3児の父として親子の食育活動に奮闘中。『アジアの台所に立つとすべてがゆるされる気がした』他著書多数。料理家ユーチューバーとしても活躍中。
