コウケンテツの“食は人なり 出会いなり”
いろんな意味であまりに優しすぎる蒸し豆腐
料理の名前は「トゥブソン」。今回は簡単に木綿豆腐だけで作りました。
今、小学校6年の長男が当時まだ2歳くらいだったかな? わたしのワガママで、まだ小さい息子を連れて妻と3人、韓国のソウルに行きました。冬のソウルは寒いのでもちろん防寒対策はバッチリ! というのは、親の勝手な都合。まだ幼すぎる息子からすると、初めての海外で、しかも経験したことのない極寒ときている。グズるのは当たり前。
移動中やごはん屋さん、どこに行ってもグズグズしちゃいます。周りに迷惑もかけてしまうし、妻と僕もクタクタに。やっぱりまだ旅行は早かったかな……息子にも悪いことしたなと、落ち込みながらたどり着いたのがある豆腐料理専門店。
案の定、店に着くや否や泣きじゃくる我が長男。妻と交代でお店の入り口で抱っこをしてあやしていると、店員のおばさまが「私が見といてあげるから、あなたたち、ゆっくり食べなさい!」と息子を抱っこしてくれるではないか! なんと親切な……。
ここで食べたトゥブソン(蒸し豆腐)とおからのチゲ。これがあまりに温かく優しい味で、疲れたココロとカラダにじんわりと染みわたる。涙が溢(あふ)れんばかりにおいしくいただきました。息子はお店の皆さんに王子様扱いされたせいか、すっかり上機嫌。ニコニコ笑顔で豆腐料理をモリモリ食べはじめる。あぁ、なんとありがたい。
その旅行では、移動中の電車や至る所でみなさん、席を譲ってくれたり、王子をあやしてくれたりと本当に助かり、忘れられない旅となりました。韓国は子連れ海外旅行におすすめですよ。ちなみにトゥブソンとは刻んだ野菜、エビや鶏胸肉を豆腐と混ぜて蒸し上げた伝統的な韓国料理です。今回は超簡単レシピにアレンジしております。いずれ本格レシピもご紹介しますね!
トゥブソン
材料(2人分)
- 木綿豆腐…1丁
- 糸唐辛子、白いりごま…各適宜
<ヤンニョム>
- しょうゆ…大さじ2
- 万能ねぎ(小口切り)…2本分
- しょうが(すりおろし)…1片分
- 粉唐辛子(韓国産)…大さじ1/2〜
- ごま油…小さじ1
作り方
- 木綿豆腐は1cm幅の食べやすい大きさに切り、厚手のペーパータオルに包んで耐熱容器に入れ、3分ほど電子レンジ(500W)で加熱する。
- ヤンニョムの材料を全部、ボウルに入れて混ぜる。
- 1を器に盛って、2のヤンニョムをかけ、糸唐辛子、白いりごまを散らす。
※韓国産粉唐辛子がない場合は一味唐辛子を少しだけ加えてください。
(料理・文:コウケンテツ/撮影:在本彌生)
コウケンテツ さん

コウ・ケンテツ 1974年、大阪生まれ。料理研究家。世界30カ国以上を旅して料理を学んだ経験を持つ。3児の父として親子の食育活動に奮闘中。『アジアの台所に立つとすべてがゆるされる気がした』他著書多数。料理家ユーチューバーとしても活躍中。
