Life Style
2017.09.07

世界が注目する街 ポートランド流 “気持ちのいい” 暮らしのヒント

©Hero Images/amanaimages

“全米で最も住みたい街”といわれるポートランド。いち早くこの街に注目してきた佐久間裕美子さんに人気の理由と、私たちが学べる暮らしのヒントを伺った。

(撮影:川上輝明/取材・文:安藤菜穂子)

教えてくださったのは・・・
佐久間裕美子さん(フリーライター)

さくま・ゆみこ

慶應義塾大学卒業後、イェール大学大学院修士課程修了。2014年『ヒップな生活革命』でポートランドをはじめ米国の新たなライフスタイルを紹介。近著は『ピンヒールははかない』。

編集部S・Hがリサーチ
ポートランドが注目される“キーワード”

このライフスタイル、私たちの身近にも増えていますね

「食」

地産地消、クラフトビール&フーズ、シングルオリジンコーヒー、フードカート

「生活」

マルシェ、ハンドメイド、アスレジャー、自転車

「住まい」

リノベーション

「自然に触れる」

マインドフルネス、トレッキング

ポートランドって、どんな街?

アメリカ西海岸、オレゴン州最大の都市で人口約60万人。昔からオーガニック農業、ファーマーズマーケットが盛んで、地産地消のレストランも多く集まり、全米で最も外食のために訪れるべき街ともいわれる。若い世代の起業家も多く、シングルオリジンコーヒーに着目した自家焙煎(ばいせん)のコーヒー店が“サード・ウェーブ”の世界的流行を生み、小規模ビール醸造者によるクラフトビールの生産も盛ん。地価を含めた物価がほかの大都市より安いという。こうした特長から、大量消費と距離を置いたナチュラルでリラックスしたライフスタイルが注目を集める。全米で最も出産に適した街、自転車に優しい街など全米No.1の称号を多々もつ。

ペーパーレスのハンドドリップ

手仕事で少量ずつ作られるガラスのカラフェとステンレスメッシュのフィルターを組み合わせた日本発“SLOW COFFEE STYLE”のコーヒーカラフェセットは海外のセレクトショップやカフェでも人気。ペーパーレスでエコ。600ml4,000円(税抜き)。「キントーカスタマーセンター」 TEL:0800-700-7971

住みやすい理由は?

「ポートランドに暮らす人々の大きな特徴は、地域社会への参加意識の高さです。ただサービスを受ける側でいるだけではなく、誰もが何らかの形で自ら発信をし、足りないものがあれば自分で作り出すという考え方が根付いています。そのため、地元産の新鮮な野菜や肉を使った個性派レストランや自家焙煎のコーヒー店、手づくりのクラフトショップなど地元密着型の個人商店が多い。消費者も、気に入ったお店、自分に必要なものを売る店は“自分がサポートする”という気持ちで応援します。また、社会貢献度の高い企業のものを選び、原材料もしっかりチェック。自分の納得できるものを買うことで、小さなことからでも社会を変えることができると信じ、意思表示します。できる範囲で社会にも自分自身にも責任を持つことが、気持ちよく暮らすための秘訣(ひけつ)なのではないかと思います」(佐久間さん)

ポートランド流 暮らしのヒント

1.徒歩や自転車で移動

ポートランドは1区画が比較的小さいコンパクトな街で、ライトレール(路面電車)も通っているため、車がなくても移動しやすい。自転車専用レーンや自転車優先道路も整備され、全米一自転車通勤に適した街といわれる。最近、日本も自転車ブーム。徒歩や自転車で移動すれば、お気に入りの小さな店へのアクセスも簡単に!

電動アシスト付き自転車は忙しい人の強い味方!幼児2人同乗対応「ギュット・ステージ・22」122,000円(税抜き)パナソニック サイクルテック TEL:0120-781-603

2.確かなものを食べる

近ごろ、日本もトレーサビリティやオーガニックが身近なものになっているが、ポートランドは昔からファーマーズマーケットも多く、毎日どこかでマーケットが開かれる。作った人の顔が見える、信頼できるものを食べることで、気持ちも豊かに。

©Cavan Images/amanaimages

3.マイ・カフェを持つ

個性的な自家焙煎のコーヒーショップが日本にも増えつつある。気に入ったお店は“マイ・カフェ”として定期的に通って応援。自宅で丁寧に淹(い)れて、豆そのものの味わいを楽しむのもいい。

アメリカの科学者が実験室のフラスコから発想した、ドリッパーとポット一体型の「ケメックス」。厚手の専用ペーパーフィルターで雑味のない味わいに。雑貨店やインターネット通販で入手可。

4.環境に優しく

なるべく環境に負荷をかけない天然原料の洗剤類は、アメリカでも少しずつ増えているそう。日本にも、優れたパッケージデザインで性能も申し分ない製品が。選択肢が広がることで、自分に合ったものが見つけやすくなる。

防腐剤などの添加物を使わず、昔ながらの釜炊き製法で丁寧に作られた無香料石鹸(せっけん)。「THESOAP」1,000円。

水だけを原料に、特許取得の独自技術で電解アルカリ水のみを抽出。油汚れを落とし、除菌にも「TheMagicWater」950円(ともに税抜き)。「THESHOP」 TEL:03-3217-2008

5.自分で“作る”

こんなものがあったらいいな、こんなお店があったらいいな、地域にこんなルールがあったらいいな……と思ったら、あきらめずに自分で作ることを考えてみては?すぐに実現できなくても、少しずつでも何かが変わるかも。

photo:Getty Images