ブレスケアの新常識。
“サラサラだ液”がキレイな息のキーワード
日本の口臭治療の第一人者の歯科医師、本田俊一先生。「日本はキスやハグの習慣が無いから、口臭に関しては後進国かもしれませんね。決して神経質になり過ぎることはないのですが、人知れず自分の吐く息に悩んだり、不安に思う前に、一度、見直してみるのは大切なこと。心身の健康のバロメーターですから」と語ります。ボンマルシェ読者からも企画の要望が寄せられた「口臭対策」についてうかがいました。
(撮影:川上輝明/イラスト:朝野ペコ/取材・文:編集部)
教えてださったのは
本田 俊一 先生
ほんだ・しゅんいち
医療法人ほんだ歯科理事長、日本口臭学会常任理事・指導医。1995年ほんだ歯科を開業し、予防中心の歯科医療を開始。臨床に携わりながら、口臭に悩む患者の多さを目の当たりにし、研究を始める。2000年、「ほんだ式口臭治療」を確立し、指導医や専門スタッフの育成にも尽力している。
口臭は寝ている間につくられる
口臭が起きやすいのは、こんな時&人
- 起床時
- 朝食を抜いた午前中
- 緊張やストレスを感じる時
- 空腹と疲労がたまる夕方
- コーヒーや酒を飲み過ぎたり、ニンニクなどを食べた時
- 喫煙の習慣がある人
- 無口な人
口の中が苦いと感じたことはありませんか?それはだ液に揮発性硫黄(きはつせいいおう)ガスが溶けて口臭が起きている時です。口臭の原因になる細菌は、夜寝ている間に増えてきます。だから、寝る前と起き抜けには歯磨きをして、できるだけ口の中を清潔に保つ必要があります。
自分の息に自信が持てる、サラサラだ液のための10カ条
キレイな息のポイントは、「歯」と「舌」のケアと「清流のようなサラサラだ液」をつくること。次の10カ条を実行すれば、自分の息に自信が戻って、顔が近い会話も楽しめ、気分が前向きになるはず!
- 歯磨きは、とくに、寝る前と起床後すぐ!
就寝前は、就寝中の歯周病菌などの増殖を抑えるため。起き抜けは、就寝中に増えた歯周病菌を体内に入れないため。
- 歯磨きは爪楊枝(つまようじ)を使うように、1本ずつ丁寧に。
歯ブラシは1カ月程度で新品のものに替える。
- 食事と食事の間は、歯磨きでなく、水で舌を洗う。
口内液を使ってもよい。舌ブラシは無用。
- 口の乾燥を防ぐ。
口を開けっぱなしにしない。鼻呼吸を心がける。
- だ液分泌の促進。
朝食を抜かない。噛(か)みごたえのある食事を、1日3回食べる。
- 一度口に入れたものは30回咀嚼(そしゃく)する。
これもサラサラだ液の大切なポイント。
- 歯を食いしばらない。
緊張を避け、舌の動きを止めない。
- だ液の流れをよくする。
仕事やスマホで下向きになりがちな目線を、正面に戻す。
- 口の中が渇かないように。
アルコールは控えめに。
- 3カ月に1回は歯医者さんへ。
歯垢は歯ブラシで取れるが、歯石を自分で取るのはむずかしい。
なぜ、“サラサラだ液”が大切?
朝昼晩、食事の後に歯磨きをする人が多いですが、それはあまりおすすめしません。食事の後はサラサラのだ液がいっぱい出て、口内の酸性化を中性化し、虫歯予防と保湿効果を維持しています。食後に歯磨きをするのは、中性化が完了する30分後が望ましいです。
食事の後の口臭は、歯ではなく舌に残った食べ物に原因があります。おやつの時間に水を口に含み、舌を上あごにつけてゴシゴシこすって飲み込みます。これをコップ1杯分繰り返すと、口臭が緩和されます。10時と15時のおやつは、空腹や疲労による口臭を防ぐために取り入れたい習慣です。
無臭の息のために大切なことはだ液の質と流れ。赤ちゃんは口の中のだ液がよく流れるので無臭なのです。大人も赤ちゃんのようなきれいなだ液をつくること。そのだ液には清流のような流れが必要です。
参考文献:本田俊一著『キレイな息のつくり方』、『もう、口臭で悩まない!』
illustration by Akira Sorimachi
