~みんなの“知りたい”をリサーチ~
LOVEチョコレート!
LOVE字型のチョコレートがけクッキー
どうしてチョコレートはみんなに愛されるの?
ボンマルシェアンバサダーのアンケートでも、131人中125人が「好き」。「好きではない」と答えた方も「疲れたときに食べたくなる」、「一人でほっとしたいときに食べる」と。スヌーピーの物語中にも、悲しみを癒やすクスリは一粒のチョコと友だちが背中をポンとたたいてくれること、という言葉があったような……。
かくも愛されるチョコレートの素朴なギモンを3人のスペシャリストに聞きました。
(撮影:川上輝明/料理:安田沙智/取材・文:安藤菜穂子)
教えてくださった方々
澤口 俊之 さん(脳科学者)
さわぐち・としゆき
人間性脳科学研究所所長、武蔵野学院大学・大学院教授。脳科学をベースに進化生態学や社会心理学などを組み合わせた幅広い研究を行う。「ホンマでっか!? TV」でのユニークなコメントも人気。
ピーター バイヤー さん(ショコラティエ)
デンマーク生まれ。1996年「ピーター バイヤー チョコレート」設立。ドミニカ共和国にカカオの自社農園、デンマーク本社内に果樹園を持つなど、素材を大切にしたチョコレート作りで世界的人気を集める。
野呂 謙友 さん(立花商店)
のろ・けんすけ
ガーナの文化やカカオ生産者の現状を伝える「本当のガーナチョコレートを作るプロジェクト」創設者の一人。現在は、カカオの専門商社「立花商店」にて様々な産地のカカオ原料を取り扱うほか、フェアトレード認証カカオの推進、産地のサポートや希少品種保全活動などを行う。
Q1
なぜ、私たちはこんなにもチョコレートが好きなの?
「簡単にいうと、チョコレートの原料となるカカオにはテオブロミンという成分が含まれていて、食べると幸福感や恋をしているような気持ちに近い感覚、リラックス感、心の落ち着きなどを覚えて"気分がよくなる"からです。だからこそ、人類は苦いカカオを“おいしい”と感じ、よりおいしく食べる工夫を長く続けてきたといえるのではないでしょうか」(澤口先生)。なるほど! 欧米のホテルのベッドサイドに置いてあるナイト・チョコレートは、「リラックスしてお眠りください」というメッセージだったのですね。カカオの原産地では、紀元前の遺跡からも出土しているカカオ。その頃から、人類はカカオに魅了され続けているのでしょう。
アンバサダーが知りたいギモンNo.1(131人中124人)
Q2
チョコレートが体にいいって本当ですか?
「カカオに含まれるポリフェノールは、集中力や認知機能、記憶力などの脳機能を高めるといわれています。チョコレートに関する研究の歴史は長いので、信頼性は高いといえるでしょう。脳科学者のなかでもチョコレートを好む人は多く、私もよく食べていますよ。カカオの含有量についてはあまり気にせず、ダークチョコレートであればよいと考えていいでしょう。食べる量については、1日中チョコレートだけを食べるなどの過剰摂取は問題があると思われますが、あまり気にせず、おいしく食べればよいと思います」(澤口先生)。気分がよくなってリラックスする一方で、集中力も高めてくれるんですね。夜チョコも朝チョコも、それぞれ効果があるようです。カカオの学名は「テオブロマ カカオ」で、ギリシャ語で「神の食べ物」という意味。納得!
Q3
話題のルビーチョコレートってどんなもの?
「ダーク、ミルク、ホワイトに続いて、80年ぶりに登場したチョコレートの新カテゴリーで、数年前に発見されたルビーカカオを使ったチョコレートのことです。ルビーカカオは繊細で希少性が高く、ごく限られたチョコレートブランドのみが扱っています。最大の特徴は、天然のカカオから生まれるピンク色ですね。ほかのチョコレートよりも溶ける温度が低く、色があせるのも早いので、製造過程でも特別な注意が必要です」(バイヤーさん)。バイヤーさんの印象では、ルビーチョコレートの生産量は、チョコレート全体のほんの0.1%程度だそう。これほど話題になっている日本は、やっぱり新しいもの好きなのかも!?
Q4
ルビーチョコレートは、どんな味がするの?
「たとえばお茶でも紅茶と緑茶では味や風味が異なるように、ルビーチョコレートは、ほかのどのチョコレートとも異なります。味の特徴としては、チョコレートとしては珍しく、ベリーのような風味や独特の酸味と甘みがあります。初めて食べたときには、そのフルーティーさに驚きました。ただ、緑茶でも作り手によって味わいが異なるように、ショコラティエによって仕上がりに違いがあります。私たちが開発した、北欧産のフルーツやベリーを使った3種類のボンボンチョコレートは、優しく、柔らかく、味わい深いのが特徴です。その味は、私が愛してやまないデンマークの夏を思わせます。皆さんにも、暖かく、青い空が広がるデンマークの心地よい夏を感じていただきたいですね」(バイヤーさん)。
アンバサダーからの関心が高かった「ルビーチョコレート」と「ベトナム産カカオ」を編集部がチョコっとテイスティング
Q5
カカオのフェアトレードは、どこまで進んでいる?
「フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、立場の弱い生産者や労働者の生活改善と自立を目指す仕組みのこと。カカオは現在、認証品目のメイン産品で、ヨーロッパのチョコレートメーカーでは、フェアトレード認証を含めた認証付きの原料を扱うことが当たり前のようになっています。日本はまだそこまでではないものの少しずつ増加していて、立花商店でも、フェアトレードのチョコレート原料を扱っています」(野呂さん)。大好きなチョコレートを食べることが、社会貢献にも繋がりそう。これからは、パッケージの認証もチェックしてみましょう!
Q6
チョコレートの最新トレンドについて知りたい!
「チョコレートは、生産量、消費量ともに世界的に年々増えています。今後ますます注目されるのは、カカオそのものの味わいを楽しむ板チョコ、ビーン・トゥ・バーでしょう。各ショコラティエが、産地や農園、発酵工程や製造方法の違いで個性を競っているので、たくさん試食して、好みのものを見つけてください。また、最近のチョコレート業界では、異業種からの参入が目立っています。独特な観点から製造されるユニークなチョコレートの味や、一見チョコレートに見えない斬新なパッケージなどを楽しんでみてはいかがでしょう」(野呂さん)。チョコレートも、ワインやコーヒーのような楽しみ方ができそうですね。お気に入りを見つけて、いつも手元に置いてみては?
LOVE字型のチョコレートがけクッキー
材料(1回に作りやすい分量)
- 有塩バター…40g
- グラニュー糖…50g
- 卵黄…1個分
- 薄力粉…100g
- チョコレート…適量(100g以上が扱いやすい)
作り方
- ボウルに室温に戻したバターをヘラでマヨネーズの固さほどに練り、グラニュー糖を加えて白っぽくなるまですり混ぜて、卵黄を加えてさらによく混ぜる。
- ふるった薄力粉を加えて、ヘラでさっくり混ぜ合わせる。粉のなかにバターの粒がまんべんなく散らばっている状態でビニール袋に移し入れて、袋の上から軽くもむ。そのまま30分ほど置いて生地をなじませる。
- 袋に入れたまま5mmほどの厚さにのばして好みの型で抜いて、予熱しておいた170℃のオーブンで表面が色づくまで13~15分ほど焼き、粗熱をとる。
※カタチをはっきり出すために、少し硬めの仕上がりです。
仕上げ
- ぽてっと厚めの仕上がり 市販のチョコレートを適宜に刻んで、湯煎で溶かし、クッキーの上にかけ流す。
- すっきり薄めの仕上がり 市販のチョコレートを適宜に刻んで、湯煎で溶かし、その中にクッキーの表面を浸して取りあげる。
※カカオの含有量によって仕上がりの色が変わります。好みの味と色を選んでください。
作ってくださったのは
安田 沙智 さん
やすだ・さち
料理家・管理栄養士・フードコーディネーター。病院や福祉施設の管理栄養士を経て、エコール辻大阪で日本料理を専攻、卒業。フードスタイリスト・マロン氏のアシスタントを経て独立。多方面で活躍中。
(制作・解説:安田沙智)
illustration by Akira Sorimachi
