おいしい新米で、塩むすびを
キューケンホフ公園。“チューリップと風車”という、いかにもオランダらしい風景が見られる。
新米のシーズンが到来!今こそ、最高のお米のおいしさを味わいたい。そのために必要なのは、もう一度基本をきちんと押さえておくこと。シンプルだからこそ奥が深いお米と塩むすびのこと、この機会にもう一度見直してみて!
(撮影:阿部高之/取材・文:宮尾仁美)
Part 1
お米のおいしさを引き出す方法、コツは研ぐ!ほぐす!
話をうかがった人
五ツ星お米マイスター
西島 豊造(にしじま・とよぞう)さん
東京都目黒区の米穀店「株式会社スズノブ」代表取締役。産地の特徴を活かした地域ブランド米づくりや地域活性独自プロジェクトに尽力。
「お米のおいしい食べ方に関して、誤解している方はたくさんいます」と西島さん。お米の味を引き出すのは、水と熱と空気なのだとか。「だから、研ぐ、ほぐすが大切です。米ぬかや汚れを適切に除去する方法(下参照)で研ぐこと、炊き上がったごはんに適度に空気を含ませること。このふたつで、米そのものの味を感じることができます。新米だからと水加減など神経質にならないで。しっとり柔らかくて甘みがあるご飯なのか、やや硬めの粒が立っているご飯が好きなのかでも、米の選び方や道具は違ってきます。まずは、どちらにも対応する炊飯器で始めてみましょう」(西島さん)
また、いくら新米でも、精米したてのおいしさは精米後10日程度とも。家族の数に合わせた量の購入と、小分けにして密封したものを冷蔵庫の野菜室で、という正しい保存が必要です。
そして気になるのがお米の銘柄選び。「今年の新米は日照不足等の問題を抱えていますが、昨今の気候変動に対応した新銘柄も続々登場しているので、“おいしいお米”は必ずあります。最近は、希少銘柄の少量パックを扱うスーパーなども増えていて便利。右のチャートを参考に、好みや料理にあわせてお気に入りの銘柄を選んでみてください」(西島さん)
西島さんによる「2019年産米食味チャート」(一部抜粋)。現代のお米は、品種改良などを重ねてより複雑妙味に。銘柄の個性や食味を知ることで、さらにお米をおいしく楽しむことができる。
お米の“研ぎ”をおさらい
- 正確に測る
計量カップに入れた米を箸などですり切り、きちんと計量する。 - 浄水で汚れを取る
ミネラルウォーターや浄水器の水を注ぎ、数回かき混ぜたら、素早く水を捨てる。
- もう一度汚れを取る
水道水を入れて軽くかき混ぜ、素早く水を捨てる。この際水はしっかりきる。 - 20回を目安に研ぐ
ボールを握るような手つきで指を広げ、20回程度かき混ぜる。米の表面を研磨するようなイメージ。
- 2回すすぐ
水道水を注いで2~3回かき混ぜ、研ぎ汁を薄めてから流す。このステップを2回繰り返す。 - 濁り具合で確認する
水道水が薄く濁る程度であれば終了。白濁している場合、さらに10回研いでからすすぐ。
炊き上がったごはんをほぐす
- 十字にしゃもじを入れる
炊き上がったらすぐ蓋を開けて蒸気を逃がし、しゃもじを十字に入れて4等分する。
- やさしくひっくり返す
4分の1ずつひっくり返し、ふんわりと混ぜる。重みでつぶれた下の米粒を切り離して立たせてあげるイメージ。
Part 2
新米で楽しむ、2つの塩むすび
握ってくださった人
炊きたてご飯をふわっと、食卓で
炊きたてのご飯を塩むすびにして、食卓でいただく。おいしいお米のうまみをより一層感じることができるはず。「布巾を使って、熱々のごはんを形を整える程度に優しく握ります。できたてのごはんの甘みと塩気の相性は抜群です」(稲垣さん)。
「お米のおいしさだけでなく、粘り気があり、のど越しを感じるような銘柄がおすすめです」(AKOMEYA TOKYOバイヤー有坂兼司さん)。
冷めてもおいしい、お弁当タイプ
型崩れしないことを意識しつつ、中は柔らかいくらいの絶妙な加減が大切。米の粒が立ったお寿司屋さんのシャリのようなごはんが合います。「握りすぎて、お米の粒を潰してはダメ。お米そのもののうまみが引き立つように、塩は少し濃いめにします」(稲垣さん)。「粘りが強く、冷めてもおいしい低アミロース米を選ぶと、お弁当にぴったりな塩むすびに」(有坂さん)。
厳選したお米や、食を彩るアイテムが揃う
AKOMEYA TOKYOに聞く おすすめの新米
炊きたてごはんで作る塩むすびに
- 福岡県みやま市産 夢つくし
- 程よい粘り、ふんわりとしたやわらかさと、しっかりしつつも主張し過ぎない甘みが特徴の銘柄。
- 山形県南陽市産 黒澤ファームつや姫
- 上品な甘みと粘り、さらっとした食感とのど越しが印象的。炊きたてのつやつやをぜひ楽しんで。
お弁当にぴったりな塩むすびに
- 新潟県南魚沼産 笠原農園ミルキークイーン
- 南魚沼産コシヒカリの高い食味はそのままに、モチモチ感と香りが加わった華やかなおいしさ。
- 北海道苫前産 ゆめぴりか
- 北海道内では希少な良食味米の産地によるお米。炊き上がりのつやとやわらかさは格別。
