Life Style
2020.01.14

Twitter「きょうの140字ごはん」フォロワー11万人超え!
寿木けいさんがたどり着いた「いつものごはん」

寿木けいさんの著書『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』のあとがきに「今日を肯定して明日につないでくれる推進力となるもの。それが料理なのだと思う」とあります。食べることは一生続く大切なテーマです。でも、平日は時間がかかる料理には手を出せません……。

「その分、帰宅後30分で作れる料理の幅を自分なりに広げました」という寿木さんのいつものごはんの基本10品は、むずかしい手順も厳密な分量もありません。その、手順にも分量にも頼らない“料理の幅の広げ方”に注目!!

(料理・文:寿木けい/撮影:大沼ショージ/構成・取材:ボンマルシェ編集部)

幸せになるために料理をする。
今年こそ“作りすぎない”誓いを。

初めまして、寿木けいです。2010年から、ツイッター「きょうの140字ごはん」に日々のレシピを写真付きで投稿しています。

10年の間に、結婚して子供を2人もうけ、料理劣等生だった私が今では多くのフォロワーに知られるようになりました。ご縁に恵まれ、レシピ本も2冊出版しています。思えば、料理、そして暮らしや働き方のことを考え続けてきた10年でした。

年末年始、みなさんはどんな料理を作ったでしょうか?

スマホをひらけば、たくさんの魅力的なレシピがヒットします。簡単でおしゃれ、体に良さそう、時短でボリュームあり──好奇心を刺激され、食欲をそそられ、作りたい気持ちがあふれ出します。

たまに一品作るなら、検索はとても便利です。でも私たちを悩ませるのはいつだって、毎日の献立なのです。たくさん服を持っているのにコーディネートが決まらない──そんな状況に似ています。

料理にはパワーが必要です。火、水、刃を駆使し、農作物や動物の命をいただくのですから、家事のなかでも一番大変なものです。

余裕がある日なら、いくらでも頑張れるでしょう。でも、365日はぜんぶ違います。調子が悪いときや忙しいときに、ちゃんとした料理を並べられない自分を責めないでください。

日本では、掃除などの家事代行サービスは頼めても、料理だけはやっぱり自分で作りたいという声が多いように思います。

だからこそ、今年は料理を作りすぎないでほしいのです。

私は10年間で3,000近くのレシピを投稿してきました。よく作るものには共通点があります。調理法がシンプルで、栄養バランスがよく、使う材料が少ないこと。なかにはあまりにシンプルすぎて投稿することさえ忘れていた、名前のないおかずもあります。

その中から10品を基本のレシピとして主役に据え、平日の献立をストレスなく作りましょうというのが、私からの提案です。紙面では5つのレシピをご紹介します。ぜひ作ってみてください。

基本の10品は、食材や調味料を変えればアレンジの幅が無限に広がります。なぜならレシピ自体がとてもシンプルだから。

「こんな10品でよかったんだ。肩の荷がおりた、ありがとう」

忙しく働く友人たちとも、よくこんな料理談義をします。

食べることは一生続くテーマです。料理が楽に、長く、クリエイティブに続けられたら、こんなに心強い相棒はありません。健康で幸せになるために、私たちは料理をするのですから。

食べたいものを自分で作れる少しの技術と手軽で持続可能なレシピがあればいい

“好みの焼き加減で” 名もなき20秒卵

読者から「信じられないくらい簡単でおいしい」と一番反響があったのがこの一品。どの家庭にもある卵が主役。卵をよく溶いたら、高温に熱したフライパンで手早く、大胆に焼く。その間わずか20秒。ごまとおかか、醤油をかければ、あつあつの立派なごちそうに。水と砂糖をほんの少し加えるとよりふっくら仕上がる。

“切り身を活用する” 焼き魚のさっと煮

新鮮な切り身が手に入る日本で、魚を食べないなんてもったいない。切り身に塩をふって15分置き、皮面や身をさっと焼いてから水分を足し、魚のうまみが染み出たスープで青菜やきのこ類などと一緒に煮れば、ボリュームある主菜のできあがり。魚を青菜で覆えば落とし蓋のような効果も。

“蓄電させるように焼く” ほったらかし野菜炒め

何品か同時に作る際に大事なのは、ある程度放っておけるレシピを組み入れること。フライパンに油を熱したら、まず塩を振り入れてなじませてしまうのが、まんべんなく塩をまとわせるコツ。あとは蓋をして、あまり野菜を動かさず、蓄電させるように焼く。水っぽくならず、歯応えを残したまま火が通る。

“肉に合った焼き方を知る” 鶏もも焼

肉を食べたい。そんな気分の日は、塊の肉を焼く。選んだのは大人にも子供にも愛される鶏。パリッと香ばしく焼けた皮と、ふっくらジューシーな身がなによりのごちそう。皿などで重石をして、皮面を鍋にぎゅっと押し付けてじゅうぶん焼き色をつけ、ひっくり返してさらに焼く。味付けはシンプルに塩だけで。

“出汁に頼らない” 赤と白のスープ

毎日昆布と鰹節で出汁をとるプレッシャーから自由になりたい。ならばそれ自体に濃いうまみがあり、栄養価の高い食材で汁物を作れば良いのではとひらめいたのが、このコンビ。トマト(赤)と豆乳(白)は冷蔵庫に欠かさない。それぞれ、厚揚げ、あさりと相性がいい。味噌汁と一辺倒だった食卓に、小さな革命が。

ボンマルシェ編集部が注目した一書

寿木けい著『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』
(小学館刊/1,400円+税)

10年間の体験から生まれた“シンプルで応用のきくレシピで考える、毎日の家ごはんの組み立て方”には共感すること多々!上記で紹介した5品を含めた、寿木さんのいつものごはんの基本の10品は、シンプルで自在に応用がきくものばかりです。

Profile:すずき・けい

富山県出身。出版社に勤務の後、会社員として働きながら、暮らしや女性の生き方に関する連載をもつ。東京で夫と2人の子供と暮らす。2 月末に初めての書き下ろしエッセイ(CCCメディアハウス刊)を発売予定。