Life Style
2020.02.12

平野由希子さんに聞いてみた
チョコレートとドリンクのペアリング

料理の世界でよく耳にする「ペアリング」。これはそれぞれの食べ物に合わせた相性ぴったりの飲みものを一緒に味わうことで、そのおいしさの相乗効果を狙ったもの。「チョコにもこの法則はあてはまる」と断言する平野さん。さっそくトライ!

(撮影:神林 環/取材・文:藤田 優/構成:ボンマルシェ編集部)

平野 由希子(ひらの・ゆきこ)さん

ワインとフレンチを愛する料理研究家。ワインバー「ユイット」オーナー。料理教室cuisine et vin主宰。国産ワインを筆頭にお酒に携わる生産者を応援中。

人気チョコと話題の飲みものの
新感覚のペアリングに挑戦!!

「フレンチを例にすると、前菜や軽めの料理には白ワイン、メインには赤ワインというのが昔からあるペアリング。ところが今は、コースの流れにビールを入れたり、日本酒を入れたりと新しいペアリングが始まっています。今回はそのチョコレート版。チョコレートにはヨーロッパの伝統として、ブランデーやウイスキー、ポートワインなどの飲みものが合うとされてきました。コーヒーや紅茶は大前提ですが、そんな王道の楽しみ方からさらに進んで、今、注目を集めているチョコレートと話題のお酒から相性を探ってみたくて。だまされたと思って(笑)、試してみて」と目を輝かせる平野さん。

驚きの結果はそれぞれの欄を読んでいただくとして、自分でペアリングを試す場合、何を手掛かりにすればいいのでしょうか? 「まずは香り。ルビーチョコはカカオそのものがラズベリーのような酸味やフルーティーさを持っているのですが、それには爽やかな果実味のあるロゼのシャンパーニュが合いますよね。実はこのふたつは色にも共通項があります。食べ物の色は味を表してもいるので、色を合わせるのも手掛かりになりますよ。それからボリューム感や質感。こっくりした味わいのボンボンショコラには、飲みものもトロりと重めのものが合いますね」

口に飲みものを含んだら、そこにチョコをひと口。チョコが口の中でとけるのを待ち、ふたつの味わいのハーモニーを楽しみます。「成功したときは、口の中に味わいの余韻がずっと続きます。おいしい発見は記憶にも残るし、それがいつもの見慣れたチョコだったらより楽しいですよね」

濃厚な味わい
ボンボンショコラ、あんこのチョコ

日本酒を含んで、ボンボンショコラを口の中で転がすと、まったりとクリーミーな口どけに感動。あんこにチョコを練り込んだ、“和チョコ”の先駆けである「亀屋良長」の烏羽玉(うばたま)カカオ(写真の丸い玉)もまろやかな日本酒と合う!

旨口の純米酒、熟成酒をぬる燗でも
日本酒

コクのある日本酒で「質感」を合わせて。この場合、淡麗辛口ではなく純米酒や熟成古酒がおすすめ、またトレンドの貴醸酒でも。平野さんチョイスは「金紋秋田酒造」の8年熟成酒・山吹ブレンド。

ざっくり軽い風味を味わう
チョコレートブラウニー

チョコに合うお酒は高アルコール度数が定番だが、度数の低いビールでもチョコの質感を変えればペアリングは成功。軽い食感のブラウニーはナッツの香ばしさも黒ビールと好相性。同発想でアーモンドチョコもお試しを。

カラメルの香りほろ苦さが◎
スタウトビール

チョコに黒ビール⁈ これが大正解。焙煎モルトの香りや苦みは、実はチョコに通じるものがあったのだ。軽やかなビールの飲み口と軽いチョコは休日の昼酒にもぴったり。平野さんは「箕面(みのお)ビール」のスタウトをチョイス。

ドライフルーツの凝縮された旨味
オレンジピールチョコ

「チョコはほどほどに好き」な人には“チョコがけのドライフルーツ”を。干すことで甘みや酸味がより深まった柑橘の味わいとチョコの組み合わせは最強。ミルクと合わせた“ほうじ茶オレ”があるように、ミルクチョコでもぴったり。

ノンアルコールでチョコに合わせる新定番といえば
ほうじ茶

コーヒー、紅茶に続いてチョコと相性がいいお茶に平野さんが選んだのはほうじ茶。燻した芳しい香りはチョコに匹敵する存在感。柑橘の酸味も意外に合う。

カカオ分の少ないミルキーな食感
ホワイトカカオチョコ

カカオバターとミルクの含有量が多く、濃厚なテイストが楽しめるホワイトカカオ。世界初のホワイトチョコレートのビーントゥーバーも登場している。

馥郁たる香り、味わいが深く楽しめる
泡盛

ミルキーな味わいを引き出す高濃度アルコールにまさかの泡盛。ホワイトチョコのシンプルさを、味に奥行きのある泡盛で補う形もペアリングの醍醐味。「瑞泉酒造」の尚(しょう)ZUISENとのマッチングに大満足。

ますます注目度が高まる 第4のカカオ
ルビーチョコレート

ダーク、ミルク、ホワイトに続く第4のカカオとして人気のルビー。鮮やかなピンクは天然の色で酸味のあるフルーティーな味わいが新鮮。写真はルビーカカオの扱いではナンバーワンの声が高いピーターバイヤー製。

繊細な泡とエレガントな香り
ロゼシャンパーニュ

カカオ特有の苦味がなく、いちごのような酸味をもつルビーカカオには同様の柔らかい酸味が楽しめるロゼシャンパーニュを選択。口の中に酸味が広がり、その酸味の余韻がずっと続く。まさにハズレのない組み合わせ。

山椒や柚子のフレーバーを楽しむ
和風ハーブ味チョコ

欧米のシェフに始まり、ショコラティエが積極的に使用する日本のハーブや柑橘。実は山椒や柚子の強いフレーバーとチョコの相性は抜群。平野さん曰く、普通の板チョコに山椒をふりかけた“味変”でも十分おいしい。

和ハーブが香る日本製の
クラフトジン

作り手の自由な感性とボタニカル感で世界的に大人気のクラフトジン。今回選んだのは「サントリー」のROKU。ジンには欠かせないジュニパーベリーに加えて山椒や桜、柚子などの香りがチョコとの相乗効果を発揮。これは新鮮!

チョコレートの王道カカオ70%以上の
ダークチョコレート

カカオ含有量が高くなればなるほど、カカオの渋みが深まるのがダークチョコレートの楽しみ。ブレンドせず、一種類の豆だけで表現するシングルチョコレートで香りの個性を比べるのも面白い。

ダークカカオのもつ渋み、深い香りには複雑味のある味わいの
赤ワイン

ダークチョコのペアには断然、タンニンを感じるしっかりめのボディのある赤ワイン。日本産ワインの中から繊細でいてボディのあるワイン、と平野さんがチョイスしたのは「奥出雲ワイン」のカベルネ・ソーヴィニヨン。

鼻をくすぐる麦の香り
麦チョコレート、ウエハースチョコレート

麦チョコやウエハースは子どものおやつ? いやいや、飲みもの次第でチョコの味がぐっと引き上がることが今回証明された。キットカットと麦焼酎の贈り物なら驚きもおいしさも値段の数倍以上! 喜ばれること確実。

芳しいコクがペアリングのコツ
麦焼酎

平野さんが今回一番膝を打ったのがこのプレミアム焼酎とキットカットの組み合わせ。「柳田酒造」の大麦焼酎・青鹿毛(あおかげ)はコクと濃厚な味わいが特徴。この余韻の続く香りが麦を使ったチョコと相まって感動もの。

BLOG
荒木千衣さんが続ける『毎日チョコ生活』

1日3個のチョコを食べるルーティンが現在3年目。約3,500個のチョコを食べてきた荒木さんが最近出会って感動したチョコは、最高においしい瞬間を逃さないために完全予約制・遅刻厳禁で渡される珠玉のチョコ。その一方で、「国内外、旅先で出会う一期一会のチョコも外せません! その土地ならではの食材×チョコの個性的な味で、地元愛が詰まってます」。だから、ベストなペアリングは同じ土地の天然水!

スペインの名門ショコラティエ「カカオ サンパカ」はスパークリングワインとのペアリングを独自提案

芸術的チョコで知られる「カカオ サンパカ」。日本直営店では、極薄タブレット「ロサス・イ・フレサス」と、同じくスペインの名門ワイナリー「ナダル」のスパークリングワイン「ブリュット レゼルヴァ オリジナル」のペアリングを提案。バラといちごの華やかな味わいのチョコ×果実とハーブが香る白辛口。
TEL:03・3283・2238(カカオ サンパカ 丸の内本店)

1月25日(土)羽田空港でデンマークの人気ショコラティエ
「ピーターバイヤー」×「余市ワイン」のコラボが実現!

ワイン用ブドウの一大生産地で、“北のブルゴー二ュ”といわれる北海道・余市町。ワイン試飲会ではピーターバイヤーのチョコとのペアリングを提案。来日したピーター氏の息子アレキサンダー・バイヤー氏曰く、「ルビーチョコは本国では春夏の限定商品。爽やかな味わいで、余市産スパークリングワインにぴったり!」。

余市産スパークリングワインは、果実香とフレッシュな風味が特長。