Life Style
2021.05.26

“深頭筋マッサージ®”で、頭皮とココロをほぐそう!

ふと気がつくと、心身にストレスを感じていることも多い毎日です。そんなとき、およそ1分間、頭皮に手をあててセルフケアでリフレッシュを!

(イラスト:加藤木麻莉/構成・取材:島田七瀬・酒井亜希子〈スタッフ・オン〉)

注目! ヘッドセラピストの先駆け
山本幸恵さんの頭皮ケア

山本 幸恵 さん
ヘッドセラピスト

やまもと・ゆきえ 美容師として15年間活躍したのち、2006年にヘッドスパ専門サロンをオープン。日本のヘッドスパの草分け的存在。独自に編み出した“深頭筋マッサージ®”が注目を集め、現在は東京都内でプライベートサロン『ティファレス』を経営。

「これまでの約30年間で、3万人以上の方の頭皮に触れてきた経験から痛感しているのは、心身にストレスをためている人ほど頭皮の凝りを抱えていることが多いということです。その凝りに大きく関わっているのが、頭皮の内側にはりめぐらされている筋肉。その筋肉をもみほぐすマッサージ法として“深頭筋マッサージ®”を編み出しました。深頭筋は実際に存在する筋肉の名称ではありませんが、“頭の筋肉の深い部分をとらえる”というイメージから、そう名付けました。

頭皮の内側の筋肉は顔面を覆っている表情筋と連動していて、歯を食いしばれば側頭筋に、みけんにしわを寄せれば前頭筋に緊張が伝わって収縮します。だから、心身のストレスと頭の筋肉の凝りは大いに関係しています。

“深頭筋マッサージ®”は、1回1分程度のセルフケアでも、リフレッシュするのを感じられるはずです。『なんとなく頭が重い』『頭皮が硬くなっている気がする』という人は、ぜひ毎日のケアに取り入れてみてください!」(山本さん)

いくつあてはまる?

  • 頭全体がなんとなく重い
  • 頭頂部をつまんでも頭皮がつっぱっていて動かしにくい
  • 起床後、顔についた枕の跡が30分経っても消えない
  • 寝つきが悪い
  • 気がつくといつも考え事をしている
  • 日常的に目を酷使している

上記の項目は、「頭皮の内側の筋肉が硬くなっていたり、こわばっていたりしているサインです」と山本さん。頭皮ケアを入念に!

知っておこう! tips

マッサージの際、意識したい4ブロック

頭皮の内側の筋肉は、おでこを引き上げる役目を担う前頭筋、咀嚼(そしゃく)筋のひとつである側頭筋、前頭筋を引き上げる後頭筋、そのすべてとつながっている帽状腱膜から構成されています。これらを意識しながらマッサージを!

心地よくもみほぐす基本のステップを覚えて!

側頭部から頭頂部までの筋肉を、頭蓋骨(ずがいこつ)の硬さを感じながらしっかりとらえてほぐすことで、頭部全体のこわばりを緩ませることができます。いつでも気軽に行えるので、リフレッシュしたい時はまずはこれだけでも!

Step1

指を軽く曲げ、両耳を包み込むように頭皮を触る。

Step2

側頭部から頭頂部に向かってゆっくり5秒かけて、頭蓋骨の硬さを感じるように指の腹を押しあてながら、スライドさせていく。

Step3

両手の指を頭頂部で交差させたら、髪の根元をぎゅっと両手でつかんで頭皮を持ち上げるイメージで、2秒キープ。

知っておこう! tips

爪は立てず、指の腹を使う

指は髪の毛の上や頭皮の表面を滑らせるのではなく、頭皮の内側の筋肉をしっかりとらえるようなイメージで。頭皮を傷つけないよう、出来れば短い爪で行いましょう。硬さや凝りを感じる箇所は人それぞれ異なり、その要因も生活習慣、かみ癖などさまざま。「イタ気持ちいい」と感じるところを重点的に!

側頭筋・後頭筋をほぐす

痛みを感じやすい部位なので、無理をせず“イタ気持ちいい”程度の強さで。顔を天井に向けて、頭の自重を利用すると、余分な力を入れずに行えます。「目の疲れや首・肩の凝りを感じる人におすすめします」(山本さん)

右手をグーの形にして、人さし指と中指の第2関節を立てる。

机の上に右ひじをつき、右の耳の後ろに1でつくった人さし指と中指の第2関節を当ててゆっくり5回、小さな円を描くように後ろ回しに。

耳の後ろからうなじまで5カ所ほど、移動させて行う。左側も同様に行う。

前頭筋を中心に寄せる

机に両ひじをついて、指で頭の重みを感じるように行って。「ストレスがたまるとみけんにしわを寄せがちに。普段から考え事が多い人や心配性の人は、とくに前頭筋をもみほぐしましょう」(山本さん)

指を軽く曲げ、髪の生え際に指の腹をあてる。その際、小指と小指の間は、みけんの幅くらい空ける。

指の腹を頭皮に押しあてたまま、頭皮をぎゅっと中央に寄せて2秒キープ。2回繰り返す。

指の位置を約2cmずつ上にずらしながら、12を繰り返し、頭頂まで4カ所ほど行う。

頭頂部のツボ“百会(ひゃくえ)”を押す

東洋医学で“百会”と呼ばれる、自律神経を整える頭頂部のツボを集中的にマッサージ。「ここが痛む人は、心身が疲れている可能性大です」(山本さん)

片手をグーの形にして、親指の第1関節を立てる。

親指の第1関節を、頭のいちばん高い位置に置き、その上にもう片方の手をのせ、上から軽く押すようにして5秒キープ。腕の重さを利用することでツボ押しマッサージが簡単にできる。

前方にずらしながら、4カ所ほど行う。

女性頭髪専門外来のドクターにもお聞きしました!

教えてくださったのは…

浜中 聡子 さん
医学博士

はまなか・さとこ クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長。北里大学医学部卒業後、AACクリニック銀座院長などを経て現職。女性頭髪専門外来で診療にあたる。

頭皮は日常の質が表れる大切なパーツ。
日頃から地道なケアを!

頭皮は毛髪を養う“畑”のようなもの。頭皮に何かしらトラブルの自覚症状があるのは、頭皮環境が悪くなっているサインかもしれません。将来的な薄毛や抜け毛を予防するためにも、常に健やかに保つことが大切です。

ベースになるのは、毎日の睡眠と、たんぱく質・ビタミン・ミネラルのバランスがとれた食生活です。体全体に栄養が行きわたっていないと、そのダメージは最初に頭皮や髪、爪や皮膚に表れやすく、回復が遅いのも頭皮や髪や爪です。

そして、頭皮ケアのためには、日常のシャンプーも大切にしましょう。シャンプーは、“髪”より“頭皮”を清潔に洗うための行為と心得てください。38℃程度のお湯でしっかりと頭皮をぬらしてから、手のひらでシャンプー剤を泡立て、頭の後ろ側からえりあし→後頭部→側頭部→頭頂部→前頭部→生え際の順で、こすらずに地肌が動く程度の力で洗いましょう。すすぎは毛の流れに逆らうように、シャワーを下から上に向けて。また、えりあしや後頭部は、洗い残しや流し忘れも多く、不快感やトラブルの原因になりますので念入りに。シャンプー後は即、ドライヤーで根元から乾かして。自然乾燥は、パサつきや雑菌の繁殖によるにおいの原因になりかねません。

また、若い時よりも頭皮が薄くなって突っ張る、硬くなったような気がするという声も多く聞きますが、頭皮を内から支えている筋肉の弾力を保つコラーゲンが年齢とともに減少することが原因で、これは加齢によるものだと考えられます。

頭皮や髪は自分の健やか度をはかるバロメーターになってくれるものでもあります。日々の食生活、生活習慣を見直して、毎日、地道なセルフケアを続けましょう。(談)