植物療法士、森田敦子さん流
“自然ぐすり”をわが家の香りに

“自然ぐすり”は、植物や食べ物で体や心の不調を整えること。植物や精油を用いる植物療法を長年実践している森田敦子さんが提唱している考え方です。そのメソッドは、ルームフレグランスに応用できるのでは? ということで、おすすめのアイテムや方法を森田さんに教えていただきました。冬にぴったりなフルーツやスパイスを使って簡単に作れる“自然ぐすり”をわが家の香りにしてみませんか?
(撮影:河内 彩/構成・取材:赤木さと子・酒井亜希子〈スタッフ・オン〉)
教えてくださったのは……
森田 敦子 さん
植物療法士

もりた・あつこ 日本における植物療法の第一人者。株式会社サンルイ・インターナッショナル/Waphyto代表。パリ13大学で植物薬理学を学び、帰国後植物療法に基づいた商品・サービスの提供や「ルボア フィトテラピースクール」を主宰。著書に『自然ぐすり』(ワニブックス)など。
「私は20代のころ、ダストアレルギー気管支喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎になったことをきっかけに、ヨーロッパでは医療として取り入れられている植物療法と出合いました。科学的な薬も大切ですが、それに頼る前に自分でケアできることはたくさんあります。心地よい空間を整えたり、心の疲れを癒やすような“自然の香り”をルームフレグランスとしてぜひ日常に取り入れてみてください。植物などの自然の香りを嗅ぐことで、リラックスやリフレッシュできるのはもちろん、抗菌作用などもあります。私は季節に合わせて部屋の香りを変えています。11~12月は、体を温める柑橘系やスパイス、エバーグリーンの香りが定番。自分にとって心地よい香りを見つけるには、日常で香りに敏感になること。野菜を切ったときの香り、金木犀(きんもくせい)の香りなど、心地よいと思える香りを意識して過ごしているうちに自分の好みがわかってきます」
柑橘(かんきつ)とシナモンが香るフルーツポマンダー
ポマンダーは冬に楽しむ“自然ぐすり”の代表格。柑橘類ならなんでもOK。オレンジに竹串などで穴を開けてクローブを刺し、シナモンをまぶして3週間ほど風通しのよい場所で乾燥させます。玄関やリビングに吊(つ)るしたりお皿に飾ったりしましょう。

松ぼっくりに精油数滴を垂らして
乾燥した木材や松ぼっくり、蓮などに好みの精油を6~7滴しみ込ませると、ルームディフューザーになります。拾った松ぼっくりはごみをブラシなどで取り除き、抗菌スプレーを吹きかけて乾かしてから使いましょう。

みかんの皮の懐かしい香りを空間に
皮の白い部分を取り除き、新聞紙に広げて2週間程度天日干しを。乾燥させたどくだみなどと合わせてお茶にすれば湯気とともに香りが広がり、ルームフレグランスにも。ワックスがついているみかんは、1時間ほど水に浸(つ)けて使います。

スパイシーなスターアニスで部屋を浄化
中華料理にも使われるスターアニス(八角)。お皿に十数個置いておくだけでしっかり香り、心の中までクリーンにしてくれるようです。時間とともに柔らかい香りに変化していくのも楽しみ。私はお手洗いに置いています。

香り豊かでフレッシュなもみの木をいける
エバーグリーンは記憶の中にある懐かしい香りで、さまざまな思い出がよみがえってきませんか? 短めのもみの枝を花瓶にいけるだけでも香りは十分。森林浴効果のあるフィトンチッドも発散されてリラックスできます。

身近な香りの悩みも“自然ぐすり”の応用を
ボンマルシェアンバサダーの質問に森田さんが答えます
Q 人工的な柔軟剤の香りで頭痛が……。いい対策はありますか?
A 体質に合わない可能性があるので、無香料の柔軟剤を使いましょう。洋服に香りをつけたい場合は、手作りのアロマスプレー(エタノール5㎖+好みの精油15滴+精製水50㎖)を。
Q 加齢臭の効果的な対策を教えて。
A 精油入りのバームは、成分が皮脂に近いため、香水をつけ慣れていない人にもおすすめです。加齢臭の原因となる“ノネナール”と混ざっても不快な香りになりにくいラベンダーやベルガモット、グレープフルーツなどの香りがおすすめです。耳の後ろや手首につけて。
Q 焼き肉やたこ焼きをしたあとの、部屋のにおいが気になります。イヤなにおいを消すには?
A カーテンにアロマスプレーを吹きかけて、ディフューザーに。イヤな香りを浄化してくれ、部屋全体がいい香りに包まれます。レモンやミントの香りは、だれもが嗅いだことのある香りなので好き嫌いも少ないですよ。
