Life Style
2022.03.16

「おいしい」を未来につなぎたいから
"サステイナブル"な食生活への第一歩は"ムダ"を減らすこと!

"サステイナブル"(持続可能)という言葉をよく耳にするようになりました。でも、毎日の生活で、私たちは何を意識したらよいのでしょう? まずは身近な食生活でできることを知りたくて、食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さんをおたずねしました。井出さんは「たとえば、日々口にする食べ物をどう選ぶか、買うかは、私たちの"投票"です。自分が共感し、納得でき、応援したい生産物や店を選び、買ったらムダを出さないことから」と語ります。ボンマルシェアンバサダーが実践していることもご紹介!

(イラスト:naohiga/取材・文:赤木さと子・酒井亜希子〈スタッフ・オン〉)

教えてくださったのは……

井出 留美 さん
食品ロス問題ジャーナリスト

いで・るみ 奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学)、修士(農学)。ライオン、青年海外協力隊、日本ケロッグ広報室長などを経て現職。食品廃棄物・食品ロスの削減に取り組む政府や企業などの世界的連合「Champions12.3」のメンバー。著書に『食べものが足りない! 食料危機問題がわかる本』(旬報社)、『食料危機』(PHP新書)など。

日本で1年間に出される食品ロスは約570万トン
半数は一般家庭から……

「次世代につながる"サステイナブル"(持続可能)な食のためにまず意識したいのは、"ムダ"を減らすこと。食べ物を捨てることは、『もったいない』だけではありません。食べ物を作るため、捨てるためには大量のエネルギーが使われ、環境破壊につながります。日本では年間に、なんと約570万トンもの食料が廃棄されています。国民1人が毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てている計算になり、その約半数は一般家庭からです。だからこそ、私たちの普段の生活で、できることから始めましょう。第一歩として、日々の暮らしで食の"ムダ"を減らすことからアクションを起こしてみませんか? 無理せずおいしく続けることを心がけてください」(井出さん)

※農林水産省・環境省(2021年11月30日発表)

① 目指すはごみゼロ「ゼロ・ウェイスト」

「"ウェイスト"は、ごみやムダという意味があります。ゼロ・ウェイストは"ムダをできる限り出さないこと"を目指す考え方です。リサイクルや再利用も大切ですが、そもそもごみやムダを出さないことが、いちばん効果的。買い物のときには"計画的に食べきれるぶんだけ"を意識して。量り売りや売り切りのお店で買うこともおすすめです」

井出さんが注目!

「斗々屋 京都本店」

2021年にオープンした「ゼロ・ウェイスト」がコンセプトのスーパーマーケット。食品だけではなく、シャンプーなどの生活用品も持参した容器に入れて、必要な分だけ量り売りしてくれるシステム。食品ロスを出さない工夫として、鮮度が良い間に生鮮食品などをお総菜や保存食に加工して販売。東京・国分寺にも200品目規模の店「ニュ バイ トトヤ」がある。

お問い合わせ:斗々屋 京都本店
TEL:075-221-8282

②「てまえどり」を意識して

「スーパーでは、消費・賞味期限の短い商品が手前に陳列されていることが多いですが、文字通り"手前から取って買う"こと。消費者が"てまえどり"で買ったものをすぐに使い切れば、お店は期限切れ商品の廃棄を防ぐことができます。ついつい奥から取りがちですが、スーパー全体を自宅の冷蔵庫だと思って、食材を使いきることを意識しましょう」

アンバサダーも実践!

「店舗で奥の商品を選ぶのをやめ、てまえどりをはじめました」(40代・女性)

③ 野菜は切り方や保存を工夫する

「なんと、家庭から出る食品ロスでいちばん多いのが野菜(約50%)です。食べられる部分まで捨てている"過剰除去"は、皮は厚くむき過ぎない、ヘタは垂直に切り落とさず硬い部分だけを取り除く、などの方法で減らせます。使いきれないまま野菜が傷んでしまうのを防ぐためには、適切な保存を。それでも食べきれない場合は、干して保存すれば料理のレパートリーも増えます。リボべジ(再生野菜)もおすすめ」

井出さんが注目!

「愛菜果」

野菜と果物の鮮度をキープする保存袋。野菜や果物から発生する老化促進ホルモン・エチレンガスを吸着透過させて鮮度を保つ。Mサイズ 6枚入り 209円(税込み) 

お問い合わせ:関西紙工株式会社 特販営業部
TEL:06-6222-1300(代表)

④「規格外の野菜」や「未利用魚」を積極的に消費する

「市場で定められた規格に当てはまらず、流通にのせられない野菜や魚介類も社会問題となっています。ちなみに日本の年間の食品ロス約570万トンには、規格外の野菜や魚介類は含まれず、実際の廃棄量はもっと多い。道の駅や農産物直売所などで生産者から直接購入したり、規格外の食材を使っているレストランを利用したりしましょう」

井出さんが注目!

「築地もったいないプロジェクト魚治」

サイズの規格外や傷物、知名度が低くて売れない魚などを使った料理を提供する有楽町の居酒屋。写真は、規格外のチコ鯛を使った「チコ鯛の酒蒸し」(1,520円~/税込み)

お問い合わせ:築地もったいないプロジェクト魚治
TEL:03-6269-9099(まん延防止等重点措置期間終了まで臨時休業)

⑤「フードレスキュー」の店を利用する

「賞味期限の迫った食品が値引きして販売され、廃棄から救われるのが"フードレスキュー"。スーパーでの"見切り品"のほか、最近ではレストランやパン屋、スイーツ店なども参加しています」

アンバサダーも実践!

「購入した食材を使いきることは当然、消費期限の短いスーパーの値引き商品も喜んで購入しています」(50代・女性)

⑥ 余った食品は「フードドライブ」でおすそわけ

「家庭で余っている食品を持ち寄り、集めて福祉施設や団体に届ける活動です。自治体の庁舎などに設置されていたり、ファミリーマートや無印良品に設置されている店舗があります。多くの場合、未開封の缶詰、パスタや海藻などの乾物、飲料など、賞味期限の長い食品が対象です」

井出さんが注目!

「ファミマ フード ドライブ」

家庭で食べきれない食品を集め、地域の支援が必要な人々に届ける取り組み。賞味期限まで2カ月以上あり、常温保存が可能なものなどを受け付ける。2022年3月14日現在、37都道府県、1,028店舗で実施。

お問い合わせ:ファミリーマートお客様相談室
フリーダイヤル:0120-079-188

➆「アップサイクルフード」に注目を!

「通常なら廃棄されるはずの食材にひと工夫加えて、付加価値のある新しい食品に生まれ変わらせた食品のこと。規格外の豚肉でハムやソーセージを作ったり、間引きをしたりんごをお菓子にするなどの取り組みも」

井出さんが注目!

「CRUST LAGER」

食品ロスのパンを使用してつくられたラガー。豊かな香りと軽やかで香ばしい後味が特徴。 シンガポール発のフードテック企業の商品で今後はノンアルコール飲料なども発売予定。330㎖ 6本入り 3,740円(税込み)

お問い合わせ:CRUST JAPAN株式会社
メール:hello@crustjapan.com

⑧ 生ごみは堆肥(たいひ)にして再利用

「生ごみのうち8割以上は水分です。その水分を乾燥させる生ごみ処理機もおすすめです。私の自宅で出る生ごみの重さを、生ごみ処理機にかける前後で測ってみたら、約4年で200kg以上のごみが削減できました。自治体によっては助成金が支給されるところもあるので調べてみてください。生ごみを肥料に変えるコンポストにも注目してみて」

アンバサダーも実践!

「生ごみはすべて生ごみ処理機にかけて土に還元しています。使いきれなかったスパイス類は虫よけになりそう?と土にまいています」(60代・女性)