Life Style
2018.06.12

「作品や役を通して社会貢献していけたらいいな」
広末 涼子 さん(女優)

(撮影:宮本直孝/取材・文:宮本恵理子)

映画『終わった人』が公開中の広末涼子さん。「とても前向きなメッセージが込められている映画です」と語る広末さんに、8つの質問。

Q1 公開中の『終わった人』、どんな作品?

定年を迎えた元エリート会社員の悲哀をコミカルに描きながら、“第二の人生”や夫婦のあり方をどう築いていくかという、大きなテーマを突きつける作品です。内館牧子さんの原作もとても面白く、「映画ではどんな世界になるんだろう?」と想像を膨らませていましたが、舘ひろしさんと黒木瞳さんが夫婦を演じると聞いて、夢のある物語になると納得。とても前向きなメッセージを送る映画になっていると思います。

Q2 役作りで工夫したところは?

私が演じるのは、主人公の男性の恋心を掻き立てる女性。脚本を読んだ時、演じ方は2パターンあると思いました。作為的に恋心を導く小悪魔系か、まったく意図せず勘違いさせてしまうマイペース天然系か。後者を演じることで監督と意見が一致したのでスタートは順調でしたが、100%天然な素ぶりを演じるのは難しかったです(笑)。

Q3 演じる役は新鮮だった?

そうですね。妻帯者に近づく女性という役柄はあまり演じたことがないので。母娘役でご一緒していた黒木さんと恋敵になる年頃になったことも感慨深くて、時の流れを感じます。特に30代半ばに入ってからは、毎回、新境地に挑めています。演じる役によって視野が広がって、人としても女性としても成長させていただける。演じる仕事は、ゴールがない一生ものですね。

Q4 芸歴20年超。「演じる魅力」に変化は?

10代でデビューした当時から、演じることは夢であり目標であり、自分の天職だと思っていることに変わりはありません。でも、若い頃はいろんな分野にチャレンジさせてもらいながらも視野が狭く、変な“やりきった感”にとらわれていたかも。今はいい意味で演じることが自分の一部になっていて、より長いスパンで付き合えるように。世の中の事象も身近にとらえる感覚が身についてきて、作品や役を通して社会貢献していけたらいいなと思うようにもなりました。

Q5 透明感のある美肌をつくる習慣は?

肌のためには食事と睡眠をおろそかにしないこと。普段口にする食事から太陽や地球の恵みを取り入れようと心がけています。以前、役作りのために極端に油を抜くダイエットをしたら、たった1週間で乾燥肌に。メイクさんから「涼ちゃん、粉ふき芋みたいだよ!」と驚かれたんです。食事の力はすごい、と身をもって知ってから、栄養の知識も積極的に吸収するようになりました。家庭を持ってから生活リズムは自然と安定しましたが、やりたいことが多過ぎて睡眠不足になってしまうことも。いい仕事に打ち込んで、安心して家庭にも向き合える環境づくりをしていきたいと思っています。肌のためには保湿が大事ですね。

Q6 好きな家事は料理派? 掃除派?

最近、「私、お料理が好きなのかも!」と気づいたんです。久しぶりにお友達を招いてランチ会を開いたら、献立決めや食材選びもすごく楽しくて。「お品書き」まで準備したらワクワクして眠れなくなってしまいました(笑)。若い頃から料理は好きでしたが、おもてなしも加わると余計に楽しめますね。おもてなし料理が好きなのだと気づいたので、もしも“第二の人生”があるとしたら、小料理屋でも始めたいな。日本だと落ち着かないかもしれないから、海外で、着物を着て(笑)。

Q7 時間があったらしたいことは?

いっぱいあります。先日、フラワーアレンジメント教室に誘われて、気恥ずかしくも参加してみたらとても楽しかったんです。お花に囲まれて無心になる時間、大事だなと思いました。忙しくても没頭できる趣味の時間をつくることが、ゆとりや発想を生んでくれるはず。習字、陶芸、水泳…リストはまだまだ浮かびます。

Q8 バッグの定番は?

プロポリスとハンドクリーム! プロポリスは喉ケアと風邪予防に。ハンドクリームは家事で手が荒れるので、家でもキッチンや洗面所に置いています。今日も「忘れていないかな?」とバッグを覗いたら、なぜか3本も入っていました(笑)。

ひろすえりょうこ
1980年高知県生まれ。94年、CMコンテストでのグランプリ獲得をきっかけにデビュー。映画出演作の『おくりびと』(2008年)、『ゼロの焦点』(09年)では日本アカデミー賞・優秀主演女優賞を、『鉄道員』(1999年)、『鍵泥棒のメソッド』(2012年)で同助演女優賞を受賞するなど、実力派女優として活躍を続ける。近年の出演作にドラマ『奥様は、取り扱い注意』(2017年)、映画『ラブ×ドック』(2018年)など。最新の映画出演作『終わった人』が公開中。

インタビュー後記

カメラマンに示された位置に立った途端、その場の空気のトーンを 変えてしまうようなオーラを放った。シャッター音に合わせ、顔の角 度を変える度に表情が決まるのは、成熟と呼べるキャリアを重ねた 女優ならでは。一方で、語り出すと、気負いのない感情を解放する。 謙虚で丁寧な言葉遣いも印象的だった。