Life Style
2020.08.14

「いつまでも“創り続ける人”でありたい!」
篠原 ともえ さん(デザイナー/アーティスト)

(撮影:井上佐由紀/ヘアメイク:奥平正芳/スタイリング・衣装:篠原ともえ/取材・文:宮本恵理子/撮影協力:株式会社七彩)

日本中を楽しいファッションで席巻した10代の頃の“シノラー”から、エレガントな大人のデザイナー“篠原ともえさん”へ。「はい、その二つはとっても自然につながって今があります」と語る篠原さんに10の質問。

Q1 この夏に初のギャラリー個展。

廃棄予定だった四角の生地をつなぎ合わせ、私が描いたデザイン画を元に制作したドレスを展示しました。夫と一緒に立ち上げたスタジオのチームで、1年かけて会場探しから手がけた初めてのクリエーション。「今の私が表現できることは何?」「服を通して社会に届けられるメッセージは?」と丁寧に準備した結果には、とても反響があって。デビュー25周年の節目に新しい挑戦ができたことがうれしかったです。

Q2 篠原さんにとって衣装デザインの面白さとは?

手触りあるものづくりを味わえること。着物の針子さんだった祖母と洋裁好きの母の影響で、物心ついた時から手を動かすのが大好きでした。布を縫い進める運針、鉛筆の先で線を引くたびに伝わる紙の厚み、指先に伝わる布の表面のかすかな凹凸。そんな感触を手先で感じる時間が純粋に好きなんです。ものづくりは、完成した時の喜びよりも、つくる楽しみが大きいですね。ものづくりをいとおしむDNAは、きっと誰にでも備わっているものだと思います。

Q3 カラフルな衣装だった10代のご自分と現在はつながってますか?

はい、とても自然につながっています。10代では、自分が好きだと信じるものを表現して、それによって夢を叶える姿を見せることで、皆さんにも喜んでもらえました。

「私も服飾の道を選びました」「いじめを克服できました」という声を聞くほどに、私だからできるポジティブな発信をしていきたいと思うように。余剰の布でドレスを作る表現にチャレンジしたのも、社会とのつながりをより強く意識するようになったからだと思います。

Q4 アイデアの源泉は?

デザインや建築など多ジャンルの本をよく読みます。美術館巡りも大好き。昨年もスペイン、ポルトガル、モロッコを旅して、それぞれの街にあるギャラリーを巡りました。時間と情熱をかけて形にした表現に触れるほどに、「私もやるっきゃない!」と思えます。落ち着いたら、また旅をしたいなと、計画を楽しんでいるところです。

Q5 20年ぶりに母校で学んだ?

40歳を機にもう一度、クリエーションの基本を見直したいと昨年、母校の文化学園に通い直しました。技術の習得はもちろん、様々な思いで同じ教室に通う同級生たちから刺激をもらえました。私が“シノラー”であることは気づかれていなかったみたい。クリエーションに謙虚に向き合う原点に返れて、「学ぶって心地いいんだな」と感じました。身近な一歩でも、自分次第で大きな収穫を得られるんですね。

Q6 今後の活動予定は?

展示を見てくださった企業様からもオファーをいただいて、今後は衣装にとどまらず幅広い分野でデザインに挑戦する機会が増えていきそうです。いずれは海外にもステージを広げたいので、今は週に1回、オンラインで英会話レッスンを受けています。

Q7 夫婦で一緒に仕事するコツは?

それぞれの領域で培った経験を尊重することかな。私は衣装についてはしっかり主張するけれど、実践的なデザインに関しては彼に聞きます。自分を信じるように、相手のことも信頼する。相手に伝わるように、きちんと説明する。そんな関係を大切にし、“新しい現象をつくる”仕事をしていきたいなと思っています。

Q8 オフの過ごし方は?

夫婦でゴルフ練習。彼いわく「ゴルフはデザインに似てる」そうですが、バレエを習っていた私は「ダンスと同じ!」と言い合って(笑)。気分が落ち込んだ時には絵を描いたり、小物を作ったり。やっぱり手を動かすことが一番のリフレッシュになっています。

Q9 好きな家事は?

料理。彼がワイン好きなので、定番はアヒージョ。自家栽培のハーブを使った料理も好きです。

Q10 憧れの女性像は?

例えば松任谷由実さんや石岡瑛子さんのような、いつまでも“創り続ける人”でありたいです。10年後も手を動かし、表現し、社会のみんなとつながっている。そして夫婦仲良く(笑)。過去の私を喜ばせる未来をつくっていきたいです。

Information

日本最大 第11回 国際 ファッション ワールド 東京 [秋]で篠原ともえさんが講演会に登壇します

日時:10月27日(火)11:50~12:35 を予定しています。
場所:東京ビッグサイト
トークテーマ:「クリエイションとサステナビリティ」
※WWDジャパン編集長 向千鶴さんとの対談予定。無料。

日時 10月27日(火)~29日(木)10:00~17:00
会場 東京ビッグサイト
主催 リード エグジビション ジャパン(株)
費用 無料

※ファッション ワールド東京とは日本最大のファッションの展示会であり、初出展 150社を加え、760社が出展します。
※講演会情報:日本最大のファッションの展示会 ファッション ワールド東京が開催するセミナー。業界活性化&若手応援のための全43講演 聴講無料。話題のトピックを網羅したプログラム

篠原 ともえ さん
デザイナー/アーティスト

しのはら・ともえ 1979年東京都生まれ。祖母・母の影響で、幼少期から服や小物の制作に親しむ。95年に歌手デビューし、タレントとしても活躍。カラフルな自作衣装と明るいキャラクターで人気を博す傍ら、衣装デザイナーとしても活躍。松任谷由実、嵐などのステージ衣装を担当。2020年、夫・池澤樹とクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。7月に開催した初のギャラリー個展「SHIKAKU」展も話題に。第11回国際ファッションワールド東京【秋】で、「クリエイションとサステナビリティ」のテーマで登壇予定。