Life Style
2021.10.21

「生まれ変わってもまたIKKOになりたい。この環境が私をつくるから」
IKKO さん(美容家・タレント)

(文:宮本恵理子)

30代は、誰かをキレイにすることに徹した、ヘアメイクアップアーティストだったIKKOさん。40代は美容家に加えて、タレントに。「当初は雲の上にビルを建てたような足元がおぼつかない感覚でした。そんな不安な自分を支え、前に進めたのは努力。生涯、努力」と言うIKKOさんに10の質問。

Q1 華やかな明るさを放つ、パワーの秘訣(ひけつ)は?

どんなときもポジティブに生きるコツは、自分自身でメンタルを育てる意識を持ち続けること。自分の生き方を肯定して、信じること。私は、50代になってから「太ったっていいじゃない!」と思えるようになりました。年齢を重ねたからこその柔らかな体形を生かして、着物にチャレンジしたら楽しくて。今の自分ならではの着物美を究めようと、真摯(しんし)に学んでいます。

Q2 コロナ禍で始めた新習慣は?

感染防止を徹底して、人と会うための外出は控えていたので、運動不足解消のためにウォーキングをしていました。といっても、夜まで忙しく動いているので1日30分が限度。それでも心を健やかに保つためにも続けています。

家で料理する機会も増えたので、冷蔵庫の中身を一新。より健康に気を使った食材を、ササッと調理しやすいようにまとめて切ってストックも。賢く生活するための知恵はさらに磨かれたかもしれませんね。

Q3 欠かさない美容法は?

特に大切にしているのは「洗顔」と「流すこと」。体内に溜(た)まった不要なものを排出できるよう、丁寧に流す。肌はもちろん全身の巡りをよくする食事、生活リズムが大切です。

私は美容家ですから、特に顔と体のお手入れにはこだわりがありますよ。肌と生活習慣や食事の関係を正しく知ってシミのメカニズムを研究したり。美容には真摯に真面目に、研究を続けています。

Q4 料理派? 掃除派?

どちらも得意! 若い頃から、仕事で使うメイクボックスは、誰よりも清潔に保ってきた自信があります。一本でも髪の毛が入っていたら、中身を全部取り出して入れ直し、刷毛(はけ)やパフは毎回洗ってラップに包んでいました。それがメイクをする相手への礼儀ですから。そういった心意気は必ず伝わるものだと思っています。それから、掃除で特に丁寧にするのはトイレ。体内の不要なものを排出する場所ですから、穢(けが)れも一緒に流す気分で掃除します。体も空間も流れをよくしなければ!

Q5 自分の性格を一言で表すと?

「こだわりの塊」。私、変なところにこだわって頑固なんですよね。お世話になった方には、赤字覚悟で尽くしてしまう。でも、それでいいんです。私も楽しく、良い思いをさせていただいたのだから恩を返す。いただいた恩は、独り占めにしてはいけません。

Q6 目標とするのはどんな人?

最近、仕事の姿勢で学ばせていただいたのは、帽子デザイナーの市瀬晶子先生です。私が無理なお願いをしたにもかかわらず、短期間で願いを叶(かな)えてくださった。終始優しく受け止めて、期待以上の形にしてくださった。一流とはこういうものだ、という姿を見せていただきました。そして、生涯の目標は杉村春子先生。どんな時も驕(おご)らず昂(たかぶ)らず自らに厳しく。佇(たたず)まいと所作の美しさ、永遠の憧れです。

Q7 書もライフワーク?

仕事がきっかけで始めたのですが、私が書く格言がよいと言われて気が付けば10年。漢字の成り立ちを辿(たど)ると思いもよらなかった深い意味がわかっておもしろい。文字から多くのエネルギーをいただけるのだと知りました。書道の筆はメイクの刷毛使いにも通じていて、その世界の奥深さに魅せられています。

Q8 時を巻き戻せるとしたら、何歳に戻りたい?

一番つらくて悩んでいた19歳の頃に戻りたいですね。小学3年生の頃から人と違う自分に葛藤を抱えてきた私が、19歳から2年間、美容学校に通いながら個人経営の美容室に住み込みで働き始めた頃です。とにかく覚えることが多く過酷だった修業時代。同時に、初めて私が居場所を得られたときでもありました。その頃の自分に、我流ではなく、もっと人の話を聞きなさい、と言いたいです。

Q9 10年後の自分に約束を

心豊かに、そこにいるだけで価値を伝えられるような唯一無二の存在になっていたいですね。ときには「これ以上はできないわ」と愚痴りたくなるときもあるけれど、努力は裏切らない。生きている限り、努力を続けて、信頼を重ねていきたいと思います。

Q10 心豊かに生きるためのアドバイスを

60歳を前にして今、思うのは、「常に俯瞰(ふかん)して自分自身を見つめていきたい」ということです。日々、多くの人と接して感情の渦の中に生きながらも、自分を“正常な位置”にリセットする意識が大切。1ミリでもズレることに鈍感になると、いつしか間違った方向へ行ってしまう。毎日、自分を丁寧に見つめてリセットする。この繰り返しを心がけていきたいですね。

IKKO さん
美容家・タレント

イッコー 美容師を経て、ヘアメイクに転身後、30代で「アトリエIKKO」を主宰。その後美容家・タレントとして活動する中、コスメをはじめ、振り袖など様々な商品開発・執筆・講演活動だけにとどまらず、プロデューサーとしても活躍の場を広げている。2008年女性誌から初の人物賞を受賞以降、国内外で数々の賞を受賞。50代で始めた書道でも、数々の展覧会で入賞している。