Life Style
2022.01.19

「やると決めたら思い切りがいいのも私。一つひとつのチャレンジを大切にしたい」
鈴木 保奈美 さん(俳優)

(撮影:浅井佳代子/ヘアメイク:福沢京子/スタイリスト:犬走比佐乃/文:宮本恵理子/衣装:ブルネロ クチネリ)

一年の初めに、その年の標語を決めることにしているという鈴木保奈美さん。今年2022年は? 「人と話す!」と即答。そのわけは?21年年末、真剣勝負の仕事現場におうかがいして、10の質問にお答えいただきました。

Q1 キャリアを重ね、演じることのやりがいは?

現在、100以上の国と地域に配信中のNetflix映画『浅草キッド』もそうですが、演じる仕事の醍醐味(だいごみ)は、自分以外の人生に挑戦できること。ここ数年は役のバリエーションが広がりました。いろんなタイプの女性像を、私という俳優で観たいと思っていただけるのが嬉(うれ)しい。観てくださった方が「面白かった」「元気になったよ」とおっしゃるだけで励みになります。

Q2 作品中のファッションも話題に。

服やメイクは、演技を支えてくれるとても大切な要素です。弁護士役を演じたときにはスーツファッションがメインでした。働く女性が増えた時代を反映しているのでしょう。かつては年齢を重ねた女優が演じる役柄といえば「お母さん役」でしたが、今はとても多様に。私自身も一つの型にこだわることなく、「こんな服も着こなして演じられますよ」といつでも柔軟に、新しい役に挑戦できる自分でありたいと思います。「これまでのあなたのイメージとは違う」と言われたとしても振り回されることなく、新しい自分を広げることを恐れずに。常に自分なりにテーマを持ってトライをしていきたいです。

Q3 ターニングポイントとなった作品は?

若い頃は訳も分からず、ただ次から次へと仕事をこなしていましたが、今は一作一作に向き合えるようになりました。

毎回の仕事に発見がありますが、あえて一つ、ターニングポイントを選ぶとしたら、子育て中の休業からの復帰作となったNHK大河ドラマ『江』です。プロデューサーの方から本当に素敵なオファーの手紙をいただいて、「こういうふうに言ってくださる人の期待に応えられる人間になりたい」と強く思いました。

以後、現場でご一緒する一人ひとりとコミュニケーションをとっていこうとする意識が芽生え、“人とのつながり”を大切に、仕事に向き合えるようになりました。

Q4 ご自分の性格を一言で表すと?

臆病。それに落ち込みやすいですし、クヨクヨすることが多いです。一番の回復法は友達に慰めてもらったり、褒(ほ)めてもらったりすることかな。また、書くことで考えが整理されて、笑える話に転換できるんだなと、エッセーを書いたときに実感しました。

読書も好きです。最近読んで面白かったのは、『ムッシュー・コクトー』。芸術家ジャン・コクトーを支援していたマダムのお嬢さんが書いた記録で、あまり知られていなかったコクトーの人間的な一面が描かれています。外側からは見えない魅力が誰しもあるのだと気づかされます。

Q5 これだけは欠かせない美容法は?

メイクはきちんと落とす、乾燥する前に保湿してリップクリームをまめに塗る……、ベーシックな習慣を続けています。食生活はそれほどストイックに考えていませんが、自宅では玄米食に。ココナツオイルでうがいをするようになって、風邪を引かなくなりました。

Q6 子育てで大切にしてきたことは?

正直、目の前のことに対処することで精一杯で、いつの間にか大きくなっていたなぁというのが本音です。子どもたちが小さい頃には美容院に行く時間もなくて「もう逃げ出したい!」なんて時も。でも、今となってはすべてが“あの頃にしかできなかった経験”。育児中の人たちに伝えたいのは「ほどほどに手を抜いても大丈夫」ということ。これだけはどうしてもダメだと思うこと以外は周りに頼っていい。私が出産したときにドクターからいただいた助言です。

Q7 今、一番旅してみたい国は?

アイスランド。本で読んで、自然がとても面白い国だなとワクワクしました。オーロラを観てみたいです。

Q8 2022年の抱負は?

もっとまめに人と話す。私はもともと人見知りで、初対面の方に自分から話しかけるのも苦手。人からどう思われるかを気にするタイプでしたが、「変な人と思われたっていいじゃない」と開き直れる年齢になってきました(笑)。「そのネイル、素敵ですね」といったちょっとした会話から話題が広がる楽しみを、もっと味わえるようになりたいです。

Q9 20歳の頃のご自分にアドバイスを。

勉強しなさい。語学や歴史、人間関係もなんでも。この世界には学べることはたくさんあると、年齢を重ねてから一層思うようになりました。

Q10 10年後の自分への約束を。

想像できない自分になっていたい。臆病と言いましたが、やると決めたら思い切りがいいのも私。一つひとつのチャレンジを大切にしていきたいです。

鈴木 保奈美 さん
俳優

すずき・ほなみ 1986年に俳優デビュー。91年に出演したドラマ「東京ラブストーリー」が大ヒット。以後、ドラマや映画、CMなどで活躍。エッセー集『獅子座、A型、丙午。』では子育ての日常についても描く。Netflix映画『浅草キッド』の好演も話題に。2022年春には、25年ぶりとなる舞台公演『セールスマンの死』も控える。21年、PFW(パリ・コレクション)の公式アンバサダーに。