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2017.07.13

今度の京都は、少し足を延ばして― お茶の宇治、お酒の伏見を深掘りしよう

646年に最初にかけられたと伝えられる日本三大古橋のひとつ、宇治川にかかる宇治橋。宇治の観光スポットをはじめ2018年3月まで開催される「お茶の京都博」の詳細など、京都のお茶にまつわる情報はウェブサイト「お茶の京都」(http://ochanokyoto.jp)に詳しく掲載されている。

何度訪れても、魅力が尽きない京都。今度の旅は、中心部からほんの少し足を延ばして京のお茶とお酒の文化を深掘りしてみてはいかが?京都府立大学教授・副学長で和食文化研究センター長の宗田好史教授に、見どころを教えていただきました。

(写真:中田 昭/構成・文:安藤菜穂子)

お話をうかがった人

むねた・よしふみ
京都府立大学教授・副学長、和食文化研究センター長。国際記念物遺跡会議国内委員会理事、京都府農業会議専門委員、京都市景観まちづくりセンター理事、京町家再生研究会副理事長などを務める。

1.美しい茶畑を眺め 極上の一服を

京都とお茶との結びつきには三つの側面がある、と宗田教授。「一つ目は、茶葉の産地として。二つ目は、茶葉をおいしいお茶に仕上げる茶匠の町として。三つ目は、茶道の家元の本拠地として。すべてが深く結びついて、“お茶の京都”が築かれたのです」。まずは祇園四条駅から京阪電車で約50分、美しい宇治の茶園を訪ね、お茶文化の原点を体感しましょう。起伏のある大地に整然と畝(うね)が続く様子は、まるでモダンアート。ただし、あくまでも私有地の畑なのでマナーをしっかり守って敷地外から見学を。「平等院の門前には茶匠、茶問屋さんがずらりと並び、お茶や抹茶を使ったスイーツなどが楽しめます。地元宇治産のお茶をおいしく飲めるお店には、京都府認定の“宇治茶カフェ”の認定証が掲げられているので、お店選びの目安にしてみては。また、宇治には市営の茶室もあります」。宇治市営茶室“対鳳庵”(http://www.city.uji.kyoto.jp/0000003943.html)では、お菓子つきの抹茶や煎茶がいただけるほか、予約制でお点前体験もできます。「お茶とゆかりのある仏徳山興聖寺を訪ねるのもお勧めです。茶筅(ちゃせん)を供養する茶筅塚があり、秋の“宇治茶まつり”の際は主会場となります。禅宗と茶道とのつながりを学ぶことができるでしょう。アクセスしやすい場所にあるのですが、ふだんはとても静かで雰囲気のあるお寺です」。

仏徳山 興聖寺

道元禅師により1233年に開創され、現在も全国から修行僧が集まる。10月第1日曜日に開催される「宇治茶まつり」では、茶壺口切りの儀式や茶筅塚供養が行われる。
京都府宇治市宇治山田27-1 TEL:0774-21-2040

季節によってさまざまな美しさが楽しめる茶園の景観。

「対鳳庵」の薄茶と季節の菓子のセット500円(税込)。

2.酒蔵の町並みでライトアップに酔う

祇園四条駅から京阪本線で約20分の酒どころ伏見は、かつて“伏水”とも書かれていたほど、水に恵まれた地。桃山丘陵の地下水脈から湧き出る水はバランスのよい中硬水で、きめ細かくまろやかな風味が酒造りに最適だといいます。日本に稲作が伝わった弥生時代にはすでに酒造りが始まったとされ、豊臣秀吉が伏見城を築城した安土桃山時代にその伝統が開花。交通の要所ともなった江戸時代に酒造家が急増し、明治時代には全国有数の酒どころに。現在も20を超える蔵元があります。「酒蔵通り」は、今もその面影を残す、風情ある通り。資料館なども多く、伏見の酒文化にたっぷりと触れることができます。江戸時代に栄えた十石舟に乗り、川沿いの町並みを眺めるのも一興です。7月末から8月中旬には灯ろうライトアップが開催され、より幻想的な風景に。十石舟も夜間運航されます。宗田教授のおすすめは、中心地から少し離れたところに建つ酒蔵。「鴨川と桂川が合流する場所にある、1675年に創業された伏見原初の“増田德兵衞商店”です。1868年の鳥羽伏見の戦いで一度全焼しましたが、その後再建された築150年を超える酒蔵造りの建物が、近年美しく再生されました。“月の桂”は江戸時代から続く名酒で、とくににごり酒がおいしいですよ」。

灯ろうでライトアップされた酒蔵通り。2017年は7月28日(金)〜8月16日(水)の予定。

月の桂 増田德兵衞商店

酒蔵は一般開放されていないが、購入は可能。武田泰淳、丸谷才一、開高健などに愛飲された「文人の酒」を手に入れよう。
京都府京都市伏見区下鳥羽長田町135 TEL:075-611-5151(9:00〜17:00)

十石舟の船着き場は濠川の弁天橋のたもとに。比較的船体が大きな三十石船は、 坂本龍馬襲撃で有名な寺田屋の正面にある寺田屋浜乗船場から出航する。

京都の美術館で触れる茶文化、酒文化

宇治・伏見散策の締めくくりは、京都ならではの美術館巡りをどうぞ。お茶とお酒にまつわる展覧会をご紹介します。

何必館コレクション

  • 北大路魯山人展 ─和の美を問う─ 何必館・京都現代美術館(6/27〜9/24)
  • 樂焼って何だろう? 樂美術館(7/1〜9/24)
  • 禅と茶、茶道具もずらり 禅林美術展 相国寺承天閣美術館(6/15〜12/3)

*9/27〜9/30は展示替休館


今度の京都はJR東海ツアーズで!

新幹線と宿泊ホテルを組み合わせたお得なプランが人気の「JR東海ツアーズ」の京都フリープラン。7月〜11月出発のツアーに〝お茶の宇治・お酒の伏見満喫プラン〟が登場。宇治・伏見エリアを周遊できる京阪電車の1dayフリーきっぷをはじめ、うれしいポイントがいっぱい!

〈JR東海オリジナル得典〉

  1. 京阪電車の本線、中之島線、交野線、宇治線、男山ケーブルが1日乗り放題の「宇治・伏見1dayチケット(特別版)」
  2. 福寿園宇治茶工房 お抹茶一服券
  3. 高台寺雲居庵、東福寺芬陀院、茶寮油長の3箇所から選んで使えるセレクト券
  4. 京都タワー展望券

illustration by Akira Sorimachi