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2018.01.18

見たことない風景を見よう!― 南極クルーズの旅へ

ゾディアック(上陸用ゴムボート)のすぐそばで、クジラが尾を高く上げてテールスラップ! 撮影/加藤明子

地球の最南端、氷山、ペンギン、南極観測隊……。気軽に足を踏み入れることのできない極地のイメージがある南極ですが、実は、優雅なクルーズ船で旅することができるのです。北半球の冬は、南半球の夏。観光シーズンを迎えた南極で手つかずの地球を体感してみませんか?

(構成・文:安藤菜穂子/写真提供:阪急交通社、朝日新聞社、加藤明子)

illustration by Akira Sorimachi

1.南極鳥類研究者・加藤明子さんに聞く
南極の魅力

南極鳥類研究者として何度も南極を訪れている加藤明子さん。南極の尽きない魅力や楽しみ方についてお話しいただきました。

「南極とほかの大陸との大きな違いは、まず色です。遠目に見た景色は、白と黒と青、茶色が少々のみ。ただし、氷は白いだけでなく、時間帯や光の当たり方によって変わります。とくに夕方、刻々と色を変える氷山の景色はほかでは見られない美しさですね。音も、耳を澄ますと聞こえる波音、氷が軋む音、風の音、ペンギンの声、そしてほぼ無音という状態も含めて、南極でしか聞こえない音があります。動物には南極条約により5m以上近づいてはいけないことになっていますが、じっとして気配を消していると、ペンギンがすぐそばを通り過ぎたりすることがあります。人間に対する警戒心がなく、動物園などで観るのとはまったく違う、自然のままの様子が観察できます。白夜に一人でペンギンのコロニーを観察した時、人の気配がしてふと振り向くとペンギンがいたり、なぜか話し声が聞こえたような気がしたりと、あまりの静けさの中で不思議な気分になったことがあります。

また、クジラのサイズは頭ではわかっていましたが、実際に尾びれを持ち上げた姿を近くで見た時は、その大きさに圧倒されました。どちらも忘れられない思い出です」。

かとう・あきこ
1992~93年、1993~94年オーストラリア南極観測隊、1996年フランス南極観測隊、1996~97年日本南極観測隊とともに、計4回にわたり南極の海鳥類を調査。現在はフランスのシゼ生物研究所にて主にアデリーペンギンの研究を行っている。著書に『ペンギンたちに会いたくて─わたしの南極研究記─』。

2.広さはオーストラリアの約2倍!
南極はこんなところ

人間による環境破壊や汚染の影響が最も少ない、地球最大の原生地域。沿岸部と内陸には、各国の観測基地があり、1年を通じて厚い氷に覆われています。ツアーで訪れる南極半島は、春と夏にあたる11月から2月の平均気温が+5〜−5℃で、日本の冬とほぼ同じ。アデリー、ゼンツー、ヒゲなどのペンギンはもちろん、運がよければオウサマ、コウテイといったペンギンや、オットセイ、アザラシ、クジラ、シャチ、そして多くの海鳥類などに出会えます。内陸に比べて生息している動物の種類が多く、氷河や氷山などの南極特有の雄大な景色が広がります。

3.これぞ究極のラグジュアリー
チャーター船で南極をクルーズ

今回ご紹介するツアーは、フランスのポナン社が所有する「ル・ボレアル」をチャーター。船内新聞や船上放送も日本語なので安心です。最新テクノロジーを搭載した船体は、揺れに対する圧倒的な強さを誇り、南極の氷山の海を安全に進むことができる耐氷船カテゴリー1Cに属しています。フランスらしいシックなインテリアでゆったりした客室は、全室海側キャビンで95%がバルコニー付き。朝起きてすぐに自分だけの南極の景色を楽しむことができます。ツアー料金には、飲み物代も含まれており、レストランの窓の外に広がる氷山の景色を見ながらフルコースのディナーを楽しむ時間は、この上なく優雅です。

テーブル形の氷山は、いかにも南極の風景。人間をまったく意識しない、素のままの動物の姿が。

安定した航行を続ける耐氷船の「ル・ボレアル」