家族みんなの絆が深まる
3世代家族で行く夏休みの“旅育”
旅を通じて子どもの視野を広げ、自主性や自立心を養うだけでなく、家族の絆も深める“旅育”。お祖父さん・お祖母さんも一緒に3世代で旅をすれば、子どもの学びも楽しさも、より広がります。旅行ジャーナリストの村田和子さんに、3世代旅育のメリットとポイントをうかがいました。
(構成・文:安藤菜穂子/イラスト:浅生ハルミン)
お話をうかがったのは 村田和子さん

むらた・かずこ
旅行ジャーナリスト。実体験をもとに厳選した旅の魅力を年間100以上の媒体で紹介。2010年、息子が9歳のときに子連れ旅行で47都道府県を制覇。2013年「村田式旅育メソッド」を発表し、旅を通じた子育てのスタイルを発信。6月28日発売の『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』(日本実業出版社)は現在予約受付中。総合旅行業務取扱管理者、トラベル ナレッジ代表。http://www.travel-k.com/
Point.1
3世代旅行に適した旅先は? 準備のポイント
旅先がどこであっても、子どもにとっては、“旅”そのものが体験と学びの場。なかでも、よりよい“旅育”のためには、どんな旅先を選んだらよいのでしょうか。
「子どもと一緒の旅では子どもを喜ばせることだけを考えがちですが、3世代旅行では、祖父母も楽しめる場所であるかどうかをポイントに旅先を選ぶことが大切です。たとえば祖父母世代は、親世代に比べて、草花や生き物などの自然に関する基本的な知識が豊富です。海や山など自然豊かな場所に出かければ、そうした知識が祖父母から孫に楽しみながら伝わります」。
また、旅先の決め方にもコツがあるそう。「一人で決めないこと。リサーチから申し込みまでお母さんが担うケースが多いと思いますが、必ず2〜3の候補を用意して、祖父母に選んでもらうとよいでしょう。海か山か?部屋は一緒か別々か? この旅館とこのホテルどちらがいいか?など、要所要所で確認を。旅先でちょっとした不備や不満を感じたときに、一人だけ責任を感じたり、ストレスを感じたりすることが減ります」。
さらに、オプショナルツアーが用意されているパッケージや、体験イベントが用意されている宿泊施設を選ぶことで、旅先の過ごし方が変わるといいます。
Point.2
ずっと一緒じゃないほうがいい!? 旅先での楽しみかた
旅に出たからといって、ずっと一緒に過ごす必要はないと村田さん。その理由は?
「大人数で長時間一緒に行動するということは、我慢する人を増やしてしまうことにも繋がります。そうではなく、お祖父さん、お祖母さんと子どもでオプショナルツアーに参加したり、ガイド付きの自然体験に子どもだけを参加させたり、夕食後、お父さん、お母さんは別行動をしたりと、それぞれが好きに動くことでストレスも減り、旅の満足度が上がります」
オプショナルツアーなどで、何かを一緒に見る、する、といったお膳立てがあれば、ふだん一緒に暮らしていないお祖父さん、お祖母さんと子どもも、緊張感がほぐれて自然に親密さが増しそうです。
「一緒に遊ぶことが、祖父母世代が受け継いできた文化を孫世代に伝えるきっかけにもなります。子どもにとっては、両親とは異なる価値観や習慣を持つ祖父母と触れ合うことで、多様性を実体験することができるでしょう。何より、別行動を取ったあとに全員集合すると、お互いに報告することが増えるので、会話がとても弾みます。思い出が2倍、3倍に増えるといえますね。きょうだいがいる場合は、二手に分かれて行動するのもおすすめです。お兄ちゃん、お姉ちゃん、弟、妹という立場から解放されると、子どもたちは実に伸び伸びとして、違った一面を見せてくれることがあります」
さらに村田さんは、旅では、子どもを褒めて自信を育む機会にして欲しいといいます。
「日常生活とは違い、旅先には小さな目標をたくさん散りばめることができ、褒めやすいのです。小さなお子さんならマナーを守るなどの約束をして、“移動中にいい子でいられたね、えらいね”、“元気にあいさつができたね”など、要所で褒めましょう。子どもは嬉しく、それが自己肯定感につながります」
Point.3
思い出を形に残すことで“旅育”の効果はさらに深まる
写真はデータ保存し、メールで送ることも多い昨今ですが、思い出は形にすることが大切という村田さん。なかでもとっておきのワザを教えていただきました。
「旅先で、子どもと一緒にハガキに絵や感想を書いて、子どもあてに送っておくことです。旅から戻った頃、あるいは数日後に届いたハガキを見ることで、子どもは旅を振り返り、思い出が心に定着します。そして、楽しかった家族の成功体験を象徴するそのハガキを部屋の目に付くところに飾り、繰り返し見ることで、心の安定や自信にもつながるでしょう。さらに、お祖父さん、お祖母さんあてにもこっそり書いて送っておけば、サプライズとして喜んでもらえますし、旅行から日常に戻った忙しいさなかに“お礼状や写真のプリントを早く送らなくては”といった気がかりもなくなります。ハガキであればファイリングもしやすいですし、消印で日付けも分かるので、思い出を形にするのに最適です。最近は絵ハガキが売られていないこともあるので、ハガキを持って行き、観光地のスタンプを活用するのもおすすめです」
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illustration by Akira Sorimachi

