この秋はイタリアの“ラッキースポット”
天空の村、チヴィタ・ディ・バニョレージョへ!
約300mの一本橋を渡ってようやくたどり着く天空の村。むき出しの地層が眼前に迫る。高低差があるので、歩きやすい靴で向かいたい。
©Marka/UIG/amanaimages
度重なる地震で丘の周辺が崩落しながらも、住民が根気強く守り続け、現在、美しい観光地として注目度を高めている“天空の村”、チヴィタ・ディ・バニョレージョ。2500年以上の歴史を持つこの村へと続く唯一の橋を渡れば、そこはパワーに満ちた場所!
(取材・文:安藤菜穂子)
一本の橋を渡ると、そこは生命力に満ちた村
ローマから北へ約100kmに位置する、チヴィタ・ディ・バニョレージョ。2500年以上前、古代ローマ帝国の繁栄以前にイタリア半島中部の先住民族エトルリア人によって作られたという、長い歴史を持っています。地名にある“バニョ”とはイタリア語でお風呂のことで、火山地帯のため、周辺には温泉が湧いているそう。1287年から度重なる地震に見舞われ、火山噴火による凝灰岩という脆(もろ)い地盤のため、雨風の浸食もあり、丘の周辺が少しずつ崩落。1764年の地震では、隣町への道が壊れて陸の孤島となってしまったことも。公的な施設とともにほとんどの住民は周辺に移りましたが、この村の歴史と文化を守り抜きたいと考える約20人が住み続けているそう。
長い間自然の脅威にさらされながらも、切り立った崖の上にしぶとく生き残った姿は、まさに奇跡の“天空の村”。サンタマリア城門をくぐって中に入ると、石畳の道と石造りの建物がひしめきあう、まさに中世の町並みが広がります。中には、1500年代に粉ひき場として使われていた建物も。現在では歩行者用の一本橋がかかり、崩壊していた建物も修復が進んでいます。カフェやレストラン、土産物店、そしてホテルも営業しているため、イタリア人をはじめ、国外からの観光客も増えつつあるそう。日本映画のロケ地となったことでも注目を集めています。イタリアの民間団体による「イタリアの最も美しい村」に加盟し、一般社団法人日本旅行業協会による「ヨーロッパの美しい村30選」にも選出されています。
石畳と石造りの中世の町並み。
地元出身の作家ボナヴェントゥーラ・テッキにより“滅びゆく町”と称され、道路標識にすら、イタリア語で「il paese che muore(死にゆく町)」と書かれながらも、その歴史と伝統、美しさから新たな観光スポットとして復活を遂げつつあるチヴィタ・ディ・バニョレージョ。この村へとつながる一本橋を渡って石畳を踏み、村の端からの絶景を見渡せば、長い歴史が宿したこの土地の生命力に触れることができるはず。元気や勇気がチャージできる、ハッピーな旅に出かけてみては?
チヴィタ・ディ・バニョレージョってどんなところ?
ローマを州都とするラツィオ州ヴィテルボ県に属し、ウンブリア州との州境に位置。村本来の名前は「チヴィタ」。現在一本橋でつながる隣町が「バニョレージョ」で、“バニョレージョのチヴィタ”という名前で呼ばれている。冬期の住民は約20人で、夏には100人ほどに増える。橋の長さは約300mで、渡りながらも絶景が望める。
©Lorenzo Mattei/robertharding/amanaimages
まだある!
イタリアで訪れたい“ラッキースポット”
ミラノ
“幸運の牡牛”のモザイクをぐるりと一周
ヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリアは、有名ブランドが軒を連ねる美しいアーケード。イタリア王国の紋章をはじめ、ミラノ、フィレンツェなど4都市の紋章が描かれた床のモザイクのうち、トリノの紋章は、牡牛の足の間の窪みにかかとを付けたまま1回転すると幸運を招くという言い伝えが。ミラノ市民も通りがかりによくやっているそう。
©Hiroshi Murakami/a.collectionRF/amanaimages
ベローナ
ジュリエット像の右胸にタッチ
シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台として有名な世界遺産の街ベローナ。あの有名な窓辺のシーンが描かれたジュリエットの家の前には、彼女の像が立てられています。その右胸に触ると恋が成就するといわれ、タッチして写真を撮る観光客が多数。そこだけピカピカになっています。ちなみに、左胸に触ると財産に恵まれるとか。
©Michael Jenner/Robert Harding/amanaimages
フィレンツェ
通称“子豚”いのししの鼻をなでる
街の中心にあるメルカート・ヌォーボ(新市場)開廊の脇、革製品などの屋台の間に鎮座するのが、通称“子豚(ポルチェッリーノ)”のいのしし像。鼻をなでると幸運がもたらされるといわれています。さらに開いた口の舌の上にコインを置いて手を離した後、そのコインが像の土台の格子に引っかからず、下まで落ちれば願い事が叶うという言い伝えが。
©robertharding/amanaimages
ローマ
ご存知トレビの泉の“愛の水”を飲む
有名なコイン投げは、後ろ向きにコインを1枚投げればまたローマに来られる、2枚は好きな人と一生一緒にいられる、3枚は嫌いな夫や妻と別れられるといわれています。意外に知られていないのが、泉に向かって右側にある小さな水飲み場。別名“愛の水”と呼ばれ、一緒に飲めば、恋人や夫婦の永遠の愛が約束されるといいます。
©APV/a.collectionRF/amanaimages
illustration by Akira Sorimachi
