錦秋ニッポンをいち早く楽しむ
越後と東北で紅葉の絶景巡り
清津峡渓谷トンネルの終点、パノラマステーション。©Hiroki Morita/SEBUN PHOTO /amanaimages
桜前線とは逆に、北から南へ、高所から低所へと移動する紅葉前線。いちはやく秋を迎える新潟と東北で息をのむ紅葉の絶景を体感してみませんか? この秋「新潟県・庄内エリア デスティネーション キャンペーン」が開催される新潟・庄内にも注目が集まります。
(取材・文:安藤菜穂子)
魅力1 [新潟の紅葉]
渓谷、山、湖。表情の異なる絶景
トンネルの先には、紅葉に彩られたダイナミックな渓谷の絶景。黒部峡谷、大杉谷とともに日本三大渓谷の一つとして数えられ、国の名勝・天然記念物に指定されている清津峡です。歩行者の安全のために1996年に完成した「清津峡渓谷トンネル」は全長750m。2018年のリニューアルにより内部に現代アート作品が展示され、終点のパノラマステーションでは、丸く切り取られた渓谷が足元の水鏡に映り込むという、見たことのない紅葉の景色を楽しむことができるようになりました。
冬にはスキー場として楽しまれている山々のうち、実は秋には紅葉の名所にもなる場所があることをご存知でしたか?
人気の高い「苗場スキー場」は、カエデ、ウルシ、ブナ、カラマツ、ナラ、アカシデなど、多種多様な木々が赤と黄に染まります。アップダウンを繰り返しながら紅葉の絨毯の上を進む日本最長のゴンドラ「ドラゴンドラ」は、アトラクションともいうべき楽しさ。スキー場の紅葉といえば、「田代ロープウェー」もおすすめ。230mという日本一の瞬間地上高から、紅葉に囲まれたエメラルドグリーンの田代湖を見下ろす絶景は、まさに日本一です。
只見川をせき止めてできた人造湖、奥只見湖も紅葉の絶景スポット。ブナやカエデ、ナナカマドなどの紅葉が湖の縁までいっぱいに広がる絶景を、遊覧船から楽しむことができます。
苗場の「ドラゴンドラ」。©NIIGATA PHOTO LIBRARY/SEBUN PH /amanaimages
魅力2 [新潟・庄内の味覚]
豊かな自然と北前船から発展したバラエティに富んだ食文化
江戸時代から明治時代にかけて、北海道と大坂をつなぎ、食材だけでなく各地の文化を伝えた北前船。その寄港地は、経済的にも文化的にも発展を遂げました。広く日本海に面し、北前船の寄港地を多く擁する新潟と、北の県境に隣接し、一大寄港地の酒田を擁する山形県の庄内地方は、「日本海美食旅」をテーマに今年10月から12月、「新潟県・庄内エリア デスティネーション キャンペーン」を開催します。
縦に長い新潟県は、地区によりさまざまな食文化が育まれてきました。米どころ、醸造業の長い歴史をもつ地区、発酵食や保存食が豊富な地区、海産物に恵まれた地区など、その土地の特徴や歴史に深く根ざした食が、現代にも伝わっています。
また、庄内は北前船寄港地 酒田の湊町文化と庄内藩鶴岡の城下町文化、出羽三山の精神文化が色濃く残り、長い時間をかけてブレンドされた食の都。
紅葉とともに美食を味わうことができる、この秋の旅先としてうってつけです。
海産物だけじゃない!
佐渡島の食に注目
四方を海に囲まれた佐渡島では、ズワイガニなどの甲殻類やイカをはじめ海の幸が味わえます。加えて、農作物も豊富! 2011年、能登とともに日本で初めて世界農業遺産(GIAHS(ジアス))に認定されています。とくに、環境に配慮した農法で育てられる佐渡産のコシヒカリは、米どころ新潟のなかでも高い人気を集めています。また、〝幻の和牛〟と呼ばれる佐渡牛は地元で親しまれているほか、子牛が高値で取引され、各地のブランド牛として育てられています。
環境に配慮した農法で育てられた佐渡のコシヒカリ。©orion /amanaimages
魅力3 [東北の紅葉]
徒歩、遊覧船、ロープウェーで青森・秋田の名所を満喫
深い自然林を流れる奥入瀬渓流は、国指定特別名勝と天然記念物に指定された、名高い景勝地。とくに秋は、赤と黄色に燃え上がるブナ、カエデ、ヤマモミジなどの木々と清らかな渓流の組み合わせの美しさを求めて、全国から観光客が訪れます。十和田湖から流出する河川で、十和田湖側の“子ノ口の水門”から“焼山”までの約14kmの遊歩道の間に滝が10カ所以上。途中、“阿修羅の流れ”や“三乱(さみだれ)の流れ”などと名付けられた、とくに流れが美しい見どころもあり、紅葉と水の流れが織りなす美しい景色が楽しめます。奥入瀬川の源流となる十和田湖も、紅葉の名所。地上からの湖畔の眺めもさることながら、遊覧船に乗り、水上から十和田湖の水面に映る紅葉の景色を眺めるのも一興です。
また、八甲田ロープウェーからは、北八甲田の標高1324mの田茂萢岳の山頂公園駅までの約10分間、360度の紅葉パノラマを楽しむことができます。山頂公園駅には展望デッキがあり、八甲田の山並みだけでなく、遠く陸奥湾や津軽半島、下北半島、岩木山などを見晴らすことができます。また、山頂公園駅から出発する散策路も整備されています。
加えて、春の桜の名所、角館は、紅葉も綺麗。城下町らしい黒塀にモミジやカエデ、イチョウが美しく映えます。
奥入瀬渓流。苔むした岩に落ちる紅葉も美しい。©JP /amanaimages
illustration by Akira Sorimachi
