ゴールデンルートのツアーで行列スキップ!
美の国イタリア ルネサンス芸術堪能の旅へ
ミケランジェロによる祭壇壁画「最後の審判」 ©SHASHIN KOUBOU/SEBUN PHOTO /amanaimages
文化遺産50件+自然遺産5件。イタリアは、中国と並んで世界最多の世界遺産保有国。日本の約5分の4という国土に見どころがぎゅっと詰まっています。混雑する美術館で行列せずに入場できるツアーで黄金ルートを巡るのがおすすめ!
(取材・構成・文:野間麻衣子、安藤菜穂子)
Vatican ヴァチカン
500年以上の歴史をもつ広大なヴァチカン美術館で美にひたり、システィーナ礼拝堂でミケランジェロの祭壇壁画と天井画をじっくり鑑賞
ヴァチカン美術館は、歴代のローマ教皇が収集した美術品を展示する、世界最大級の美術館。ヴァチカンの宮廷画家であったラファエロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、カラヴァッジョなどの名画が揃う絵画館、フランシス・ベーコンやシャガール、ゴーギャン、ゴッホなどが楽しめる近代美術コレクションから馬車博物館まで、幅広いテーマをもつ新旧の美術館・博物館の複合体です。展示作品だけでなく、展示室や廊下の天井に描かれたフレスコ画、床の大理石のモザイク、庭に飾られた彫刻など、どこに目を向けても“美”しか目に入らない、圧倒的な質量の美の殿堂。入り口付近に設けられた二重螺旋階段も必見です。なかでも、併設された「システィーナ礼拝堂」のミケランジェロによる祭壇壁画「最後の審判」と、天井画「創世記」は圧巻! 視界に入りきらないほどの大作のフレスコ画からは、ミケランジェロの魂が降り注ぐかのようです。次代の教皇を決める「コンクラーベ」が行われることでも有名な宗教施設のため、会話は厳禁。心を鎮めて、全身で浴びるように鑑賞する体験は、ほかでは得られない貴重な思い出になりそう。小型の望遠鏡を持って行くと、細部までじっくりと鑑賞することができます。
ヴァチカン美術館の入り口付近に設けられた二重螺旋階段 ©AKIKO TAKAHASHI/SEBUN PHOTO /amanaimages
ミケランジェロによる天井画「創世記」 ©Jan Christopher Becke/awl images /amanaimages
Firenze フィレンツェ
ウフィッツィ美術館で、静かに、深くボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」に耽溺
MASAMI GOTO/SEBUN PHOTO /amanaimages
18世紀、メディチ家断絶の際にトスカーナ政府に寄贈されたすべての美術コレクションを収蔵する「ウフィッツィ美術館」。質・量ともにイタリア国内最大規模を誇ります。建物は行政機関の庁舎として建てられたもので、「ウフィッツィ」とはイタリア語の「事務所」に由来します。フィレンツェに来る観光客のほぼすべての人が訪れるといっても過言ではない人気のため入り口は常に長蛇の列。行列スキップ付きのツアーなら、ストレスフリーで絵画の世界に即、没頭可能。美術の教科書などで一度は目にしたことのある名画に、次から次へと出会うことができます。その最たる作品が、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」。2016年の改修で、天窓からの柔らかい自然光のもとで鑑賞できるようになっています。もう一つの大作「プリマヴェーラ(春)」をはじめ、数多くの作品がまとめて展示されているため、ボッティチェリの世界に深く入り込むことができるでしょう。
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」 ©Alinari Archives,Florence/amanaimages
何度行ってもおもしろい!世界遺産「ピサの斜塔」の謎に迫る
謎1:なぜ傾いたの?どのくらい傾いてる?
1173年に着工し、もとから地盤が弱かったため高さ約10mのところで地盤沈下が起こり、傾き始めたといわれています。1372年の完成後の高さは58.36m。5.5度まで傾き、1990年から11年間改修工事が行われ、現在は約4度で安定。トリック写真(下)の聖地です。
謎2:地震による倒壊のおそれは?
最低でも4回の強い地震に見舞われているという斜塔。ローマ第三大学カミロ・ヌッティ教授主導、ブリストル大学ミロナキス教授らの研究により、土台の軟らかさと塔の硬さの組み合わせが地震の振動を塔に伝わりにくくしていると判明しました。ツアーでは、最上階まで上れます。
謎3:何のための建物なの?
ピサ大聖堂(下写真左側の建物)の鐘楼として建てられた宗教施設の一部。現在では、鐘を鳴らすことが傾斜に影響を与えかねないとして、スピーカーから流されています。ピサ出身のガリレオが万有引力を発見した逸話が有名ですが、真偽は定かではありません。
illustration by Akira Sorimachi
