板谷由夏の“今日から、もっと。アップデート”
「和える」代表、矢島里佳さんと語る
幼い頃から日本のホンモノと暮らす喜びを伝えたい!
多忙なお二人。板谷さんは仕事場で、矢島さんも出張先の京都でのオンライン対談。
人が手をかけたものが好き。それもショーケースに飾るのではなくて、日常の中でいつも身近に感じていたい。だから、日々使う器も、好きな作家さんのものを集めて愛用しています。息子たちの離乳食用に使っていた器も、10年経っていい風合いに。小さい頃に五感でホンモノに触れた体験って、きっと大人になっても生きてくるはずだって信じてる。
そんな日々を送る私が、とても共感できる活動をしている女性に出会いました。「和える」代表の矢島里佳さん。日本各地の伝統産業品の職人さんとコラボしてオリジナルの器やおもちゃ、衣類などの日用品を製作・販売し、「伝統産業品と共に暮らす楽しみ」を広げている人。きっかけは、大学時代に寄稿していた雑誌で職人さんを取材する連載で、その価値を知った体験だそう。
「尊い仕事を未来につなぐには、需要を高めること。そのためには幼少期からその魅力に触れる機会が大切」と考えた矢島さんが特に力を入れてきたのは、出産祝いのギフト商品。「有名な作家さんを訪ねたとき、『おや、「和える」の器、うちの孫も使ってるよ』と言われて嬉しかったです」。すごい!
私も器が好きで……という話をしていたら、矢島さんから「職人さんが作る器の何にひかれるのですか?」と逆質問も。改めて考えてみて、「ものづくりをする人の心の変化に触れるのが好きだから」と答えました。例えば、ハッとするほど作風が変わる時、どんな気づきや発見があったのか。作るものを通して見えてくる人の心に、私は興味があるのだと思う。そうやって追いかけている作家さんが何人かいます。
矢島さんが見つめているのも、やっぱり「人」。コロナの影響で存続の危機に立たされている職人さんのために、オンラインショップを兼ねたギャラリー“aeru gallery”も開設。伝統産業品の原材料を生み出す自然を守ろうと、“aeru電気”という自然エネルギー電力事業も始め、今は、里山事業“aeru satoyama”も準備中だとか。「日本の伝統産業の職人さんが使う材料って自然の恵みと近しいものばかり。だからこそ自然や里山の暮らしを守らねばと……」と。私も何か貢献できることがあるんじゃないかと、模索中だからすごく共感できます。
「人の手が生み出す宝物を次世代に伝えたい!」という思いの揺るぎなさ。私が「SINME」を通じてファッションに込めている気持ちと、多分すごく近いと感じました。伝統と今の暮らしを素敵に混ぜ合う“和える”暮らし、私もずーっと楽しんでいきたいと思います。
取材:宮本恵理子/構成:ボンマルシェ編集部
板谷 由夏 さん

いたや・ゆか 女優。ファッションブランド「SINME」のディレクター。福岡県出身。2児の母。
