Life Style
2020.10.19

板谷由夏の“今日から、もっと。アップデート”
ジャパンハート理事長・小児科医 吉岡春菜さんと語る。
私たち一人ひとりができるボランティアのカタチを知ることから始めたい

「反転した世界に行ってみて、初めて分かることがあるんです」――。その言葉がとても胸に響きました。

お話をしてくださったのは、小児科医で特定非営利活動法人ジャパンハート理事長の吉岡春菜さんです。16年前の25歳の時、小児外科医で夫の吉岡秀人さんが始めた国際医療支援の活動にジョインしたのだそう。

ジャパンハートは、医療が届かない開発途上国や被災地に医師や看護師を派遣して、医療活動を行うボランティア組織。カンボジアやミャンマー、ラオスを主な活動地域として、現地の子どもたちに医療を提供するほか、教育や就労の支援もしているのだそう。「薬も備品もない環境では、医師ができることは本当に限られるんです。それでも、患者さんの心に寄り添う医療はできると学びました。気づきを持ち帰って日本の医療現場に戻ると、自然と手術糸1本も丁寧に扱うし、周りのスタッフへの感謝も湧いてくる。外国のための活動に見られますが、実は日本の医療の質も高める効果があると信じています」。

カンボジアの村々で健康診断した際の一コマ。

登録しているのは、特定の病院・施設に所属しないフリーの医師や看護師さん。女性が多いそう。「応援が必要な場所に、素早く行って貢献できるのが強みです」と吉岡さん。緊急時にもフレキシブルに動けるフリーの医療従事者の皆さんを、社会で支える仕組みがきっと必要ですね。

実は私も2年前から、カンボジアとミャンマーに1人ずつ、教育費を支援する活動をしています。その子たちが20歳になるまで続けます。きっかけは、息子たちが通う学校から配布されたチラシ。毎月わずかな金額でも、私のちょっとした行動で誰かの人生が明るい方向に変わるきっかけになるならうれしいと思って、始めてみました。

不用品を寄付するとか、社会貢献の方法もさまざま増えてきているみたい。まずは関心を持って自分ができることを検索することからでも、世界の見え方が変わるはず。私ももっと知ろう!と思いました。

ミャンマーの日本人学校で巡回診療を行う吉岡さん。

そうそう、私と吉岡さんの共通点が一つありました。それは二人の男子を育てる母だということ! それを聞いて、親近感を抱かずにはいられませんでした。

両親がどんな仕事をしているのか、生の姿を見せるために、息子さんたちをミャンマーに連れていき、2年間、現地の学校に通わせたという吉岡さん。「多様な人種、文化に触れた経験は、帰国してからの彼らの考え方にも影響したようです。医療の道に限らず、自分なりの方法で社会をよくする役割を見つけていってもらえたらいいなと思っています」と吉岡さん。親としての姿勢も素晴らしいなと、とても共感しました!

取材:板谷由夏/撮影:キッチンミノル/文:宮本恵理子

板谷 由夏 さん

いたや・ゆか 女優。ファッションブランド「SINME」のディレクター。福岡県出身。2児の母。