渡部 葵さん[5年]
中村 奏太さん[5年]
佐藤 乃羽さん[5年]
林 高嬉さん[5年]
「この絵の中で、アルミニウムが使われているものはどれ?」というクイズから始まった出張授業。「アルミ缶!」「鍋!」と元気よく答える子どもたちに、「そうですね。アルミニウムは、家電や乗り物、IT機器など、様々なものに使われ、私たちの生活を支えています」と先生。
テーマは、SDGsに貢献するアルミニウムの特長について。一つ目の特長は「軽くて強い」こと。これを活用しているのが、自動車材だ。「車体が軽ければ、走る時に使うエネルギーが少なくて済むので、省エネにつながります。また、アルミニウムの強さは、安全を守ることに役立っています」
ここで実験タイム。まず、アルミニウム、鉄、銅でできた同じ体積の立方体を手に乗せて、重さを比較。実は、アルミニウムの重さは、鉄や銅の約3分の1。「一番軽い!」と子どもたちもその軽さを実感できたよう。
続いて、ほぼアルミニウム100%で作られた棒と、アルミニウムにほかの金属を少し混ぜて作った棒の強度を比較。代表の児童が力を加えてみると、ほぼアルミニウム製の棒は簡単に曲がったが、もう一方はびくともしない。アルミニウムは、異なる金属を少し加えることで強度が増すという特性も分かった。
アルミニウムの二つ目の特長は、「リサイクルの優等生」であること。「原料であるボーキサイトから新たにアルミニウムをつくる際の、CO2発生量を100%とすると、リサイクルしてつくる際に発生するCO2は、たったの3%に抑えられるんです」と先生。さらに「日本国内のアルミ缶のリサイクル率は約94%にも上ります」とのこと。
続いて、素材の異なる皿に氷を置いて熱伝導を調べる実験では、アルミ皿に置いた氷が一番に溶けるという結果に。この熱伝導率の高さは、自動車やエアコンの「熱交換器」などに役立てられているという。
授業に加えて、アルミニウムの厚板の専門工場「UACJ深谷製造所」を訪れたのは、深谷市立上柴東小学校(埼玉)の子どもたち。
世界でも有数の高い技術力・生産力を誇る同工場。「ここでは、毎月約7000tを目標にアルミニウムの厚板を製造しています。これは、アフリカゾウ1000頭分に匹敵する重さなんですよ!」
工場内には巨大な機械が立ち並び、迫力満点。「大きい!」「あれは何?」とみんなも興味津々だ。この日は、金属を高温で溶かして型に流し込んで固め、スラブという巨大なアルミの塊を作る「鋳造(ちゅうぞう)」、スラブの表面の不均一な部分を削って取り除く「面削」、50cm以上の厚みがあったスラブを1〜10cmの板状に薄く延ばす「熱間圧延(ねっかんあつえん)」という三つの工程を見学した。
ここで作られたアルミニウムの厚板は、この後さらに加工されて様々な商品となる。社会に欠かせないアルミニウムがどのように作られているのか、その一端に触れる貴重な機会となった。
授業中の真剣な表情から、佐渡の自然環境を守りたいという児童たちの地元愛が伝わってきました。佐渡で暮らす児童たちにとって、日頃あまり接点がない職業の方と触れ合う機会はとても貴重。この経験を自分の将来を考える際に生かしてほしいです。
第一線で研究開発に取り組む方々の話は、子どもたちにとっていい刺激になったと思います。みんな質問も積極的で、見ていて頼もしかったです。これから理科の授業で環境について学ぶ予定。今回の地球教室の内容がいい導入になってくれるでしょう。
授業中、自主的に発言や質問を行う姿を見て、児童たちがいかに環境問題を「自分ごと」として捉え、向き合おうとしているのかを実感しました。今後はその興味をさらに伸ばし、そして生活の中の行動へと落とし込めるよう、私たちも積極的にサポートしていきます。
アルミニウムの「軽くて強い」「リサイクルの優等生」といった特長はSDGsの目標達成に貢献している。



新井佳代子さん