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2024年度 かんきょう新聞

出張授業

環境を守り資源を生かす
循環について知ろう

UR都市機構
授業の内容
  • ・団地の環境にやさしい取り組み
  • ・団地の建材や内装材のリサイクル
  • ・実際の資材や製品を手に取って確認しよう
講 師
(左から)
東日本賃貸住宅本部 技術監理部 岩井千紘先生
東日本賃貸住宅本部 技術監理部 森田万由花先生
株式会社URリンケージ 都市整備本部 設計部 古川智浩先生
株式会社URリンケージ 都市整備本部 区画整理部 小田南実先生
出張授業:UR都市機構の様子1
砕かれて道路の材料になる前のコンクリートの塊を持ってみる

身近な団地の建築に環境への配慮があった

「みなさんの学校のすぐ隣にある豊四季台団地の土地には、もともと何があったか知っていますか?」

先生の問いかけに、柏市立柏第六小学校の子どもたちは、「知ってる!」「競馬場だよ!」と、うれしそうに声を上げる。テレビCMでもおなじみの「UR」が、自分たちの住む地域と60年以上も前から関わっていることに親近感を抱いたようだ。

壇上のスライドには、URによる豊四季台団地の再生の様子が映し出され、大きな木を、根のまわりの土ごと機械で持ち上げている写真に子どもたちの注目が集まる。「古くなった団地を壊して、新しくもっと住みやすい団地に建て替える時、もともと生えている木を大切に生かします。別の場所に移したり、どうしても切らなくてはならない木は、木製ベンチとして生まれ変わらせたり、再利用をしています」。グリーンバンクシステムと呼ばれるその取り組みから、建物を壊すには、環境への気づかいが必要だという理解が自然に広がっていく。

壊した団地の中から新たな資源が生まれる

「古い団地をひとつ壊したら、どれくらいの量の〝資源〟が生まれると思いますか?」

クイズの答えは「体積でいうと、60教室分以上です」。「そんなに?」と顔を見合わせる子どもたち。量の多さとともに「資源」という意外な言葉にも驚いた様子だ。外壁を壊したときのコンクリートの塊、曲がった鉄骨や大きなパイプ類などが「ごみ」ではなく「資源」と呼ばれている。工事現場で目にする〝がれき〟への印象が変わっていく。

「油圧ショベルで壊したコンクリートの塊は、工場で細かくして分別され、道路の材料にリサイクルされます」。先生は、「資源」に生まれ変わったコンクリート塊が道路のどこに使われているか図を示して解説した。「みなさんが歩く道路の下にも、古い団地で使われていたものが眠っているかもしれません」

次に、家の中にあるもののリサイクルも考えてみる。「柱や壁、窓ガラス、蛍光灯、畳、家具……。この部屋の中にあるもの、どれがリサイクルできると思いますか?」スライドに映った部屋の絵を見つめながら、子どもたちは首をひねる。普段、空き缶や空き瓶、ペットボトルや紙類のリサイクルなら心がけているが、板や照明がどうなるかは想像がつかないようだ。

「実はほとんど全部がリサイクルできるんです」。例えば、柱などの木材は、細かくして押し固めると、もう一度木材として机や本棚になる。ガラスは細かくして断熱材に利用される。畳のいぐさは、肥料や燃料、動物のベッドに。さらに、壁や天井の石こうボードは、石こうと紙に分けられ、紙はダンボールに、石こうは校庭に白い線を引く「ライン引き」などに使われるという。

資材を触って実感 古いものにも価値

「では実際に団地の解体で出た資材を見てみましょう」。一斉に立ち上がった子どもたちは、透明ケースに入った展示物のもとへ。

「重いね」「古い木のにおいがする!」。ゴツゴツとしたコンクリートの塊を持ってみたり、木材が細かく切り刻まれたチップを触ったりして、リサイクルされる前の状態を体感した。

また、リサイクル資材から作られた道路の模型もあり、透水性アスファルトを敷くと、水たまりができずに歩きやすい道になるという説明に納得の表情。古いものが「次のいいもの」に生まれ変わったことを実感できた。

リサイクルの可能性と、壊すことへの責任。団地の建て直しを通して、理解と気づきが得られる授業になった。

安全のために工事現場で使われる「ハーネス」をつけてその丈夫さを体感
壁に使われていた石こうボードをよく見ると「表面は紙なんだ」
透水性アスファルトに水を注いで、しみこむ様子を観察
小さな木のチップを見ながら、元は柱や床だったと説明を受ける
団地の木を守る取り組みをスライドで知る

出張授業を終えて

柏市立柏第六小学校 (千葉県/2024年11月5日)
柏市立柏第六小学校の出張授業
馬場亜紀教諭
馬場亜紀教諭

ちょうど社会科でごみの処理と利用について学んでいますが、自分の身の回りにリサイクルされたものがあることを知らない子も多いようです。今回、具体的なリサイクル事例を知り、現物も見て、理解が深まったと思います。社会や職業への関心が高まることも期待しています。

かんきょう1日学校

講 師
山口大空先生
山口大空先生
西日本支社 技術監理部
企画第1課
竹居広樹先生
竹居広樹先生
東日本賃貸住宅本部
技術監理部 企画第4課
かんきょう1日学校:UR都市機構の様子1
「団地のリサイクル」について授業をしてくれた山口先生と竹居先生。まずは予習としてUR都市機構の仕事について教えてくれました。一つ目は「日本最大級の大家さん」。全国に約70万戸の部屋があり、人に貸し出しています。二つ目は「まちづくり」。新しいまちをつくったり、住みやすいまちにつくり替えたりしています。三つ目は「震災復興」。震災が起きた地域の人たちのために、仮の家を建てたり、道路や土地を整備したりしています。

「皆さんは地球で安心・安全に暮らしたいと思っているはずです。しかし世界では地球温暖化や食糧不足、環境破壊などの問題が起きています」

こうした問題に立ち向かい持続可能な社会を目指すために、世界で決められたのが17の目標のあるSDGsです。先生たちは、その中の目標12「つくる責任、つかう責任」に関係する、団地のリサイクルについて紹介してくれました。

UR都市機構は団地を壊す時、コンクリートと鉄筋を丁寧に分別します。コンクリートはさらに細かく粉砕し、道路の基礎に再利用します。次に建物の中です。床は木製のストラップに、ガラスは新しいガラスを作る原料にします。外の植木はなるべく残し、動かさなければならない場合は、後で元の場所に植え直す、または別の場所に移しています。どうしても残せない場合のみ木材にして、名札やベンチ、公園の通路に敷くウッドチップにします。こうして団地を壊した場合でも、約98%はリサイクルしています。

「リサイクルするには、きちんと分別することが大切です。ゴミを捨てる時は分別を意識して、リサイクルしたら何になるのか考えてみましょう」と先生は呼びかけました。
団地を壊しても約98%はリサイクルしているというUR都市機構。部屋の床も一枚一枚丁寧に剝がして、ストラップやスマートフォンケースなどに再利用している。
  • かんきょう1日学校:UR都市機構の様子2
  • かんきょう1日学校:UR都市機構の様子3
  • かんきょう1日学校:UR都市機構の様子4

豊かな地球環境と子どもたちの
未来を守るために

松尾知香さん
くらしの中で環境を考えるきっかけに
独立行政法人都市再生機構 総務部 広報室長

松尾知香さん

UR都市機構は約70年にわたり、時代とともに変化する社会課題に向き合いながら、まちづくり、住まいづくりを進めてきました。現在は、都市の再生、UR賃貸住宅の管理、災害からの復興支援を主な業務としています。まちづくりの過程では環境への負荷を少なくし、自然環境の保全・再生、資源の有効利用などに努めています。

かんきょう1日学校では、UR賃貸住宅の建て替えの際には壊した建物や樹木などの資源をほぼ再利用するなど、廃棄物の利活用や環境対策に取り組んでいることを紹介し、実際に廃材に触れる体験を通して学んでいただきました。この経験が、日頃から環境や地域の将来などを考えるきっかけとなれば幸いです。

私たちUR都市機構は、今後も次世代を担う子どもたちの育成支援を進めてまいります。(談)

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