朝日新聞社
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#リコラボファーム
#ソバ栽培

ソバ栽培は喜びも苦労も
まるで我が子?すくすく育て!

2024.03.25

ソバからお菓子?

クリスマスパーティーは数時間であっという間でしたが、ソバ栽培には、長い道のりがありました。

リコラボは、これまで、大麦を中心にカブやジャガイモなどの作物を育ててきました。2023年8月、スマホを見ると、「ソバを植えまーす」とメッセージが来ていました。リコラボの仲間が、いつの間にか、今シーズン植える作物を決めていました。そして収穫したらそば粉を使ったお菓子を作ると言うのです。

「え、ソバって育てられるの?」。麺になったそばのイメージしか持っていなかった私(太田帆香)は、ソバ計画の話を聞いて驚きました。そば粉からお菓子?と思ってググったら、ソバの実から収穫できるそば粉は、アレンジ次第でたこ焼きやシフォンケーキなど、様々な料理を作ることができるというのです。

ということで、クリスマスにお菓子を提供することをめざして、ソバ栽培はスタートしました。


草取りや間引きは手作業で丁寧に
草取りや間引きは手作業で丁寧に

ソバの種まきは8月でした。私は種まきには参加できませんでしたが、「どんどん成長していくソバを見ていると、ソバがかわいくて仕方なくなった」と仲間から聞きました。それを聞いて「そんな好きになるか?!」と思いましたが、元気に育つように毎日、気にかけているのだから、愛着が湧くのも当然かもしれません。

ソバに愛着が湧きすぎたのか、畑でソバを育てながら家ではスーパーマーケットで買ってきたそばばかり食べているというメンバーもいるほどです。

出芽してしばらくは、まるでカイワレ大根のよう…!
出芽してしばらくは、まるでカイワレ大根のよう…!

やっと出芽! 
こまめな世話が実った

9月のはじめ、種をまいて1週間ほどでソバが出芽(土から芽が出る)しました。でも、出てない芽もあり、発芽(種から芽が出る)状態は畝によって全然違いました。

ソバは栄養の少ない痩せ地でも良く育つ植物とはいえ、発芽後も「土が堅かったり栄養が不足したりして、出芽しないかもしれない」と心配するメンバーもいました。しかし、コンポストの土を追肥として使用したり、こまめに雑草抜きを行ったりしたおかげもあってか、出芽後も、ソバはぐんぐん成長していきました。

小さな種を少しずつまいていく
小さな種を少しずつまいていく

花が咲いた! 
白くてかわいい

10月のはじめ、そばの花が咲きました。朝、ファームに着くと、「花咲いてる!」「きれい!」と思わず声がでました。白くて小さな花です。畑が一気に華やかになりました。

みんなで撮りためてきた写真を見返してみると、小さな芽がすらっと上に伸びていき、きれいな花が咲いたと思ったら茎がだんだんと赤くなり、見ているだけでとても面白いです。

ソバの花が咲くと、花同士を触って人工的に受粉させました。ソバの受粉のお手伝いです。各自がそれぞれお花を触っている作業的な工程は、なんだかシュールです。

ソバの花の受粉は手作業でひとつずつ
ソバの花の受粉は手作業でひとつずつ

いよいよ収穫! 
予定通りにはいかない…

10月末、いよいよ収穫です。ずらりと並べられたそばを見ると、収穫まで漕ぎつけた達成感と、楽しんでいるという充実感で胸がいっぱいになりました。

竹でつくった「はさがけ台」にそばの束を干していく
竹でつくった「はさがけ台」にそばの束を干していく

実は、収穫期間は想定よりも長引きました。ソバの間引きが足りなかったことが響いたのか、成長速度に差が出ていたからです。

リコラボのメンバーは学業をしながらの農作業です。収穫の時期が長引けば、人手不足でソバが収穫できなくなる可能性があります。実際、昨年までの栽培でそのような失敗をしてしまったことがありました。

そこで、予定していた2週間の収穫を急遽(きゅうきょ)3週間行うことにしました。また、活動可能なメンバーで平日にも収穫を行うことにしました。12月のパーティーを成功させたい。その熱量が活動量の増加を可能にしたのです。

竹とスコップを持って、はいポーズ!
竹とスコップを持って、はいポーズ!

成長速い 
行くたびに大きくなって

メンバーはほとんどが文系の学生で、農業について学んできた経験はほとんどありません。天気など予想できないことだらけで、一から作物を育てることの難しさを改めて感じました。

一方、ソバが芽を出して花を咲かせ、実をつけていく姿が見られることが、とてもうれしかったです。ソバは成長が速いため、毎回の活動のたびに大きくなっていく姿を見ることができました。それがモチベーションになり、活動に行くことが楽しみになっていきました。

小さな種から。ぐんぐん大きくなりました
小さな種から。ぐんぐん大きくなりました

もっとこうしていたら…
たくさんの「良い後悔」

学びになったことを尋ねると、あるメンバーからは「全部」という答えが返ってきました。

また、仲間の1人からは「後悔をさせてもらっている」という言葉が出てきました。この言葉がとても印象的でした。

「もっとこうしていたら良かったのではないか」

「ここでスケジュールを変更していたら、もっとこうなったんじゃないか」

「土づくりのときにもっと栄養を混ぜるべきだったな、そしたら土が柔らかくなって、ソバの根が張りやすかったんだろうな」

「間引きをもっと沢山していたら、ソバの背はもっと高くなっていたんだろうな」

このような「良い後悔」という経験をたくさんさせてもらったと言います。

青空の下、決めポーズ
青空の下、決めポーズ

知識がないということに気づく経験もできました。自分たちには、知らないことがたくさんあるのだということ。知識がなかったからこそたくさん失敗をして、知識がなかったからこそたくさん「良い後悔」ができたのではないかと、今ではそう思っているそうです。

また「様々な方々の協力を得て成り立っているプロジェクトであると感じている」という言葉もありました。土地の所有者や近隣の方々、農林水産省近畿農政局や神戸市の職員の方々などたくさんの方々に、ソバの種を分けていただいたり、耕運機などの機械を貸していただいたり、栽培についてアドバイスをいただいたりと、ご協力をいただきました。

たくさんの方々に協力いただいて、成功させたソバ栽培。そしておいしいとパンケーキを食べてくれた子どもたち。関わってくださる全ての方々に感謝して、私たちはまた自然と向き合っていきます。

太田 帆香

リコラボでの活動を通じ「生み出す」難しさを学んできましたが、今回それを一緒に消費する喜びを知ることができました。普段当たり前のように行っている「食べる」ということのありがたさ、それを子供たちと一緒に体験することができて嬉しいです。

岸名 優佳

自分たちが畑で育てたそばがパンケーキとして形になり、子どもたちが『おいしい』と言って食べてくれたのは、本当に嬉しいものでした。神戸で畑を耕し、ソバを育て、それを加工して地元の子どもたちに消費してもらう、その「食の循環」の輪の中で、私たちリコラボのメンバーや味わってくれた子どもたちの感じた喜びが、みなさんに少しでも伝わっていたら嬉しいです!