同志社女子大学
生活科学部食物栄養科学科
食品機能学研究室 教授 薬学博士
杉浦 実
(すぎうら・みのる)先生
柑橘(かんきつ)類の中でも突出してみかんに多い成分
20年以上にわたり私が続けている研究調査によって、数ある柑橘類の中でも特にみかんにはβ-クリプトキサンチンという成分が多く含まれ、「みかんが健康に役立つ」と言われる大きな一因と考えられることがわかってきました。
β-クリプトキサンチンは、みかんのオレンジ色の元となっている成分で、カロテノイド色素の一種です。みかんをたくさん食べると手が黄色くなりますが、実はこれこそ、みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンが体内に吸収・蓄積されたという証しなのです。
骨粗しょう症リスクの低減に役立つ
今わかっているのは、β-クリプトキサンチンを一定量含むみかんを食べると骨粗しょう症の発症リスク軽減に役立つということです。骨粗しょう症は骨代謝のバランスが崩れることによって生じる疾患ですが、β-クリプトキサンチンはそれを整え、骨粗しょう症リスクの低下に一役かっているのです。さらに、みかんには骨形成に関与するコラーゲンを生成するのに不可欠なビタミンCも豊富に含まれていますから、その相乗効果も見逃せません。
また現在、β-クリプトキサンチンは糖尿病リスクや、動脈硬化リスク、脂質代謝異常・肝機能異常などの生活習慣病予防との関連についても注目されています。今年度から〝健康長寿〟をキーワードとした継続研究が再スタートしており、今後、さらなる成果が期待されています。
旬の季節にたっぷり食べて食べ溜めを
研究試薬としてのβ-クリプトキサンチンはとても高額であり、みかん1個には数万円分のβ-クリプトキサンチンが含まれています。摂取すればするほど体内に蓄積される食べ溜めができる成分です。また、みかんの白いすじ(維管束)はほとんどが不溶性の食物繊維ですが、抗酸化作用や抗炎症作用があり、毛細血管を強くする「ヘスペリジン」が多いです。白い筋も一緒に食べていただいた方が、お肌にも健康にも効果的です。
これからの季節、積極的に生のみかんを召し上がってβ-クリプトキサンチンの食べ溜めをしてください。