コンテストに応募すると、必ず「次の作品」につながる
「日本の自然」写真コンテスト最優秀賞受賞者が語る写真の魅力
36回目となる「日本の自然」写真コンテストが、1月4日から3月29日まで作品の応募を受付中だ。そこでコンテストを主催する全日本写真連盟の勝又ひろしさんが、第34回で最優秀賞を受賞した笹尾敏子さんにインタビューを行い、撮影秘話やコンテストの意義など、さまざまな話を伺った。
背後にあるストーリーを読むと
写真を見るのがさらにおもしろくなる

勝又 最優秀賞を受賞した「三兄弟」はご自宅に近い大磯町の貯水池で撮影されたんですよね。卵の頃から見守られていたのですか。
笹尾 もちろんです!卵が一日に一個ずつ孵るので明日かな、明後日かな、と毎日通っていました。鳥の世界も最初に生まれた子が強いようで、三番目になるとなかなかエサがもらえないんです。一番目の子が三番目の子を「こっち来るな」とばかりにつついたりするものですから、私も撮影しながら「いじめちゃだめ!」なんて叫んでいました(笑)。
勝又 写真って一瞬を切り取るものですが、当然背後にはそれぞれのストーリーがあるもの。「三兄弟」も笹尾さんの撮影話を聞いた後だと、成長を見守る視点が加わって写真の魅力がより深まります。
笹尾 私はもちろんですが、地元のカメラ仲間がみなさんとても受賞を喜んでくれました。
勝又 地元の方にとってはうれしいでしょうね。ただカメラでいうと、“地元”って写真を撮るうえで有利な半面、不利なところもあるように感じています。
笹尾 風景を撮るなら地元の人にはかないません。やはり毎日撮り続けられる人だからこそ出会える一瞬、というのがありますから。私がアオサギを撮れたのも距離が近かったというのが大きなポイントでした。ただ確かに地元の人ほど、風景に慣れ過ぎてしまうという面はあるかもしれません。どれだけきれいな風景でも見過ぎちゃうと感動しなくなりますから。
勝又 そう、せっかく素晴らしい風景なのに、地元の人にとっては珍しくないから盲点になってしまう。これはもったいないですよ。写真を通すといつもの風景が輝いて見えることがある。みなさんどんどんカメラを構えて「うちにはこんな場所がある!」と自慢してほしいと思います。




