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みらい E-us イーアス プロジェクト特集インタビュー 05 りそなホールディングス(後編)

「何をやり始めたんだ?」顧客さえも驚いた
金融機関の本気 社会貢献のための投資とは

りそなグループの「みらいE-usプロジェクト」は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に関わる投資商品をそろえ、商品販売会社と委託会社の収益の一部で子どもたちの進学を後押ししている。このプロジェクトをはじめたことよって、現場でお客さまと向き合う社員のモチベーションも変わっていったという。今回も慶応大学大学院メディアデザイン研究科の岸博幸教授に登場いただき、子どもの教育支援の大切さと、長い目で社会課題に取り組むことの必要性について解説してもらった。

「将来を考えると、やっぱり子どもの問題が大事」

収益の一部を使って、経済的に苦しい家庭の高校生や大学生を支援するりそなグループの「みらいE-usプロジェクト」。慶応大学大学院メディアデザイン研究科の岸博幸教授は、進学の夢を後押しする重要性を、身をもって実感している。

「社会貢献というと、はやりもあって、まず環境問題に目がいきがち。その次には高齢者の社会保障の問題が取り上げられる。でも日本の将来を考えるとやっぱり子どもの問題が大事だと僕は思っています」

岸教授自身、中学3年生のときに両親が離婚し、母親と姉の3人での生活には苦労したという。高校・大学には奨学金を受けて卒業した。そして、現在は2人の子の父親でもあり、子どもたちの将来の日本にも心砕く。

「課題先進国と言われるほど課題が数ある日本ですが、りそなが社会貢献としてこの問題を選んでくれたのは非常にうれしいです。教育の問題は深刻化していますが、こうした活動を突然大きい規模でやるのは大変だし、時間がかかる。そのような中、りそなが率先して社会への還元を始めている。この経験は今後広く応用できるベースになるはずです」

世界が力を合わせれば、世界はもっとよくなるはず。
「みらいE-usプロジェクト」

社会課題の解決につなげる。金融業の挑戦

このプロジェクトは、りそなグループにおけるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みでもある。自社サービスを通じて、いかに社会課題の解決につなげるかは、各企業で広がりを見せているところだ。

ただ、一般消費財を扱う企業では、プラスチックパッケージやレジ袋の削減など、直接的な形で取り組むことができる一方、金融業はお金を通じたビジネスへの間接的な関与になる。さらに、投資商品といえば、どれだけもうかるのか、という視点から、価値の上がり下がりで一喜一憂する人が多いのも事実だ。

利益だけでない価値。伝える難しさとやりがい

金融機関が作り出す新しい「価値」をどう伝えていくか。営業店で商品を案内する立場である岡﨑明菜さんが、その苦労を語る。「ほとんどのお客さまはまだSDGsという言葉になじみがありません。現場で十数年やっていますが、こういったプロジェクトは初めて。これまでずっともうかる、もうからないというのをやってきたところに急に寄付という言葉が出てきて、お客さまからは『りそなは一体何をやり始めたんだ?』という反応もありました」

しかし、投資による利益だけでない価値も含めた商品であることを丁寧に説明すれば受け入れてもらえる手応えも感じている。「私自身子どもが2人いて特に教育には興味があります。同じような子育て世代の方々にお話しすると、共感していただけることも多いですし『万が一運用成果が芳しくない時があっても、長期に運用成果を期待する間にも、別のそういった寄付をして誰かのお役に立ててるって考えると心が豊かになった気がしますね』という言葉をいただくこともあります」

さらに岡﨑さんは、このプロジェクトを通じて、自身の仕事についての気づきがあったと振り返る。「私たちとしては中長期的な資産形成もお勧めしているのですが、やはり投資というと短期売買のイメージをまだ強く持っているお客様も多く、投資信託と言うと『上がるんですか?』とまず聞かれます。そして外れるとお叱りを受ける(笑)。銀行員はお金を計算するだけ、みたいに世間の人も私たち自身もどこか思っています。仕事に葛藤を感じるときもありました。でも、このプロジェクトで、銀行員でもこういう貢献ができるんだな、と希望が持てましたし、将来に向けてやっていこうという気持ちになりました」

理想の未来をつくるために。
「みらいE-usプロジェクト」

次世代のために。社会の成長につなげる投資

プロジェクトを担当するりそな銀行コンシューマービジネス部の石田耀子さんも続ける。「特に富裕層の方々は、投資した後のお金の流れを気にしていらっしゃいます。最終的に次の世代のためになるという点に喜びを感じてくださる方が多い。今回のプロジェクトで、経済的な価値に加え、良い明日をともにつくる喜び、非金融の体験としての価値をお客さまに提供したいと考えています」

証券投資は、個人の経済的な利益だけを求める拝金主義的な傾向が根強いが、本来の投資の意義は、社会の成長に貢献することだと岸教授は言う。「投資というのは本来、自分がもうかるためにやるものじゃない。第一の目的は世の中をよくすること。そのお金が世の中にまわって、社会の成長に使われることが重要なんです。その結果として上がった、下がったという状況があって、もうかる人もいる。僕はSDGsとかESG(環境・社会・ガバナンス)とかの3文字単語は大嫌いなんだけど(笑い)、どちらも煎じつめて言えば『正しいことは長期的にやらないとダメだよね』ということだと思っています。投資も同じ」

自分さえ、という時代は終わった。今こそONE TEAMに

岸教授は、これから先、投資に限定せずあらゆる面で「長期的視点」が大事になる、と強調する。「異常気象や台風で大きな被害が続き、環境問題については長期的な視点の重要性をみんなが意識し始めましたよね。それだけではなく地域の問題、教育の問題、すべてにおいて世界全体が長期的視点に変わっていかざるを得ない。政治もそうだし消費者もそうです。昨年、スポーツの世界で『ONE TEAM』(ワンチーム)が流行語になりましたが、あの精神を普段から応用するべきです。自分や家族だけがよければそれでいい、という時代はもう終わったんです」

ワンチームは一朝一夕で作れるものではない。目先のことだけに一喜一憂せず、「持続可能な社会を作る」ための長期的な視野を持ち、地域や社会全体がワンチームになる。その先にこそ、10年、20年先の理想の未来は広がっている。

だれかを応援するために、“投資”をする、という選択。
りそなグループが進める、「みらいE-usプロジェクト」についてはこちら

みらい E-us プロジェクトとは?