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朝日新聞大阪本社 高大接続特別プロジェクト SDGs教室

なぜ今、教育にSDGsが必要か

デザイン思考で真の学びと探究を 新渡戸文化小中学校・高等学校教諭(生物)/
一般社団法人Think The Earthコミュニケーター/
未来教育デザインConfeito共同設立者 
山藤 旅聞 氏

14時から17時は「なぜ今、教育にSDGsが必要か~SDGs教室実践事例紹介~」が開催されました。オープニングは、ミュージック・アクティビスト、shihoさんのコンサート。shihoさんは2017年2月から、ケニアで教育機会を奪っている生理用品不足を解消するために、日本で有志とともに布ナプキンを手作りして届ける活動を続けており、伸びやかな歌声とともに、「SDGsは遠くにある厳しい状況も自分の立場に置き換えて考えさせてくれます」と抱負を語りました。

続いて、SDGsを活用した授業の第一人者、東京都立武蔵高等学校附属中学校の山藤旅聞教諭が、「未来教育デザインのキーワード~手段としてのSDGs Learningとは?~」と題して講演しました。山藤教諭は放課後などを使い、同校生徒のほか、SDGsの理念を共有する団体や企業とも協働し、この2年間で35のプロジェクトを動かしている活動ぶりを披露。新学習指導要領に『一人ひとりが持続可能な社会の創り手となる』と記載された点を指摘し、「17の目標と169のターゲットで構成されるSDGsは、世の中を良くしようとする具体的な指標が入っています。『デザイン・フォー・オール』の思考で、真の学習と探究のテーマにふさわしいと考えます」と力を込めました。

さんとう・りょぶん/9年前のブータン渡航をきっかけに、生徒自ら疑問を生み出し、その解決のために行動する力を引き出すことを目的とした教育デザインに取り組む。最近は、SDGs を活用し、社会と教育をつなぎ、社会課題の解決に向けて、様々なステークホルダーとパートナーシップを組むことで様々なプロジェクトを動かしている。

自分ができることから始める
京都学園中高 生徒がカードゲームを発表

SDGsを学んだ生徒による実践事例の発表もありました。会場に顔をそろえたのは、京都学園中学・高等学校の生徒代表の6人。同校は図書館に専門コーナーを設けるなどSDGsの取り組みを推進中で、独自に考案した「災害ミッションゲーム スクラム」を紹介しました。「誰ひとり取り残さない」というSDGsの精神にのっとり、災害が頻発する日本にどんな課題があり、どうすれば被害を抑制できるかを1年かけて話し合って開発。発表では足腰の悪い高齢者を助けるために地域が日頃から備えるべき対策について、カードを使いながら、わかりやすく説明してくれました。2年の山本莉子さんは「SDGsは、自分が持つ力を最大限に使ってできることから始めるのが大切です。学外の人たちに成果を知ってもらえてうれしいです」と声を弾ませていました。

社会は変えられる確信を子どもたちに 龍谷大学政策学部政策学科教授 白石 克孝 氏

龍谷大学政策学部政策学科の白石克孝教授は「若者が変える! 地域から創る、暮らしやすい世界」をテーマに講演。従来は専門知識を掘り下げる教育が中心だったのに対し、これからは社会との関わりや生き方が問われる時代になるとし、新しい人生を歩む子どもたちにふさわしい総合的な教育が求められていると提言しました。白石教授は「2030年に向けて、リアリティーのある話を提示し、社会は変えられると学生に確信させることが教師、人生の先輩としての役割ではないでしょうか」と語りかけました。

最後には朝日新聞大阪本社の中西博文が、SDGsを学び、読解力や表現力を身につける上で新聞が果たす役割の大きさについて話し、一連のイベントは幕を閉じました。

PROGRAM

先生のためのSDGs勉強会

多難な時代
生きるヒントが新聞に
日本NIE学会理事 有馬 進一
教諭2氏が実践報告 生徒に刺激
大切さに気づく
学校法人京都光楠学園京都学園中学校・高等学校教諭/教務部 図書館 国語科司書教諭 NIEアドバイザー 伊吹 侑希子
神戸市立渚中学校教諭 原田 大