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朝日新聞社メディアビジネス局

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ウェルス・アドバイザリー株式会社
※本記事の記載内容は、記事作成時点
(2020年5月1日)の情報に基づきます。

超富裕層へのアドバイザリー集団に聞く資産の守り方、増やし方

今年1月に誕生したUBS SuMi TRUSTは、プライベートバンク発祥の地であるスイスに本拠を置くUBSと三井住友信託銀行の、ウェルス・マネジメント部門における事業提携で生まれた新ブランドだ。世界中の富裕層を熟知する彼らは、顧客のあらゆる資産をいかに守り、増やしていくかを知り尽くした「Wealth Management(以下ウェルス・マネジメント)」の専門家集団だ。

なぜ世界の富裕層がウェルス・マネジメントを利用するのか、本インタビューで紐解いていく。

今回のテーマは「コロナショックと投資」。この混乱の中で市場はどこへ向かうのか。UBSウェルス・マネジメント、チーフ・インベストメント・オフィス日本地域最高投資責任者(CIO) 兼日本経済担当チーフエコノミストの青木大樹氏に伺った。

UBS新春特別セミナー UBS Wealth Insights - Year Ahead 2020で講演する青木大樹 氏

——コロナショックと言われる今、私たちの足元で何が起こっているのでしょうか。

3月頃から欧米でもウイルスの拡大が始まりました。欧米でのパンデミックはスペイン風邪ぐらいまで遡らないと過去にありませんから、マーケットも最初は全く先行きが不透明でした。しかし、封じ込め政策を行う中で欧米の新規の感染者数に関してはピークアウトが見られます。アメリカや欧州の株も3月の底値から20〜25%戻っています。我々のメインシナリオ(確率50%)では、封じ込め政策が徐々に解除されていき、年末頃には正常化に向い、さらに2021年には景気の回復がより鮮明になると見ています。

——封じ込め政策を解除すれば感染が再拡大し、長期化するという見方もあります。消費活動は元に戻るのでしょうか。

中国を例にとると、既に3月以降経済活動が再開されていますが、消費の戻りが早い部分と遅い部分があります。例えば、高級品や耐久財など元々買うことが予定されていたものは繰越需要があり、再活動に伴い消費が伸びています。一方で封鎖が解除されたからといってすぐに皆で旅行に行く、コンサートに行く、とはなりませんよね。

戻りやすい産業とそうでない産業はありますが、経済活動とウイルスの拡大をきちんと管理できれば、消費活動は比較的早く戻ってくるのではと考えられます。ウイルスという未知のものとの戦いではありますが、過度に悲観する必要はありません。

——その理由は?

リーマンショックや、2012年の欧州債務危機などの経験が生かされているように見えるからです。政府や中央銀行の対応は速く、かつ、施策の規模も大きい。例えば、「未曽有の金融危機」と言われたリーマンショックを振り返ると、2008~09年の2年間での財政支出は、世界のGDPを合計した金額の2.8%の規模でした。一方で、今回はどうか?なんと既に現時点で3.7%まで拡大しています。アメリカや日本ではさらに拡大していく可能性もあります。

長期的には魅力的な局面。投資の継続に必要な視点は

——資産運用の観点では、どのように考えるべきでしょうか。

まずは投資を続けることが重要です。3月に大きく株式市場が下がった際に、不安にかられた投資家が資産を全部売却してしまったという話も聞きます。ところがそこから2~3週間すると、株価は約25%も戻りました。各国政府や中央銀行による政策のサポートは予想を超えた規模でしたし、今後ワクチンや治療薬の開発の進展がみられるかもしれません。もちろん、感染の再拡大のリスクだってあります。それでも、「先行きが見通せないから投資をやめる」のは避けましょう。パニックにならずに投資を継続する、その中で短期的な戦略と長期的な視点を持つことが重要です。

——詳しく教えてください

まずは短期的な視点で見ていくと、株式投資戦略については闇雲に上値を追いかけていくよりも、売られすぎている銘柄やセクターを狙っていく。国内外を見ると、過小評価されている企業がたくさんあります。次に中長期的な見方ですが、コロナショックによって人々の価値観、企業の行動、経済社会そのもののあり方は大きく変わることが予想されます。「変化が起きる」という点では、非常に魅力的な局面といえます。

特に、来年2021年は次の10年を探っていく重要な年になるでしょう。

注目のテーマは?

——これから来るであろうテーマはなんでしょうか?

三つキーワードを挙げたいと思います。一つ目のキーワードは「デジタライゼーション」です。5GやAI、VRなど新しい技術がイノベーションの中心になり、ビジネスや教育、医療など様々な分野で今後活用が広がるでしょう。

二つ目は「財政依存の高まり」です。コロナショックで各国がこれだけ財政政策を打てば、短期的には景気の浮揚効果をもたらしますが、当然その後の増税が意識されます。増税に対してどう資産を守っていくのか、備えておかなければなりません。他にも通貨安、場合によってはインフレ率が過度に高まる可能性も考慮すると、日本円だけで資産を構成するのはリスクがあります。通貨の国際分散や、インフレに強い資産の保有を考える必要もあるでしょう。

——三つ目のキーワードは?

「グローカル化」です。人の動き・物の動きは今後変わっていくでしょう。例えば、製造業はサプライチェーンを複雑化させてきましたが、ウイルスのパンデミック的な広がりによって、その弊害が明らかになりました。グローバルに販路を求める一方、生産は現地化(ローカル化)がますます進むでしょう。また、産業のサービス化が進むと、経済成長やイノベーションもグローバル一様でなくなるでしょう。日本の富裕層向けのサービスであれば、海外のものをそのまま持ってくれば良いというものではありません。また、中国とアメリカの関係が今後どうなるのか、これも非常に大きな問題です。5Gなどのサービスは、グローバル化していく中で、その国の実情に応じた活用、広がりを見せると思います。投資の観点から見れば、成長やイノベーション、その活用が一様ではないことは、資産をグローバルに分散させる必要を高めます。

——これらはすべてコロナショックの影響で出てきた動きですか?

コロナショック前から世界全体の構造は変わりつつありましたが、「危機は改革を加速させる」ということなのだと思います。在宅勤務も、元々テレワークといってずっと政府が推進してきたわけですけど、こういう危機的な状況がない限り、積極的にやろうと思わない。それが今回一気に進む機運が生まれています。

凍りついた1800兆円をもう一度動かす

——ウェルス・マネジメントのビジネスを青木さんはどう見ていらっしゃいますか?

私は、日本にとってウェルス・マネジメントビジネスが非常に重要と考えています。日本の家計の貯蓄は金融資産で1800兆円以上あります。このうち半分が現金預金です。銀行に預けられていて、その多くは日本の国債に回っている。これは私たちのお客様である富裕層も同様です。つまり、ウェルス・マネジメントサービスをご活用いただきたいお客様が、日本にはまだまだいらっしゃるのです。前述の1800兆円は、戦後日本の製造業が頑張って稼いできた収益の結晶です。家計に配分されて、それが貯蓄になって、主に預金という形で守られてきた。この凍り付いてしまったお金をもう一度動かしていく、生かしていきたい。私たちの目的は、第一にお客様の資産を守り増やしていくこと、それが結果的に日本経済の活性化にも貢献していければと考えています。

青木氏が、日本経済活性化の鍵として期待を寄せるウェルス・マネジメントとは、いったいどんなものなのか。こうした激動の時代において、世界の富裕層はどのように資産を守っているのか。後半は、UBS SuMi TRUST ブランドの第一号会社、UBS SuMi TRUST ウェルス・アドバイザリー株式会社代表取締役社長(※当時)の林敦氏に聞いた。

——はじめにウェルス・マネジメントについて詳しく教えていただけますか。

日本では一般的に、プライベートバンクは金融に関係する商品を中心に扱うものと理解されていますが、当社が「ウェルス・マネジメント」というとき、それはサービス提供の対象が金融資産だけではないという意味を込めています。これは大きな違いです。現金や預金、株、債券、不動産、これらはもちろん大切ですが、お客様が大切だと思っているもの、例えばご自身の経営する企業、ご家族、そして情熱を傾けている趣味や夢、それらすべてをご資産ととらえ、守り、育てるサポートをさせていただくことで、お客様の人生そのものを豊かにする、それがウェルス・マネジメントなのです。

UBS SuMi TRUST ウェルス・アドバイザリー株式会社 代表取締役社長 林敦氏

キャッシュの方が安心、は本当か

——ウェルス・マネジメントの源流にあたるサービスを行ってきたプライベートバンクは海外で発達したサービスですね。日本の富裕層と海外の富裕層では違いがあるのでしょうか?

日本の場合は江戸から明治、そして敗戦といった大きな社会構造の変化があり、また、他国と比較して高い相続税率が次世代への資産承継を難しくしていますので、富裕層ファミリーが長続きしません。一方で、欧州では、数百年続く名家はめずらしくありませんので、そういった厚みのある富裕層顧客に特化したプライベートバンクが発達したことも頷けます。

——資産運用の考え方にも違いがありますか?

例えば、日本株については、バブル崩壊後、現在に至るまで1989年の高値を更新できないでいます。そのため、長期的な投資ではなく、プロでも難しい短期で売買を繰り返す投資手法が主流となってしまったことで、「株式投資で損をした」という投資家を増やしてしまいました。経済成長率も長期に渡って低迷し、物価はさほど上昇しなかったので、インフレヘッジとして資産を増やす必要性が乏しく、結果「それなら元本確保の預金にして置いておくほうが安心」という意向が働いてしまいました。そのため、多くの富裕層が運用への関心を失ってしまいました。外資のプライベートバンクの大半が日本から撤退したのも、こういったことが背景にあると思います。

破壊的な社会構造の変化対応には、ビジョンを共有できるパートナーを

——それでは、このままでいいのでしょうか。

今回のコロナショックは経済や社会の仕組みを大きく変えてしまう破壊力を持っています。常に万全な管理と的確な運用が求められる金融資産のみならず、企業オーナーをはじめとする富裕層の方々にとって守るべき多くの資産、例えば、企業の経営のみならず、従業員や家族の健康までもが脅かされています。それらを、今どう守っていくのか、そしてアフターコロナの経済社会にどのように備えていくのか、そのような大きな環境の変化を受けて、ウェルス・マネジメントの重要性は従来に増して高まっていると思います。価値観や理想は人それぞれ違います。こうありたいとの想いをビジョンとして共有でき、お一人では手が回らない課題についてはサポートが期待できる、そんなパートナーの存在があってもいいと考えます。

また、こんな変化の激しい時代には、セカンドオピニオンもお求めになることも、意思決定には有益かも知れません。

——資産運用の際に、考えるべきポイントを教えてください。

やはりキーワードは「分散投資」です。例えば輸入依存度の高い日本での生活は為替レートに大きな影響を受けます。もし資産が円だけだと円レートが下落すれば、コストアップや実質的な資産価値の減少などのリスクが顕在化します。こういったリスクを抑制するためには、円だけじゃなく、例えばドルやユーロ、さらにはその他の通貨を持つという分散がまずは必要です。さらに、日本だけで資産を持っていると、万一財政破たんや大きな災害が起きれば資産全体がダメージを受けてしまう可能性もあります。やはり複数の国で分散して資産を持っておくことも必要です。

もう一つの分散のポイントは「時間分散」です。この時間分散には、長期で運用成果を評価するという意味と、投資するタイミングの巧拙という2つの意味があります。時間を味方にするのは、資産運用についてはとても大事なことです。一般に投資判断は悲観や高揚といった感情に左右されやすいと言われます。ご専門のジャンルではない課題は、専門家に任せる。例えば、あのマイクロソフト社の創業者で世界でも指折りの資産家であるビル・ゲイツ氏は、資産の過半を信用できる、同じビジョンを有する運用会社に任せておられます。

また、富裕層の方々の中にはご自身の成功の感謝の気持ちを込めて「社会貢献」したい、自分が存在したことを社会に結果として残したいという思いを持っている方が多く、寄附やフィランソロピーへのご関心も高いです。先ほどのビル・ゲイツ氏など世界の富裕層は、資産運用も単に増やす目的だけではなく、ファンドを通じた資金提供で企業を応援したり、収益金の一部を寄附したりと、投資を社会のために役立てていますよね。

——ウェルス・マネジメントでは実際どのような相談があるのですか。

我々が一番初めにお客様と話をするのは「ビジョン」についてなんです。会話の中で、一つずつ大切なものについてどうしたいかを徹底的にお伺いします。ビジョンをしっかり共有できていれば、まだお客様がお気づきでないニーズやそれに対するソリューションを提供することができます。UBS SuMi TRUSTでは、お客様との窓口を一本化することに拘りました。異なる会社の複数の担当者ではそのサービスは各社が自社商品を販売しようとするプロダクトアウト型の提案になりがちだからです。UBS SuMi TRUSTのウェルス・マネジメントは、お客様を深く理解し、ビジョンを共有させていただくことで、真に求めておられるニーズを察知し、UBSと三井住友信託銀行が総力を結集しお客様に相応しい商品・サービスをオーダーメイドでご提案いたします。日本にUBS SuMi TRUSTがあってよかったと感じて頂けるような商品・サービスをご提供したいと考えております。

※本記事の記載内容は、記事作成時点(2020年5月1日)の情報に基づきます。詳しくは本ウェブサイト下部に記載の留意事項をご確認ください。

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