広告特集 企画制作:朝日新聞社メディア事業本部
PR:JADEC(公益社団法人日本糖尿病協会)
提供:⽇本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

11月14日は「世界糖尿病デー」
気をつけるべき糖尿病の合併症・併存疾患。
治療に大切な心臓・腎臓との関係性

Profile

日本糖尿病協会 理事横浜市立大学附属病院 
内分泌・糖尿病内科 
診療科部長/主任教授 寺内 康夫先生

てらうち・やすお/1988年東京大学医学部医学科卒業。2005年より横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学教授。専門は糖尿病学。主な受賞歴は、日本糖尿病学会リリー賞、日本内分泌学会研究奨励賞、ベルツ賞(他5名の共同受賞)。現在、日本糖尿病協会 理事、日本糖尿病・肥満動物学会 理事長、日本糖尿病医療学学会 代表理事、横浜市立大学 医学部長・医学科長。

Profile

株式会社スードリー代表取締役(元テレビ朝日アナウンサー)前田有紀

まえだ・ゆき/フローリスト。1981年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。株式会社テレビ朝日にアナウンサーとして10年間勤務。退社後、2013年にイギリス留学。コッツウォルズ・グロスター州の古城で見習いガーデナーとして働き、都内のフラワーショップで3年の修業を積む。18年に株式会社スードリーを設立し、自身のフラワーブランド「gui」を立ち上げる。21年4月、東京・神宮前に花屋「NUR」をオープン。

毎年11月14日は、「世界糖尿病デー」です。
糖尿病のある人が、適切な治療をせずに放置していると、知らず知らずに血管を傷つけ、さまざまな合併症や併存疾患を併発する可能性が高くなります。
合併症・併存疾患を予防するためには、どうするべきか。糖尿病治療を行う上で考慮すべき「心臓」「腎臓」と糖尿病の関係性とは。また糖尿病のある人が偏見なく、自分らしく生きられる社会にするためには、どういう社会にしていくべきか。糖尿病治療の第一人者で、横浜市立大学附属病院の寺内康夫先生に、元テレビ朝日アナウンサーの前田有紀さんが伺いました。

血糖値が高い状態は血管を傷つけ、
合併症・併存疾患のリスクを伴う

糖尿病とは、どのような病気で原因は?

前田さん:糖尿病とはどのような病気なのでしょうか?またその原因は何でしょうか?

寺内先生:じつは糖尿病は血液の状態が変わる病気です。
糖尿病には、1型、2型のほかに糖尿病の原因遺伝子が同定されるなどによって、原因が特定されるケースの、「その他の特定の原因による糖尿病」があります。食べ物をたべるとブドウ糖が体内に取り込まれます。そのブドウ糖がすい臓から分泌されるインスリンの働きにより、エネルギーとして吸収されるわけです。ですがインスリンの働きが弱いとブドウ糖(血糖)が上手く吸収できず、血液中に糖があふれた状態になります。血液内が高血糖になった状態を糖尿病といいます。またこの一連の営みを「代謝」といいますが、インスリンの働きが弱く「代謝」の働きに障害を生じるため「代謝疾患」の一つであるともいえます。

糖尿病のリスクとは?

前田さん:血液の状態が変わる病気なのですね、糖尿病になると、どのようなリスクがあるのでしょうか?

寺内先生:高血糖状態が続くと全身の血管が傷つけられ、さまざまな合併症・併存疾患が引き起こされるリスクが高まります。なぜ、高血糖状態が血管を傷つけるかというと、血液中に増え過ぎたブドウ糖が、血管の壁にある内皮細胞に入り込み、活性酸素を発生します。その活性酸素により血管を傷つけてしまうというわけです。

前田さん:高血糖状態が、血管を傷つけてしまうことで、さまざまな病気を引き起こすリスクが上がってしまうのですね。先生、合併症という言葉は聞いたことがあったのですが、併存疾患とはどのようなものでしょうか?

寺内先生:合併症は「糖尿病があることで起こる別の病気」です。一方、併存疾患は「糖尿病でない人でも発症する病気」を指します。

前田さん:具体的には、どのような合併症や併存疾患があるのでしょうか?

寺内先生:「合併症」は細い血管が傷ついた場合に引き起こしやすくなります。腎障害(腎不全)や、網膜症、神経障害などが該当します。「併存疾患」は太い血管の動脈硬化により血管が細くなることで起こる病気がそれにあたります。高血糖により太い血管が傷つき、傷ついたところがプラークと呼ばれるかたまりになると、血流が悪くなります。また、そのプラークが大きくなり破裂すると血栓ができ、血管が詰まってしまいます。血管が詰まった状態が続くと脳梗塞や心筋梗塞、心不全といった「併存疾患」を引き起こすリスクが高まります。

太い血管が傷つくと…

脳梗塞や心筋梗塞などが
起こる可能性が高まります。

傷ついたところにコレステロールなどがたまり「プラーク」ができ、プラークが破裂すると…

細い血管が傷つくと…

網膜症や腎障害、神経障害などが
起こる可能性が高まります。

糖尿病治療における
「心腎代謝連関」という考え方

臓器に悪影響も?

前田さん:糖尿病は、心臓や腎臓といった重要な臓器に悪影響を及ぼす可能性もあるのですね。

寺内先生:はい。心臓と腎臓は互いに密接な関係を維持して合併症・併存疾患を発症します。心臓は全身に血液を送るポンプのような働きを持つ重要な臓器であり、この心臓が心不全を起こし症状が悪化すると自宅での日常生活を継続することが困難になる可能性や、入院治療が必要になるリスクもあります。

一方、腎臓の最も重要な役割は老廃物などの不要なものをろ過し、尿を作り排出することです。この働きを担うのが腎臓内部の糸球体です。糸球体は細い毛細血管でできており、糖尿病によってこの毛細血管を傷つけ、腎不全を引き起こすリスクがあります。悪化すると、人工透析が必要となる可能性もあります。心臓と腎臓は、働きが異なる臓器ですがこの2つの臓器は密接な関係であることが分かっています。心臓も腎臓も我々にとって極めて重要な臓器なので合併症・併存疾患を予防することが重要になってくるというわけです。

糖尿病のある人における腎障害の合併率

(日本人2型糖尿病のある人:n=8,897)
※微量アルブミン尿、顕性タンパク尿、腎不全、透析導入を含む

対象:2003年に2型糖尿病と診断され、2004年1月-2005年7月に診療を受けた日本人で2型糖尿病のある人8,897例

方法:対象患者の腎機能をACR、血漿中クレアチニン濃度、透析治療の有無で評価し、正常・微量アルブミン尿・顕性タンパク尿、腎不全、透析導入に分類し集計した。

Yokoyama H, et al. Diabetes Care 30: 989, 2007より作図

心臓が悪くなると腎臓も悪くなる?

前田さん:心臓と腎臓、そして糖尿病のような「代謝疾患」は相互に影響を及ぼし合っているのですね。
心臓が悪くなると腎臓も悪くなってしまうのでしょうか?

寺内先生:糖尿病の有無にかかわらず心臓と腎臓は、「心腎連関」という相互影響を及ぼす関係にあることがわかっています。例えば、心臓の働きが低下すると腎臓へ流れる血液が減り腎臓の働きが低下する、またはうっ血により、腎臓から血液が出ていきにくくなることで、腎機能が低下することがあります。

前田さん:糖尿病になってしまうと、「心臓」や「腎臓」などに悪影響を及ぼす合併症・併存疾患は避けられないのでしょうか?

寺内先生:糖尿病の治療法は日々進歩していて、これらの合併症・併存疾患を予防し、糖尿病の無い人と同じような生活を目指すことが可能です。もし糖尿病と診断された時には、適切な治療をしっかり続けていただく事が何より大切になってきます。

糖尿病のような「代謝疾患」と「心臓」「腎臓」の疾患は深い関係性にあり、どれかひとつの機能障害が他の疾患への複合的な影響をもたらすと考えられています。糖尿病治療にあたっては普段の良好な血糖マネジメントに「心腎連関」を加味した「心腎代謝連関」を意識していただくことが重要だと思います。

※血液の流れが体内で滞ってしまうこと

心・腎・代謝疾患は、
相互に臓器・疾患へ影響を及ぼし悪循環を招く

糖尿病治療のために欠かせない
「血糖マネジメント」

糖尿病治療では何が重要に?

前田さん:糖尿病の治療を受ける上では「心腎代謝連関」が重要な考え方だということがよく理解出来ました。その他に糖尿病治療において、重要になってくることがあれば、教えていただけますか?

寺内先生:糖尿病の治療において、食事と運動、そして薬物療法が、血糖マネジメントのための三本柱として重要になってきます。食事では総エネルギー量と脂肪の取り過ぎに注意しながらバランスよく食べることが大切です。

食べるスピードが早いと一気に血液中に栄養素が流入するため、血糖値が上がりやすくなります。ゆっくりよく噛んで食べるように心がけましょう。また食べる順番もまずは野菜、次に肉や魚、それからごはんなどの炭水化物を摂る方が血糖値は上がりにくくなります。

前田さん:食べる順番を変えるということも重要なのですね。

寺内先生:心がけていただくだけでも違うと思います。次に運動です。血糖値を上昇しにくくするだけでなく、他の病気にかかるリスクを減らしたり、筋力をつけたり、健康面で多くの利点があります。なかなか習慣化できないという声をよく耳にしますが、ラジオ体操や筋トレ、ウォーキングなど毎日の習慣にできることを取り入れていくことが要重です。このような対策は、血糖値だけでなく血圧や脂質、体重の数値改善にもつながり、合併症・併存疾患予防にも役立ちます。

最後に薬物療法についてです。食事療法や運動療法だけでは、血糖値をうまく抑えられない場合に行います。薬物療法には、インスリンなどの注射療法と、飲み薬による治療法の2つがあります。ただし、薬が処方された後も、基本の食事療法と運動療法は必ず続けることが重要になってきます。

糖尿病治療について知っておきたいこと

合併症・併存疾患予防のためには
食事・運動療法等を基本とした血糖マネジメントに加えて、
合併症・併存疾患リスクにも備えた治療への取り組みが大事です。

食事療法

運動療法

薬物療法

糖尿病の治療の基本は食事・運動療法です。

また、さまざまな種類のお薬があり、医師は患者さんの病態に合わせて処方します。
薬を正しく服用していたとしても、
基本の食事療法と運動療法は必ず続けることが重要となります。

糖尿病は、
誰しもがなる可能性のある疾患

食事と健康に気を付けていれば大丈夫?

前田さん:「食事」「運動」「薬物療法」の3本柱、覚えておくように致します。治療について伺いましたが、そもそもの糖尿病の発症についても、お伺いしてもいいでしょうか。普段の生活から食事と健康に気を付けていれば、糖尿病は防げるものなのでしょうか。

寺内先生:もちろん発症については、食生活も影響することもありますが、糖尿病になる要因はさまざまで、食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。発症年齢もさまざまです。40歳を過ぎてから発症する方が多いですが、若い方でも発症することがあります。

2型糖尿病の発症について
・遺伝性による場合があり、糖尿病のある人のご家族には、糖尿病の検査をすすめることもあります。
・ご家族に糖尿病のある方がいなくても発病することがあります。

糖尿病は誰しもかかる可能性?

前田さん:「生活習慣に気をつけていても、糖尿病は誰しもがかかる可能性がある」ということでしょうか。

寺内先生:はい。誰しもがかかる可能性のある病気です。現在日本には、糖尿病がある方とその予備群は2,000万人以上で、身近にある病気です。誰がなってもおかしくはないです。そこで重要になってくるのは、糖尿病に対する正しい知識を持ち、対処していくことです。かならずしも、生活習慣が良くないからといって、糖尿病になるわけではないです。体質も大きく影響すると言われています。原因はさまざまなので、糖尿病がある方が肩身の狭い思いをしない世の中になって欲しいと強く願っています。

※体質による影響について
・食生活が乱れていても糖尿病にならない方
・体質のためにインスリンが出にくく、血糖が上がりやすい方
・筋肉が少なくて高血糖になってしまう方 など

糖尿病のある人が
自分らしく生きられる社会へ

糖尿病への偏見とは?

前田さん:糖尿病は、誰しもがかかる可能性のある病気であれば糖尿病のある方が肩身の狭い思いをしない社会になって欲しいですね。ですが実際には、糖尿病のある方に対しての偏見もあると聞きます。生命保険に加入しづらいといった話を聞いたことがあります。

寺内先生:仰る通り生命保険に加入できなかったり、住宅ローンを断られたりということもあります。また、就職試験や昇進において、糖尿病であることはいまだに不利になる現実があります。こうした背景には高度経済成長期は、糖尿病の治療が今のように進んでいなかったため、合併症・併存疾患で亡くなる人が多くいました。そのため糖尿病=不治の病というイメージが定着してしまったからだと思われます。ただし、現在は治療も進歩し、糖尿病のない人と変わらない生活を送ることも可能になっています。今こそ、このようなイメージを変える必要があると思っています。

日本糖尿病協会の活動とは?

前田さん:日本糖尿病協会では、糖尿病に対する誤ったイメージを減らすためにさまざまな活動をされていると伺いました。どのような内容か具体的に教えていただけますか。

寺内先生:日本は国際的にみて、糖尿病をもつ人に対する社会的偏見「スティグマ」が強いです。
その最たる理由が「糖尿病」という名称であり、この病名はそろそろ変えるべきではないかとの議論が専門家の間で行われています。日本糖尿病協会でも、「糖尿病」の名称の変更について、具体的に検討しています。

さらに、糖尿病領域の医療用語を見直し、糖尿病のある人に配慮した言葉の使用を推進する活動にも取り組んでいます。