無理なく、楽しく、SDGsに貢献できるのがうれしい
"脱炭素"を数値化で見える化した「デカボスコア」が登場!(後編)
「デカボスコアのついた商品が増えると、買い物の楽しみが広がりますね。」と語る料理家のワタナベマキさん。さっそく、お気に入りの傘を見つけました(傘の詳細は後半に)。
地球温暖化に大きく影響する二酸化炭素の排出量。その削減率を数値化した新しい指標として「デカボスコア」が生まれました。前編では「デカボスコア」がどのような指標かを教えていただきました。後編では、どのように算出されているのか、どのような商品やサービスに表示されているのか、料理家のワタナベマキさんが「デカボスコア」を生み出した関根澄人さんに聞きました。
(撮影:河内 彩<人物>/取材・文:角田奈穂子/構成:ボンマルシェ編集部)
お話をうかがったのは……
ワタナベマキ さん
料理家

わたなべ・まき 旬の素材を大切にした作りやすいレシピ、センスあふれる盛り付けや器選びが人気。最新刊は初のパーソナルマガジン『MAKI'S DAILY DISH』。
教えてくださったのは……
関根 澄人 さん
Earth hacks プロジェクトマネージャー

せきね・すみひと 学生時代から環境問題を伝えていくことを仕事にしたいと思い博報堂に入社。2020年よりミライの事業室ビジネスデザインディレクター。現在、三井物産に出向中。
「デカボスコア」がCO2削減に役立ちたい気持ちを後押し
ワタナベさん:前編では、CO2(二酸化炭素)の排出量に、私たち生活者の暮らしが大きく影響していること、主体的にCO2削減に関わることの大切さを教えていただきました。そのための指標として「デカボスコア」はとても参考になるんですね。
関根さん:その通りです。「デカボスコア」の有無で消費行動が変わるかどうかを、以前実施したイベント参加者50名程度に対して検証してみたことがあります。「デカボスコア」が表示されていると、約70%の人が価格が10円高くても、CO2削減になるラベルレスを購入していました。
ワタナベさん:お財布が許す範囲なら、「環境に役立つほうを選ぼう」と考える人が多いんですね。その気持ち、私もよくわかります。「デカボスコア」は、「CO2e 28%off」や「Co2e 59%off」というように数値で表示されていますが、どのように算出されているのですか。
関根さん:スウェーデンの「Doconomy」(ドコノミー社)などのCO2排出量可視化サービスを使い、従来の素材や手法で作られた製品と比較したCO2削減量を商品やサービスごとに算出しています。リサイクル素材を使っていたり、長く使い続けられたりする工夫があると、数値が高くなります。
「デカボスコア」で変わる買い物と生活のスタイル
ワタナベさん:商品やサービス例を具体的に教えていただけますか?
関根さん:私が今日、持参した黒シャツが、じつはそうなんですよ。衿が黄ばんだ白シャツを黒紋付の専門店「京都紋付」さんに黒く染め直してもらったんです。新品を買うよりCO2削減になるので、「デカボスコア」は44%オフになりました。
環境へ貢献できたこともうれしかったですし、妻がプレゼントしてくれた愛着のある品だったので、家族の絆がさらに深まったようで、美しく仕上がった黒シャツを見たときは、感激しました。
「K」KUROZOME REWEAR FROM KYOTO(京都紋付)
洋服を京黒紋付染の染め替え技術で蘇らせるサービス。写真は、黒をより黒くする独自の「深黒加工」で染められた、関根澄人さんのシャツ。「もとは白シャツ。10年以上着て、えりが汚れていました」とか。
CO2排出量
ワタナベさん:「京都紋付」さんの伝統的な染色技術が生かされていることも、素敵です。「デカボスコア」を通して、今まで生活者に見えにくかった企業努力が「見える化」されたんですね。
私の仕事でも、調理器具のなかには、包丁のように研ぎ直したり、修理しながら長く使い続けるものが多くあります。そういう商品が「デカボスコア」で、どれくらいCO2削減に役立っているかがわかると、よりいっそう愛着が増しますね。
関根さん:他にも今回、ご紹介したように、竹を素材にしたタオル、エアバッグやシートベルトなど車の廃材を活用したバックパックなど、ユニークで魅力的な商品がいろいろあります。「デカボスコア」は始まったばかりです。今後、参加してくださる企業や組織を増やしたいですし、生活者の皆さん自身が発信できるサービスも提供していきたいと考えています。
初肌(UIHADA)
竹のやわらかミニバスタオル(ethical bamboo)
成長が早く循環性資源の竹を100%素材にしたシルクのような肌触り。綿の2倍の吸水力。
CO2排出量
Backpack(AIRPAQ)
エアバッグやシートベルトなどの車の廃材を活用したドイツブランド。一つひとつ仕上がりが違うのも魅力。
CO2排出量
漆と木のストロー(堤淺吉漆店)
伐採した木材の端材に漆を塗り、耐久性と抗菌性を高めた、山林保護と日本の伝統技法の合わせ技ストロー。そうじブラシつき。
CO2排出量
CANOE CHAIR/カヌーチェア(gleam)
カヌーの廃材をデザインに生かした椅子。廃材だからこそ世界に一点しかない家具に。
CO2排出量
UCC BLACK無糖 コーヒー(UCC上島珈琲)
生産工場の動力に太陽光発電エネルギーを活用。コーヒーの焙煎・抽出で生まれるかすを燃料として利用。
CO2排出量
リペット ミニ(U-DAY)
廃ペットボトルを再資源化した再生生地で作られた晴雨兼用傘。風速15m/sに耐えられ、紫外線を98%カット。
CO2排出量
現在、トヨタさんやUCCさん、日本航空さんなど、国内外の約30の企業とブランドが参加してくださっている、私たちのプロジェクト「Earth hacks(アース ハックス)」のサイトには、「デカボスコア」への理解が深められる情報や「デカボスコア」商品が購入できるオンラインストアがあります。ぜひアクセスしてみてください。
ワタナベさん:今までCO2削減といえば、ゴミを減らすとか、環境によいものを買うことで貢献できると考えてきました。でも、「デカボスコア」があると、もっと行動の幅が広がりそうです。
たとえば、野菜をそのまま炒めるのと、先に塩をふってしんなりさせてから炒めるのでは、加熱時間が違います。ということは、CO2排出量も違ってくるはず。「デカボスコア」の視点が加わると、レシピ作りにも新しい発見がいろいろありそうです。「デカボスコア」の未来にワクワクしてきました。
提供:Earth hacks
