Life Style
2022.01.19

ボンマルシェアンバサダーが編集部の取材に参加
アート&トーク「素敵な暮らしを楽しむデザイン」

「SARUYAMA」で。喜多さん(中央)、ボンマルシェアンバサダーの淀川さん(右)、前川さん(左)
「SARUYAMA」(1989年:イタリア・モローゾ社)/プロトタイプは1967年制作)

ボンマルシェ1月号の特集の取材には、アンバサダー2名にご参加いただきました。兵庫県西宮市大谷記念美術館で開催した「喜多俊之 TIMELESS FUTURE」(現在、展覧会は終了)を訪れたのは、はるばる東京からお越しくださった淀川知子さん(上写真右)と、ご夫婦で美術館を巡ることもあるという、大阪在住の前川千香子(上写真左)さんです。日本を代表するプロダクトデザイナー・喜多俊之さんの作品とデザインに対する熱い想いを、ご本人から直接うかがいながら展覧会を鑑賞するという、とても貴重なひとときでした。※撮影時のみマスクを外しています。

(撮影:久保田孤庵/取材・文:木佐貫久代)

喜多 俊之 さん
大阪芸術大学教授・プロダクトデザイナー

きた・としゆき 1969年よりイタリアと日本で活動開始。液晶テレビ「AQUOS」を始め、家具、 家電、家庭用品など分野を超えてデザイン。世界中の美術館 に収蔵作品多数。伝統工芸や地場産業を活性化する活動 に尽力。大阪芸術大学デザイン学科で教鞭をとる。

喜多さんご本人のアーティストトークとともに作品鑑賞

美術館のエントランス中央に置かれた赤いソファー「SARUYAMA」(1989年)は、喜多さんが、世界的デザイナーとして注目される契機になったともいえる作品の一つ。実際に座れて、「横になったり、寝転んだりしてみたい!」(前川さん)と思わせる心地よさや自由さが感じられます。

日本の食事をよりよく楽しめるようにデザインされたカトラリーの展示。パスタフォークは「4本歯では大きすぎて口の周りが汚れるので、パスタを巻きやすく食べやすいように日本人の口に合わせて3本歯にしました」と、喜多さんがイタリアでの食事シーンがデザインのヒントとなったことを披露。「フォークの歯の本数なんて、考えたこともなかったです!」と前川さんは驚きの様子。

18種あるカトラリー「XELA」(2005年)

補助ハンドルをつけた踏み台「HANDLESTEP」や、穴のあいた中子を入れて節水できるパスタ鍋「LACENA」などの家庭用品に、「使う人へのやさしさがありますよね。それでいて、見た目はスタイリッシュ」と淀川さん。穴の開いた中子を引き上げるだけで茹でたパスタや野菜が取り出せたらどんなに楽しいだろうと思って。世界で初めて量産に成功した製品なんですよ」という喜多さんの解説に、お二人とも深くうなずいていました。

補助ハンドルつき踏み台「HANDLESTEP」(2010年)
「LACENA」(1983年/1984年グッドデザイン賞受賞)

輪島塗りの「WAJIMA」(1986年)はボウルが入れ子になっていて、漆塗りの重厚さとともに収納しやすさも魅力。「伝統工芸品は過去の人たちの工夫やセンスがつまった、想いの賜物。それらを今の暮らしの中で使って、残し、未来へつなぐことが大事なのです」との喜多先生のお話に、「手入れが難しく贅沢なものと思っていましたが、使ってみたいです!」と前川さん。

輪島塗りの匠の技を生かした入れ子の漆器「WAJIMA」。
喜多先生のお話に編集部もアンバサダーも気づきがたくさん!

竹や杉、水草「HOTEI」など、自然素材を有効活用した作品も多数並びます。「HOTEI」の素材のウオーターヒヤシンスは成長が早く、放っておくとみるみる水面を占拠してしまうタイにおいては公害指定植物です。環境と未来、エコロジーの視点からデザインしました」という喜多さんの解説に、淀川さんは「まさにSDGsですね!」。

タイの公害指定植物、ウオーターヒヤシンスを編んだ椅子「HOTEI」(2010)

約20脚の椅子が並ぶ展示室。展示作品は見るだけでなく全部座れるシステム! 「どうぞどうぞ、座ってみてください!」という喜多さんの言葉に、淀川さん、前川さんも腰をかけたり、手で触れたりと体感。淀川さんは「いろんな素材や形の椅子があって……私は『SONG』(1996年)が気に入りました。スピーカーが内蔵された椅子にビックリ! 音楽が耳元で包み込むように流れてリラックスできます」と。お二人とも一つひとつ、すべての椅子を楽しみました。

およそ20種類の椅子に座って体感できる、画期的な展示。

アーティストご本人と座談会
「素敵な暮らしを楽しむために」

展覧会を喜多さんの解説とともにじっくりと鑑賞した後は、「素敵な暮らしを楽しむデザイン」をテーマに、座談会も行われました。「日常の住まいが人生の舞台! 人が集まる家庭でのコミュニケーションをより楽しむためにデザインがあるんです。使うのは人だからこそ、その人への思いやりがものづくりの土台なのです」と喜多さん。その言葉に「作品やお話を通じて本当に、喜多先生の温かな心に触れ、これらをヒントに生活を心豊かにしたいです!」と淀川さん。前川さんも「貴重な経験でした。自分のいる空間をもっと、もっと大事にしたいと思いました」と話し、「まずはお皿一枚からでもきちんと想いのあるものを取り入れたいです!」と。

アンバサダーお二人にとって、明日からの素敵な暮らしのための発見がたくさんあった鑑賞会となったようです。

「思いやりがモノづくりの土台なんですね」(淀川さん)。「貴重な体験でした。自分のいる空間を大切にします」(前川さん)

最後は、全員笑顔で記念撮影。展覧会図録に喜多さんのサインもいただき、和やかなムードで終了。ご参加くださったお二人には、後日、編集部に感想もいただきました。「相手を思う気持ちが発想の原点にあるというお話が印象に残り、私も心が豊かな暮らしを心がけていきたいと思いました」(淀川さん)、「生活を見直すきっかけにもなりました。新聞から楽しく情報を受け取っていた自分がまさか参加できるとは。本当に素敵な体験をありがとうございました」(前川さん)。編集部メンバーも、アンバサダーさんと久しぶりにリアルな交流が実現して、とてもうれしく思いました!取材を通して前川さん、淀川さんとご一緒に学んだことを参考に、これからも「素敵な暮らし」や「心豊かに暮らす」ヒントを読者の皆さまにお届けしてまいります!