「コアラのマーチを食べたことありますかー?」。先生の声かけに、「ある!」「大好き」「昨日も食べた!」と元気に返事をする子どもたち。授業はそんな和やかな雰囲気でスタートした。
まずは、発売60周年を迎えた「ガーナチョコレート」の製造工程の動画を上映しながら、研究担当の赤塚先生が「チョコレートができるまで」を解説していく。アフリカ・ガーナで採れたカカオ豆が板状のチョコレートになるまでの工程をじっと見つめる子どもたち。
その後、先生が取り出したのは、子どもの顔ほどの大きさの「カカオポッド」。カカオポッドとは、カカオの実のこと。ラグビーボール状の実の中に果肉があり、さらに内部の種子がチョコレートの原料となるカカオ豆になる。
先生が子どもたちの目の前でカカオポッドを割って内部を見せると、大きな歓声が上がった。「納豆みたい」「オクラみたい」「これ食べられるの?」と、みんな興味津々。カカオ豆の皮(カカオハスク)を飼料や肥料としてリサイクルするロッテのエコ活動などについても、詳しく紹介された。
続いて、マーケティング担当の金田先生が環境保護活動について解説。ロッテでは、日本政府が掲げる「2050年までにカーボンニュートラルを達成する」という目標に向けて、さまざまな取り組みを行っている。その一つが、「エネルギー起源CO₂排出量を28年までに23%以上削減する」というもの。この取り組みをスタートした19年度と比較して、23年度時点ですでにCO₂排出量17%の削減を実現したという。
このエコ活動は、「コアラのマーチ」にも関連するということで、同商品の製造工程を動画で説明。身近なお菓子がテーマなだけあって、少し難しい話もみんな楽しそうに聞き入っていた。ここから主題となる環境保護の取り組みについての解説へ。「お菓子って環境の話題から遠いって思っているよね? でもそんなことはないんです」
「コアラのマーチ」のパッケージは古紙が再利用されていること、商品を束ねるトレーに使う紙を1年間で東京ドームの面積で約1.3個分削減したことなどが紹介されると、子どもたちの表情も真剣に。さらに配送時に使う段ボールの重量を減らすことで、物流側のトラックが排出するCO₂を削減する取り組みなどがスライドで丁寧に説明された。
授業の最後のテーマは、コアラ保護の取り組みについて。コアラの好物や普段の生活の紹介に続いて、野生のコアラが直面している自然環境の課題に関する話題へ。19年8月から20年3月にかけて、コアラがすむオーストラリア東南部で大規模な森林火災が発生。日本の約半分にあたる面積の森林が燃えた。このとき、多くの野生のコアラも火災に巻き込まれたという。
「こうした野生のコアラの現状を多くの人に知ってもらうことも『コアラのマーチ』開発チームの役割だと思っています」と力説する金田先生。
ロッテは、94年から「オーストラリア・コアラ基金」を支援している。この基金は、コアラの生息地調査やコアラの餌であるユーカリの植樹活動などに役立てられているといい、「コアラのマーチ」のパッケージを見ると同基金のロゴマークを探すことができる。
普段何げなく食べている「コアラのマーチ」を起点に、環境問題や企業のエコ活動を知った子どもたち。地球環境についてグローバルな視点で考える貴重な機会になった。
参加した4年生は、「総合的な学習の時間」を使って、環境新聞を作成しています。節電、節水、ゴミ拾いなどの活動に加え、今回の地球教室の体験も記事化する予定です。ロッテのみなさんのように、環境保護の「行動」をしっかり「発信」にもつなげていきたいと思います。
年間を通して、子どもたちが地球の課題を知る機会となる体験型の授業を実施しています。今回の地球教室でも活躍する社会人から直接、環境保護への取り組みを聞き、子どもたちも多くの発見があったはずです。これをきっかけに地球の未来について自分なりに考えてほしいと思います。
左は、「オーストラリア・コアラ基金」のロゴマーク。世界20カ国以上で販売されている「コアラのマーチ」のパッケージすべてに印刷されている。右は、地球環境を守る「SAVE THE EARTH コアラ」。このほかに「残さず食べようコアラ」「エコバッグコアラ」などのサステナブルを意識した絵柄もある。



似内裕一さん