「アルミニウムという素材のことを、みなさんは知っていますか?」。そんな問いかけから始まったUACJの出張授業。まずは、SDGsにも貢献する「軽くて強い」という特長について学んだ。
例えば自動車は、車体を「軽く」したほうが、走行時に使うエネルギーは少なくて済む。一方で、安全面では「強さ」も譲れない。だからこそ、軽くて強いアルミニウムが環境にやさしい車づくりに生かされているのだという。
「ここでクイズです。アルミニウム、鉄、銅ではどれが一番軽いでしょう?」。予想を終えた後で配られたのは、3種類の金属でできた立方体だ。順番に手に取り「全然違う!」と子どもたち。鉄や銅の約3分の1のアルミニウムの軽さを体感した。
続いて、代表の児童2人がアルミニウムの強さを比べる実験に挑戦。一人は〝ほぼアルミニウム100%でつくられた棒〟を、もう一人は〝アルミニウムに他の金属を少量加えてつくられた棒〟を持ち「せーの!」で力を加える。すると、〝ほぼアルミニウムのみの棒〟はぐにゃりと曲がったが、もう片方はまったく変形しない。アルミニウムは、他の金属を少量加えることで、強度が増すことが分かった。
授業の後半では「リサイクルの優等生」という特長に着目。比較的低い温度で溶かせるアルミニウムは、リサイクルに使うエネルギーが少なくて済むのだそう。さらに、原料であるボーキサイトから新たにアルミニウムをつくるのに必要なエネルギー値を100%とすると、リサイクル時に必要なエネルギーはたった3%に抑えられる。続けて出題されたクイズは「日本のアルミ缶のリサイクル率は?」。正解は「約98%」と明かされると、「えー!」と驚きの声が上がった。
さらに、アルミニウムで電池をつくる実験や、熱伝導率について学べる実験も。異なる素材の皿に氷を置いて熱伝導率の違いを比べてみると、最も早く氷が溶けたのは、アルミ皿。「この特性を生かして、エアコンの熱交換器などにもアルミニウムが使われているんですよ」。クイズや実験を通して、知らなかったアルミニウムの特長を楽しく学ぶことができた。
授業に加えて、栃木県にある「UACJ小山製作所」を訪れたのは、小山市立若木小学校の子どもたち。主にアルミニウムの棒材・管材・形材を製造する巨大な工場内を見学した。
最初に、アルミニウムの地金を高温で溶かして鋳造する工程へ。原料をリサイクルする現場も知ることができた。続いて、押出の工程。約500度に加熱されたアルミニウムが、金型を通して棒状になって押し出されていく。最後は、曲がりなどを矯正するストレッチャー作業を見学。13メートルほどの棒材を300トンの力で引き伸ばす巨大な機械の前では、大きな歓声が上がった。
日頃目にすることのない様々な設備をじっくり見学した子どもたち。身近な素材・アルミニウムへの関心がより一層高まったに違いない。
さまざまな実験に目を輝かせる子どもたちの姿が印象的でした。研究開発に取り組む方々に話を聞き質問できた経験も、いい刺激になったようです。出張授業での学びをきっかけに、子どもたちにはSDGsについて自ら考え、発信していく力を育んでほしいと思います。
知識を得るだけではなく、環境問題に向けて具体的な行動を起こしていくことが最終的なゴールだと考えます。学校としても子どもたちの継続的な学びをサポートしていきたいですね。まずは今回の学びや気づきについて学年を超えて発表する機会を設ける予定です。
参加した6年生は、5年生の頃から探究学習で「環境」について調べていました。今回、UACJさんの地球環境に配慮した仕事現場を見学したことで、インターネットで調べた環境問題をよりリアルに感じるとともに、リサイクルの実態を知る良いきっかけになったと思います。
アルミニウムの特長を生かして、車のボディに使ったり、アルミ缶を再利用することで、地球にやさしいエコ活動につながる。



新井佳代子さん