同志社女子大学
生活科学部食物栄養科学科
食品機能学研究室教授 薬学博士
杉浦 実
(すぎうら・みのる)先生
柑橘類の中でも特にみかんに多い成分
私が長年取り組んでいる栄養疫学調査において、数ある柑橘類の中でも特にみかんにはβ-クリプトキサンチンという成分が多く含まれており、「みかんが健康に役立つ」と言われる大きな一因として考えられることがわかってきました。
β-クリプトキサンチンは、みかんの橙色の元となるカロテノイド色素の一種です。皆さんは、みかんをたくさん食べて手が黄色くなった経験はありませんか?個人差はありますが、実はこれは、β-クリプトキサンチンが体内に吸収・蓄積された結果なのです。
骨粗しょう症リスク軽減と血圧を下げる機能にも注目
現在、β-クリプトキサンチンを一定量以上含むみかんを食べると、骨粗しょう症の発症リスク軽減に役立つことがわかっています。骨粗しょう症は、骨代謝のバランスが崩れることによって生じる疾患ですが、β-クリプトキサンチンが骨代謝を整え、骨粗しょう症発症リスクの低下に一役かっているのです。また、みかんに豊富なビタミンCは骨の柱となるコラーゲンの生成に不可欠な栄養素ですから、その相乗効果も見逃せません。β-クリプトキサンチンは、他にも糖尿病リスクや動脈硬化リスク、脂質代謝異常・肝機能異常などの生活習慣病予防との関連についても研究が進んでいます。
さらにみかんには、血圧調整の効果が認められている栄養成分・GABAも含まれています。これは本来、野菜や果物に多く含まれているアミノ酸の一種です。GABAが一定量以上含まれているみかんには、血圧が高めの方の血圧を下げるという、嬉しい効果が報告されています。