特徴ある教育・就職特集 就職活動成功への道 活動の流れ、面接への対応など、内定するために何をしたか、親のサポートでありがたかったことなど、厳しい就職活動を乗り切った学生が、本音でありのままの就活を語ります。

エントリーシートに何を書くか

――エントリーシートではどのような設問があって、それに対しどのようなことを書きましたか。

山口 会社によって多少の違いはありますが、各社共通しているのは、自己PRと学生時代に頑張ったこと、それと志望動機です。この3つはどこの会社でも問われました。それに対して私は、「自分が結果にこだわって、そのために人一倍努力ができる人間である」ということをPRしました。

長澤 困難に直面したときにどのように乗り越えたのかを聞いてくる企業も結構多かった印象があります。私は「向上心」をキーワードに自己PRしました。自分の向上心がどのように形成されたのかを話して、ゼミやインターンシップ、英語の勉強などで向上心を発揮したということを語りました。

――長澤さんは実際に困難を克服した経験はありましたか。

長澤 私のゼミは学生の意識が低かったので、自ら提案してゼミの意識改革に取り組みました。毎回ゼミでは率先して30 回以上発言したり、毎日欠かさず日経新聞を読んだりして、そういう姿を周りの学生に示していくことで、ゼミの雰囲気がどんどん変わっていったというエピソードを述べました。

エントリーシートが書けるようになるまで

――エントリーシートはおそらく、12 月に入ってからすぐ企業から受け取ったと思いますが、皆さんエントリーシートはすぐに書けましたか。

小菅 私は全然書けませんでした。何をPRしていいのかもわからないし、この会社に入りたいという理由もうまく表現できなくて、とても苦労しました。そのときは就職課に何度も通って、エントリーシートを見ていただき、それでようやく納得できるものを書けました。

古川 私も書くことができなかったので、まずは先輩のエントリーシートを真似ることから始めました。それをもとに、こうは書かないほうがいいねということを就職課の方から教えてもらって、自分のエントリーシートを作っていきました。

山口 私は文章力がないことを感じていたので、6月ぐらいからインターンシップ先の企業に提出する書類を書いてみたり、12 月の就職課が主催する就職合宿に向けて1カ月くらい前から履歴書を書いて就職課の方に添削してもらったりして、何とか相手の心に引っかかるような文章に仕上げていきました。

長澤 私もエントリーシートは、夏休みぐらいから書き始めていました。というのも、夏休み中に大手企業がインターンシップを開催していたので、そこで提出する必要があったからです。それと、ゼミの先輩に見てもらったり、OB訪問の際には社会人の方に見ていただいたりして、エントリーシートの内容を改善していきました。

社員に会うことでわかること―OB訪問

――いま長澤さんからOB訪問という話が出ましたが、ほかにも実際に社員の方に会って話を聞いたという方はいますか。

山口 はい、僕は10 人近くの社員の方に会いました。実際にその企業で働いていて感じていることや、業界の動向など、ネットにはない情報を聞けました。そのようにして得た情報はエントリーシートに書きました。

――社員の方にはどのようにして、会いましたか。

山口 僕は化粧品業界を志望していたので、自分で店舗に行って営業さんが来るところを狙って、「お話しを聞かせていただけませんか」と、30 分でも1時間でも時間をいただけるようにお願いして、話を聞きました。

小菅 私は企業のホームページを通してOB訪問をしました。ただし、それはすぐ定員になってしまうので、そのほかにセミナーに参加した際、社員の方の話を聞くようにしました。

長澤 私は企業の人事に電話をして、OB訪問させてくださいとお願いしたこともありました。また、就職課には各企業のOBを検索できるシステムがあるので、それを利用して直接OBに電話をしたりもしました。

面接で聞かれること

――選考では3~4回の面接があると思いますが、それぞれの面接で聞かれる内容は違いましたか。

小菅 1次、2次の面接では自己PR、志望動機を聞かれました。3次面接、最終面接になりますと、もっと細かく、深い内容を聞かれることが多かったです。

――それに対して、小菅さんはどう準備しましたか。

小菅 ある会社の面接では、1次面接の翌日に2次、さらに続けて3次、4次と連日で行われ、対策を練る時間的余裕がありませんでした。でも、心配性な私は、だいぶ前から面接の準備をコツコツと進めていたので、このときは慌てずに済みました。

――長澤さんは、いかがでしょうか。

長澤 私は金融業界とメーカーを受けていましたが、面接の雰囲気は業界によっても全く違っていました。金融業界は面接官もまじめで堅い感じの方が多く、笑い話のひとつもないような雰囲気でしたが、メーカーの面接はもっと和やかな雰囲気でした。

――学業については面接で聞かれましたか。

長澤 ゼミに関して質問されました。それと、私は経済学部なので、経済に関する最近のニュースなどについてはよく聞かれました。

――経済ニュースの話題には、どう対応しましたか。

長澤 私の所属しているゼミは、例えばアベノミクスやTPPなど、ニュースなどで取り上げられている事柄について勉強するゼミだったので、面接用に特に対策をしなくても答えられました。

――普段の勉強が生きたのですね。他の方はいかがですか。

古川 私は旅行業界を志望していたので、旅行経験を聞かれることが多かったです。「どの国がよかった?」と聞かれて答えると、何でその国がよかったかをさらに聞かれました。

山口 僕が受けた化粧品業界では1次、2次面接では、人柄を確かめるような質問が多く、3次、4次では、その会社を本気で志望しているかを確かめるような質問が多かったです。それに対して実際に店舗を見て感じたことや、専門誌で調べたことなどを語り、自分のやる気をアピールしました。

職種選びの基準

この先、40 年間近く仕事を続けるわけですから、常にモチベーションを保って仕事をするためにも、自分がより仕事におもしろさを感じられるところを選びました。――――長澤

――それでは、職種についてお伺いします。総合職の場合、全国もしくは世界に営業所がある企業だと、どこに配属されるかわかりませんが、古川さんはどうして総合職を選ばれましたか。

古川 私は昔、外国に住んでいたことがありましたが、それに憧れて、全国転勤、海外転勤があるようなところに勤めて、自分をどんどん高めていけたらと思って、総合職を希望しました。

――不安も若干あるのではないですか。

古川 不安もありますが、やはり自分が旅行業界で生きていくには、どこに行くのも仕方がないと思っています。親もはじめからずっと応援してくれていたので、総合職を選んでよかったと思っています。

――では、小菅さんは勤務地が限定された総合職ですが、どうしてその職種を選択されましたか。

小菅 私は生まれ育った街から離れたくなかったし、両親とも一緒に暮らしていたかったので、この職種を選びました。首都圏で内定をもらいましたが、結婚後に配偶者が転勤した場合には同じ勤務地に転勤できる制度もあります。

――働き方は本当にさまざまですので、自分の将来をよく考えることが重要になってきますね。

会社選び、それぞれの基準

――では、皆さんがどういった理由でその会社に決めたのか、会社選びの基準をお聞かせください。

山口 僕は化粧品業界を志望していましたが、なかでも内定をいただいたアルビオンは、高級化粧品を扱っていて、値下げをせずに商品を販売しています。いま化粧品業界は、資生堂やコーセーなどの化粧品メーカーに加え、食品メーカーなど異業種からの参入もあり、他社との差別化が難しくなってきています。その中でも、高級品に絞った戦略を打ち出しているアルビオンは、これから生き残っていける企業だと感じました。企業選びは自分でその会社に足を運んでみて、興味を持てたかどうかという点で判断していました。

古川 私は昔から旅行の企画をしたいと思っていました。旅行会社の多くは海外部門と国内部門に分かれていますが、私が内定した近畿日本ツーリスト個人旅行は国内海外両方とも企画できる会社だったので、そこに決めました。

小菅 私は、震災が起きてから、保険業界の役割に大きな意義を感じるようになりました。また、私は働きやすさを考えたときに、土日休みは欠かせないと思っていましたし、社員訪問やセミナーなどを通して、社員の方とかかわるうちに、人のよさも伝わってきました。それらの理由から、この会社に入って頑張りたいと思いました。

長澤 私は、その仕事に対して誇りとやりがいを持てるかという点で決めました。最終的に、DOWAホールディングスと地元の銀行の2社から内定をいただき、どちらに行くかすごく悩みましたが、この先、40年間近く仕事を続けるわけですから、常にモチベーションを保って仕事をするためにも、自分がより仕事におもしろさを感じられるところを選びました。

――長澤さんが内定したDOWAホールディングスは、いわゆるB to B 企業ですが、仕事のおもしろさというのは、どのような点から感じられたのですか。

長澤 私は企業を相手に製品を販売するB to B メーカーを中心に企業を見ていました。なぜかというと、日本のB to B メーカーは世界になくてはならない製品をつくっている企業が数多くあるからで、そういう企業であればビジョンを明確に持ってやりがいを感じながら働けると思ったからです。

写真・渡邉茂樹/文・舘野孝之(ジ アース教育新社)