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相続手続き

最終更新日:2022.08.31

の相続税評価・計算方法まとめ
【相続手続きの方法と共に解説】

車の相続税評価・計算方法まとめ【相続手続きの方法と共に解説】

このコンテンツでわかること

  • ■ 車が相続税の課税対象になるかどうかわかる
  • ■ 車の相続税評価や計算方法がわかる
  • ■ 車の相続手続き方法と必要書類がわかる

相続税は基本的に個々人で処理する税金なので、相続税の計算や納付書の作成など、すべて自力で対応しなければなりません。

相続財産の評価額も自分で計算することになりますが、被相続人(亡くなった方)の車はどのように評価するべきでしょうか?

被相続人の車は一般動産となり、国税庁も評価方法を示していますが、具体的な計算方法がないため、課税額がいくらになるのかわからない方も多いでしょう。

そこで今回は、車の相続税評価方法について、具体例を挙げながらわかりやすく解説します。車の相続手続き(名義変更)も解説しますので、家族の車を相続する方はぜひ参考にしてください。

車も相続税の課税対象に含まれる

相続税は基礎控除を超える部分に課税されるので、預貯金や不動産評価額などを合計した遺産総額が基礎控除以下になれば相続税はかかりません。ただし、被相続人の車も相続税の課税対象に含まれるため、適正な課税価格を計算しておかなければなりません

車の評価方法には減価償却も反映させる必要があるので、次の解説を参考に相続税評価額を計算してください。

車の相続税評価・計算方法

車(一般動産)の評価方法は国税庁の財産評価基本通達129に示されており、基本的には市場価格や精通者意見価格等を参照します。

ただし、市場価格等が不明なときは、同一の車種や年式・同一オプションとなる車の小売価格を基準として、減価償却を反映させて相続税評価額を計算します。

具体的な計算方法は後半で解説しますが、まずは償却費や耐用年数の考え方を理解しておきましょう。

償却費の考え方

償却費は会計処理などに使われる言葉ですが、車の購入費を一括計上せず、耐用年数に応じて配分する考え方です。

【車の耐用年数】
  • 軽自動車:新車は購入から4年、中古車は購入から2年

  • 普通自動車:新車は購入から6年

普通自動車を中古で購入したときは、耐用年数6年を経過していれば2年、経過していなければ以下のように計算します。

  • 計算式

  • 耐用年数:(新車で購入したときの耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

1年未満は切り捨てるので、4年経過の普通自動車であれば、耐用年数は以下のようになります。

  • 計算式

  • 耐用年数:(72カ月-48カ月)+48カ月×20%=33.6カ月(2年)

車の償却は定率法を使い、種類に応じて次のように評価額を計算します。

車の相続税評価額の計算方法

車の相続税評価には耐用年数に応じた償却率を適用させるため、以下のリンクにある減価償却資産の償却率等表(平成24年4月1日以後取得)を使います。

たとえば、500万円の普通自動車を新車で購入した場合、耐用年数は6年、定率法の償却率は0.333となり、減価償却費や相続税評価額は以下のようになります。

  • 計算式

  • 減価償却費:500万円×0.333=166万5,000円

  • 計算式

  • 相続税評価額:500万円-166万5,000円=333万5,000円

定率法の償却率は耐用年数が短いほど大きくなるため、耐用年数3年、償却率0.667で計算すると以下のような相続税評価額になります。

  • 計算式

  • 減価償却費:500万円×0.667=333万5,000円

  • 計算式

  • 相続税評価額:500万円-333万5,000円=166万5,000円

減価償却資産の償却率等表(国税庁)

相続税は遺産総額から計算する

相続税の計算は遺産総額がベースになるので、車など個別の財産に税率を掛けることはなく、全体の課税価格に税率を掛けて計算します。

  1. 遺産総額の計算:各財産の評価額の合計
  2. 課税遺産総額の計算:(1)から基礎控除を差し引く
  3. 相続税の総額の計算:(2)に税率を掛けて控除額を差し引く
  4. 取得割合に応じて税額を按分:各相続人の取得割合に応じて(3)を按分

なお、相続税の基礎控除は以下のように計算し、税率は相続税の速算表を参照します。

  • 計算式

  • 相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続税の速算表(国税庁)

車の相続手続き方法・必要書類

車の相続手続きには期限がなく、そのまま使っても特に問題はありませんが、被相続人名義のままでは売却や廃車手続きができません。任意保険に加入できない可能性も高いので、もしもの場合に備え、早めに相続手続きをした方がよいでしょう。

車の名義を確認する

車は所有者と使用者が別々の場合があるので、車検証(自動車検査証)で名義を確認してください。所有者・使用者ともに被相続人であれば相続手続きを開始できますが、販売店のローンで購入し、残債がある場合は、ローン会社が所有者になっています。

車を担保としない銀行ローンは所有者と使用者が同一ですが、支払いが残っている可能性もあるので、預金通帳や購入時の契約書も確認しておきましょう。

なお、ローンが残っているときは以下のように対応します。

  • 相続人が一括返済する

  • 相続人がローン返済を引き継ぐ(相続人がローン審査を受ける)

  • 車をローン会社に引き渡す(処分価格が残債分に満たないときは、不足分を一括払いする)

軽自動車の相続手続き

軽自動車は遺産分割協議書がなくても相続手続きができるので、以下の書類をそろえて相続人の住所地を管轄する軽自動車検査協会の事務所で手続きします。

  • 自動車検査証記入申請書

  • 車検証

  • 被相続人の死亡や相続人との関係がわかる戸籍謄本

  • 車を相続した人の住民票の写しと印鑑証明書(発行から3カ月以内)

自動車検査証記入申請書は検査協会の事務所、または公式サイトからダウンロードできます。

全国の事務所一覧(軽自動車検査協会)
自動車検査証記入申請書(軽自動車検査協会)
申請書の記載例(軽自動車検査協会)

普通自動車の相続手続き

普通自動車を相続するときは、車の相続人の住所地を管轄する運輸支局に以下の書類を提出します。なお、遺言書の有無によって添付する書類が変わりますので注意が必要です。

  • 運輸支局指定の申請書

  • 車検証

  • 車を相続する人の印鑑証明書

  • 車庫証明書(車庫の住所が変わるとき)

【遺言書がある場合】
  • 遺言書の写し

  • 被相続人の死亡時の戸籍謄本または除籍謄本

  • 検認済証明書(公正証書遺言以外の場合)

【遺言書がない場合】
  • 遺産分割協議書

  • 相続人全員の印鑑証明書

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

運輸支局には専用の遺産分割協議書があり、各支局の窓口やホームページから入手できます。

また、100万円以下の車は手続きを簡素化できるので、多忙な方は日本自動車査定協会に査定証の発行を依頼しておくとよいでしょう。

地方運輸局(国土交通省)
遺産分割協議書の様式(関東運輸局)
一般財団法人日本自動車査定協会

車の査定額が100万円以下のとき

査定額が100万円以下の車を相続する場合、遺産分割協議成立申立書の提出だけで手続きが完了するため、遺産分割協議書が不要になります。

なお、査定額の証明にはディーラーや日本自動車査定協会の査定証が必要となり、遺産分割協議成立申立書には相続人の実印を使用します。

遺産分割協議成立申立書の様式(関東運輸局)

保険の名義変更

車本体の相続手続きだけでは保険契約が引き継がれないため、各保険会社に連絡して、自賠責保険や任意保険の名義変更も行ってください。こちらは見落としがちな手続きですが、被相続人名義のままでは事故があったときの補償を受けられない可能性があるので注意しましょう。

まとめ

車の相続手続きは、他の相続手続き(不動産相続など)に比べて必要書類が少ないため、事務負担はそれほど重くありません。

ただし、地域によっては手続きのできる事務所が1カ所しかなく、平日しか対応していないため、忙しい方はなかなか手続きできない可能性があります。

また、相続する車が高級車の場合、市場価格は中古でも1,000万円以上になるケースがあるため、耐用年数や減価償却費の控除額は正確に計算しておく必要があります。こうした手続きに関する難しさがある場合は、専門家の手を借りることをおすすめします。

被相続人の車を相続するとき、評価に不安があれば税理士、手続きに時間を割けない方は行政書士などに相談してみましょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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