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相続手続き

最終更新日:2022.12.28

続開始日とは被相続人が死亡した日!
相続開始を知った日との違いは?

相続開始日とは被相続人が死亡した日!相続開始を知った日との違いは?

このコンテンツでわかること

  • ■ 相続開始日と死亡日の考え方がわかる
  • ■ 「相続開始日」と「相続開始を知った日」の違いがわかる
  • ■ 相続開始を知った日が起算点となる相続手続きがわかる

家族が亡くなった後はお葬式や初七日法要などの儀式に追われ、香典返しや喪中はがきなどの準備もあるため、しばらくは目まぐるしい日々が続くでしょう。すべて落ち着けばゆっくりと故人を偲びたいところですが、相続手続きにも対応しなくてはなりません。

期限付きの相続手続きはすでにカウントダウンが始まっており、間に合わなかったときは高額な借金を背負うことや、税金が加算される可能性があります。期限内に手続きを終えるためには起算点(起算日)の理解も必要ですが、被相続人(亡くなった方)の死亡日とは限らないので注意が必要です。

今回は、相続手続きの起算点となる「相続開始日」をわかりやすく解説します。相続が発生した方や、相続税対策を検討している方はぜひ参考にしてください。

相続開始日とは

遺産相続がスタートする日を相続開始日といい、被相続人の死亡日と同一日ですが、法律では死亡の扱いを3つに分類しています。

  • 自然死亡:医学上の死亡

  • 認定死亡:死体は未確認だが死亡したものと認定する災害時等の扱い

  • 擬制死亡:死体は未確認だが死亡したものとする失踪時の扱い(戦争や海難事故など)

一般的には自然死亡した日が相続開始日となりますが、認定死亡や擬制死亡の場合、本人が生存していても死亡として扱われるため、認定日が相続開始日となります。具体的には以下のような考え方になるので、それぞれの違いを理解しておきましょう。

自然死亡

ケガや病気、老衰による死亡を自然死亡といい、医学上の死亡を意味しています。状況によっては推定死亡(医師が死亡日を推定)とする場合もありますが、医師が死亡を確認した後は死亡診断書を作成し、医学上の死亡日時を記載します。

死亡診断書と死亡届は1枚の様式になっており、死亡診断書どおりに死亡日時を記載するので、役所に死亡届を提出すると、自然死亡した日付が戸籍に記載されます。

したがって、被相続人が自然死亡だったときは、死亡診断書の死亡日が相続開始日ということになります。

認定死亡

家族が災害や事故に遭遇し、死亡はほぼ確実とみられるものの、死体を確認できないときは認定死亡の扱いになるケースがあります。認定死亡の場合、調査や捜索にあたった官公署(警察署など)が死亡を認定し、各自治体へ報告することで戸籍に死亡日が記載されます。つまり、戸籍に記載された死亡日が相続開始日ということになります。

なお、認定死亡の扱いになった人の生存が確認されたときは、生きていることを証明するだけで取り消しとなり、戸籍の死亡も訂正されます。

擬制死亡

擬制死亡(危難失踪)は失踪宣告を受けたときの扱いであり、以下のようなケースでは死亡したとみなして戸籍から除く(除籍)場合があります。

  • 普通失踪:生死がわからないまま7年以上経過したとき

  • 特別失踪:震災や海難事故、戦争などの危難が去った後、1年以上生死がわからないとき

どちらも死亡日(死亡とみなした日)が相続開始日となりますが、死亡の考え方は以下のように異なります。

  • 普通失踪:家庭裁判所に申立てを行い、失踪審判の確定後、7年間の期間が満了したとき

  • 特別失踪:危難が去ったとき

擬制死亡の場合、本人の生存確認だけでは死亡が取り消されないため、家庭裁判所に失踪宣告取消しの審判を申立てることになります。

「相続開始日」と「相続開始を知った日」の違い

相続手続きの期限は「相続開始日」または「相続開始を知った日」を起算点としますが、同日を指す場合もあれば、異なる日付になるケースもあります。解釈を間違えると期限に間に合わなくなる可能性や、必要以上に焦る可能性があるので、考え方を整理しておくとよいでしょう。

相続開始日の考え方

相続開始日は被相続人の死亡日となります。一般的には死亡診断書(死体検案書)に記載された日付ですが、認定死亡や擬制死亡は死亡診断書がないため、戸籍に記載された死亡日が相続開始日になります。

相続開始を知った日の考え方

相続開始を知った日は「自己のために相続開始があったことを知った日」と解釈しますが、被相続人の死亡を知った日と考えた方がわかりやすいでしょう。相続開始を知った日が相続手続きの起算点になるため、解釈を間違えないように注意してください。

被相続人と近しい親族は「相続開始日=相続開始を知った日」となりますが、疎遠な相続人は相続開始を知った日がずれ込む可能性もあるでしょう。したがって、相続手続きの起算点や期限日は相続人ごとに異なるケースもあります。

なお、被相続人の死亡は知っていたが、自分が法定相続人であることに後日気付いた場合でも、死亡日が相続開始を知った日になるので注意しましょう。

相続開始を知った日が起算点となる相続手続き

期限付きの相続手続きをまとめると、起算点や期限日は以下のようになります。

手続きの名称 起算点と期限日
相続放棄 相続開始を知った日から3カ月
限定承認 相続開始を知った日から3カ月
被相続人の準確定申告と納税 相続開始を知った日の翌日から4カ月
相続税の申告と納税 相続開始を知った日の翌日から10カ月
遺留分侵害額請求 相続開始と遺留分の侵害を知ってから1年
(相続開始日から10年経過すると時効成立)

遺言書で指定された遺産の配分に偏りがあり、遺留分(最低限の取得分)を侵害されていた場合は1年以内に侵害額を請求できます。ただし、遺留分の侵害を知らなかった場合でも、相続開始日から10年経過すると時効になるので注意してください。

相続手続きの期限日が土日や祝日だったとき

土日や祝日が相続手続きの期限日になる場合は、その翌日または連休明けの平日が期限の満了日となります。また、税務署や家庭裁判所の閉庁日となる年末年始も連休に含まれるので、12月29日から翌年1月3日の間が期限だったときは、1月4日に期限日が移行します。

なお、遺留分侵害額を返還請求する場合、金銭債権の消滅時効にも注意してください。遺留分を侵害している相手に返還請求しても、具体的な金銭の支払請求をしていなければ、遺留分侵害額請求を行使してから5年で金銭債権の請求権が消滅します。

また、遺留分侵害額の請求期限が迫っている場合、内容証明郵便を使って催告すると、6カ月間のみ時効成立までの日数カウントが停止します。

まとめ

相続開始日は被相続人の死亡日となるケースが一般的ですが、亡くなり方によっては死亡日の考え方が複雑になるので注意が必要です。死亡時刻が夜中だったときは、日付けをまたぐかどうかで相続手続きの起算点が変わるので、死亡診断書の死亡日時で判断しなければなりません。

相続開始を知った日も相続人ごとに異なる場合があるため、別の相続人と足並みをそろえて準備すると、相続放棄などの期限に間に合わなくなる可能性があります。相続税の申告期限を過ぎると追徴課税もあるので、起算点や期限日は正確に把握しておきましょう。

起算点の考え方がわからない場合や、相続手続きが期限までに間に合わないときは、必ず専門家に相談することをおすすめします。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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