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相続手続き

最終更新日:2023.06.30

産分割協議書はどこでもらえる?
自分で作る流れ・注意点について

遺産分割協議書はどこでもらえる?自分で作る流れ・注意点について

このコンテンツでわかること

  • ■ 遺産分割協議書の概要
  • ■ 遺産分割協議書をどこでもらえるか
  • ■ 遺産分割協議書を専門家に作成依頼すべきケース
  • ■ 遺産分割協議書を自分で作成する流れ・必要書類
  • ■ 遺産分割協議書の提出先
  • ■ 遺産分割協議書作成時の注意点

家族が遺言書を遺さずに亡くなられた場合、相続人全員の話し合いで遺産の分け方を決めなければなりません。この話し合いを「遺産分割協議」といい、最終的な決定内容を「遺産分割協議書」へ記載します。遺産分割協議書は亡くなられた方の預貯金解約や不動産の名義変更、相続税申告などの際に提出するので、できるだけ早めに作成しておくとよいでしょう。

しかし、相続を経験する機会は限られているため、「遺産分割協議書はどこでもらえる?」「どうやって作成する?」といった疑問もあるのではないでしょうか。そこで今回は、遺産分割協議書の概要や作成方法などをわかりやすく解説します。

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、遺産分割協議の合意内容を記載した書類です。遺産分割協議では誰がどの財産を相続するか、または誰がどれだけの割合で相続するか話し合い、相続人全員が合意したときに遺産分割協議書を作成します。

また、遺産分割協議書は相続人が複数いるとき、かつ以下の状況で必要となります。

  • 遺言書が作成されていないとき

  • 遺言書に法的効力がないとき

  • 名義変更が必要な財産を相続するとき

  • 法定相続分とは異なる割合で遺産分割したいとき

  • 相続税申告が必要なとき

なお、法的に有効な遺言書がある場合でも、相続人全員の同意があれば遺言書を無効とし、遺産分割協議へ移行することも可能です。

遺産分割協議書はどこでもらえる?

遺産分割協議書は役場や金融機関でもらえる書類ではなく、基本的に相続人が自分で作成します。作成方法がわからないときは専門家に依頼できますが、遺産の分割方法は相続人全員で協議しなければなりません。また、遺産分割協議書は相続人の人数分を作成し、すべて全員が署名捺印することで遺産分割協議の成立を明らかにします。

なお、自分で遺産分割協議書を作成するときと、専門家に依頼する場合では以下のような違いがあります。

遺産分割協議書は誰でも作成できる

遺産分割協議書の作成者に法的なルールはないので、相続人であれば誰が作成しても構いません。自分で作る場合と専門家に依頼する場合の違いを詳しく見ていきましょう。

自分で遺産分割協議書を作るメリットと費用

前述したように、遺産分割協議書の作成者は法律で制限されていません。「一から自分に作れる?」と不安に感じている方は、専門書やネット上に掲載されているひな形を参考にしてみましょう。この場合、ダウンロードに費用がかかることはありません。自分で遺産分割協議書を作る最大のメリットは「費用がかからない」ことでしょう。

ただし、遺産分割協議書はすべて個別に異なる内容となり、ひな形通りに作成してミスがあると相続手続きに使えないため、司法書士や税理士などの専門家に依頼する方も少なくありません。

専門家に依頼すると以下のような費用になりますが、十分なメリットもあるので「司法書士に頼むといくらかかる?」などの疑問がある方は参考にしてください。

行政書士に依頼するメリットと費用

行政書士に遺産分割協議書の作成を依頼すると、概ね3~5万円程度の費用がかかります。相続人や相続財産の調査を依頼しても8~10万円程度に収まるので、出費を抑えたい方には十分なメリットがあります。なお、行政書士は相続税申告や相続登記、紛争解決に対応できないため、遺産分割協議書の作成は以下のような状況のときに依頼するとよいでしょう。

  • 相続トラブルが発生していない

  • 相続財産に土地や建物がない

  • 相続税が発生しない

相続手続きが預貯金解約や自動車の名義変更のみだったときは、行政書士がすべて対応してくれます。

司法書士に依頼するメリットと費用

司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼した場合、6~12万円程度の費用がかかります。行政書士よりも高くなりますが、登記申請の代行は司法書士しかできないので、以下のような状況のときに遺産分割協議書の作成を依頼してみましょう。

  • 相続財産に不動産がある

  • 相続トラブルが発生していない

  • 相続税が発生しない

相続財産に不動産がある場合、所有権を相続人に移転させる相続登記が必要です。司法書士は相続登記の手続きをすべて代行してくれるので、時間に余裕がない方や、登記申請の手間を省きたい方はメリットが大きいでしょう。

税理士に依頼するメリットと費用

税理士の報酬は相続財産の0.5~1.0%になっており、遺産分割協議書の作成を依頼した場合、財産が5,000万円であれば25~50万円程度の費用がかかります。なお、税理士報酬には財産評価や相続税申告が含まれるので、以下のような方は税理士への依頼をおすすめします。

  • 高額な相続財産がある

  • 不動産や非上場株式の評価額がわからない

  • 節税対策を検討したい

  • 相続税計算や相続税申告を任せたい

不動産や非上場株式の価値は相続人同士の意見が食い違うケースが多く、遺産分割協議がまとまらない原因になりやすいものです。また、相続税は申告期限の到来が早いので、時間に余裕のない方は税理士に依頼するとよいでしょう。

弁護士に依頼するメリットと費用

弁護士費用は自由設定になっているので、特に決まった相場はありません。ただし、2004年3月末に廃止となった日本弁護士連合会の報酬規程があり、現在も旧報酬規程を参考にしている弁護士が多いようです。また、弁護士費用は依頼者が獲得する経済的利益をベースとして、以下の割合で着手金や報酬金が決まります。

  • 経済的利益が300万円以下:着手金8%、報酬金16%

  • 300万円超~3,000万円以下:着手金5%+9万円、報酬金10%+18万円

  • 3,000万円超~3億円以下:着手金3%+69万円、報酬金6%+138万円

  • 3億円超:着手金2%+369万円、報酬金4%+738万円

弁護士に遺産分割協議書の作成を依頼する場合、基本的には紛争解決とセットになるでしょう。

遺産分割協議書を自分で作成する流れ・必要書類

遺産分割協議書を自分で作成するときは、以下の流れで準備を進めてください。相続人や相続財産に関する書類も必要になるので、漏れがないように収集しておきましょう。

相続人の調査

遺産分割協議は相続人全員が参加しなければ成立しないため、亡くなった方の出生時の本籍地まで遡って戸籍謄本を収集する必要があります。

また、相続手続きでは亡くなった方と相続人の関係性を証明する必要があり、遺産分割協議書には実印を使用するので、以下のような書類も収集しておきましょう。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍など

  • 相続人全員の戸籍謄本

  • 相続人全員の印鑑証明書

相続手続きによっては、亡くなった方の戸籍の附票や住民票の除票、相続人全員の住民票が必要です。亡くなった方が転籍を繰り返していると戸籍謄本の収集に時間がかかるので、多忙な方は専門家に依頼した方がよいでしょう。

相続財産の調査

相続財産の把握も遺産分割協議の前提になるので、以下の書類などから財産調査を行います。

  • 預貯金通帳

  • 不動産の権利証

  • 金銭消費貸借契約書

  • 預貯金や株式の残高証明書:金融機関や証券会社で取得

  • 登記事項証明書や公図、地積測量図:法務局で取得

  • 固定資産評価証明書:市町村役場で取得

共有状態の不動産は権利関係者が多いため、遺産分割協議の全員参加が難しくなることが多く、相続争いが起きやすくなるので注意してください。

遺産分割協議と遺産分割協議書の作成

相続人と相続財産の調査が終わったら、日程を調整して遺産分割協議を行ってください。遺産分割協議は5月の連休やお盆休み、年末年始になるケースが多いので、全員が集まりやすい日時を決めておきましょう。ただし、その場で遺産分割協議書を作成するのは難しいので、合意内容のメモをコピーして全員に渡し、後日に正本を郵送して署名捺印するケースもあります。

遺産分割協議書の提出先

遺産分割協議書は以下のような提出先があります。

  • 金融機関:亡くなった方の預貯金を解約する場合

  • 証券会社:亡くなった方の上場株式を相続する場合

  • 法務局:亡くなった方の土地や建物を相続する場合

  • 税務署:相続税申告が必要になる場合

  • 運輸支局:亡くなった方の自動車を相続する場合

なお、自動車の査定額が100万円以下の場合、自動車を相続する人の署名捺印のみが必要となる遺産分割協議成立申立書を提出できます。

遺産分割協議書作成時の注意点

自分で遺産分割協議書を作成するときは、以下の注意点をよく理解しておきましょう。前述したように、作成ミスがあると相続手続きには使えないので、相続財産は正確に記載する必要があります。

相続財産は正確に記載する

遺産分割協議書は相続手続きに使用するため、第三者にもわかる内容で記載しなければなりません。預貯金口座や不動産を記載するときは、以下の項目を漏らさないようにしてください。

【預貯金口座】

  • 金融機関名、支店名、口座種別、口座番号

【不動産】

  • 土地:所在、地番、地目、地積

  • 建物:所在、家屋番号、種類、構造、床面積

【分譲マンションの場合】

  • 1棟の建物:所在、構造、各階の床面積

  • 建物の専有部分:家屋番号、部屋番号、種類、構造、床面積

  • 敷地権の目的となる土地部分:土地の符号、所在、地番、地目、地積、敷地権の種類と割合

不動産は登記事項証明書の内容を転記しておきましょう。

代償分割の書き方に注意する

公平な遺産分割が難しい場合、財産を多めに相続する人が他の相続人に代償金を支払い、不公平を解消することもできます。ただし、代償金が贈与にみなされる可能性があるため、遺産分割協議書には代償分割した旨を必ず記載してください。

相続人全員の署名捺印が必要

遺産分割協議書には相続人全員の署名捺印が必要です。1人でも欠けていると遺産分割協議書は無効になるため、以下の相続人も必ず遺産分割協議に参加しなければなりません。

  • 亡くなった方の養子

  • 亡くなった方の婚外子:認知されている場合

  • 前妻や前夫の子供

  • 代襲相続人

すべて第1順位の法定相続人なので、相続人の範囲を間違えないように注意してください。

相続手続きの期限に注意する

遺産分割協議書は様々な相続手続きに必要ですが、相続税申告だけは「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」が期限です。期限を過ぎると延滞税などの追徴課税があるので、できるだけ早めに遺産分割協議を成立させましょう。

まとめ

遺産分割協議書のひな形はどこの公的機関に請求してももらえないので、すべて自分で作成しなければなりません。相続人や相続財産が多いほど作成ミスが発生しやすくなり、訂正するときも相続人全員の訂正印が必要になるため、書き損じがないように十分注意してください。

また、遺産分割協議書は相続人全員の合意がなければ作成できないので、できるだけ不平不満が出ないように遺産分割協議を進める必要があります。相続争いが発生しているときや、評価額がわからない財産があるときは、専門家に遺産分割協議書の作成をサポートしてもらうとよいでしょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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