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相続手続き

最終更新日:2023.10.31

産相続を弁護士に
相談した方が良いケースとは?
選び方や費用相場

遺産相続を弁護士に相談した方が良いケースとは?選び方や費用相場

このコンテンツでわかること

  • ■ 遺産相続を弁護士に相談するとよいケース
  • ■ 遺産相続を弁護士に相談するメリット
  • ■ 遺産相続を相談する弁護士の選び方
  • ■ 遺産相続を弁護士に依頼したときの費用相場
  • ■ 弁護士の他に遺産相続を依頼できる専門家

遺産相続の当事者になると、財産の取り分をめぐって争いになる、遺言書の効力が疑わしいなど、想定外のトラブルに困ってしまうケースが少なくありません。当事者同士で話し合ってもトラブルを解決できないときは、まず弁護士に相談してみましょう。

紛争解決は弁護士の専門分野になっており、一般的な相続手続きだけではなく、訴訟に発展したときも依頼者をサポートしてくれます。

今回は、遺産相続を弁護士に相談するとよいケースや、弁護士費用などをわかりやすく解説しますので、相続争いに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

遺産相続を弁護士に相談した方が良いケース

遺産相続が発生した場合、トラブルがなければ相続人だけで遺産分割を進める、問題があれば弁護士に相談するなど、状況に応じた切り替えが必要です。

弁護士に相談するとよいケース、相談が不要なケースは以下の具体例を参考にしてください。

弁護士に相談するとよいケース

遺産相続で以下のような問題が発生したときは、弁護士に相談するとよいでしょう。

  • 遺言書の有効性が疑われる

  • 相続人による相続財産の使い込みが疑われる

  • 遺産分割協議がまとまらない

  • 前妻や前夫の子の存在が発覚した

  • 遺留分の侵害が発生している

  • 相続財産に高額な借金がある

預貯金の使い込みや遺留分の侵害額を請求する場合、一定期間を過ぎると請求権が消滅するため、スピーディな対応が求められます。想定外の相続人が発覚したときも争いが起きやすいので、トラブル解決には弁護士の協力が必要になるでしょう。

弁護士への相談が不要なケース

遺産相続が発生しても、以下のような状況であれば弁護士への相談は不要です。

  • 相続人同士の仲がよい

  • 公平な遺産分割が可能

  • 相続税が発生しない

  • 相続人が1人しかいない

  • 自分で相続手続きに対応できる

高額な不動産や借金がなく、相続税申告や相続放棄なども不要な場合、相続トラブルは発生しにくいでしょう。

ただし、相続人と相続財産が確定するまで安心はできないので、想定外のトラブルが発生したときは弁護士に相談してください。

遺産相続を弁護士に相談するメリット

遺産相続のトラブルを弁護士に相談すると、以下のメリットがあります。争いが長期化すると相続放棄などの期限に間に合わなくなるので、弁護士に相談して早期解決を目指しましょう。

無料相談を利用できる

弁護士の法律相談は基本的に有料ですが、多くの弁護士は初回の相談料を無料にしています。相談時間は30分や1時間程度に設定されているので、要点をまとめて相談すると、時間内に解決策を提案してもらえる場合があります。

また、資料があると適切な解決方針を立てやすいので、家系図や財産目録を準備しておくとよいでしょう。

期限内に相続手続きが完了する

相続争いが発生した場合、期限付きの相続手続きに間に合わなくなるケースが多いので、まず弁護士に相談することをおすすめします。相続手続きには以下のような期限があり、間に合わなかったときは高額な借金を引き継ぐ、または追徴課税のペナルティがあるので要注意です。

  • 相続放棄や限定承認:相続開始日から3カ月以内が期限

  • 被相続人の準確定申告:相続開始日から4カ月以内が期限

  • 相続税申告:相続開始日の翌日から10カ月以内が期限

トラブルが発生している間は相続手続きが進まないので、まずは紛争解決を優先しましょう

公平な遺産分割を実現できる

主な相続財産が不動産のみで現金や預貯金が少ない場合、公平な遺産分割は難しくなりますが、弁護士に相談すると以下の方法を提案してくれます。

  • 共有分割:不動産の所有権を持分割合で共有する方法

  • 換価分割:不動産の売却代金を公平に分割する方法

  • 代償分割:不動産の相続人が代償金を支払って公平な遺産分割にする方法

どの方法も公平な遺産分割になりますが、共有分割は将来的に権利関係者が増えてしまい、換価分割は不動産を失うので、デメリットも考慮する必要があります。

弁護士に相談すると、相続人や相続財産の状況からもっとも現実的な方法を考えてくれるので、トラブルのない公平な遺産分割が可能になるでしょう。

相続争いを回避できる

相続争いには以下のような回避策があるので、相続発生前から弁護士に相談しておくとよいでしょう。

  • 認知症による財産の凍結リスクに備えた対策

  • 法的に有効な遺言書の作成

  • 特別受益に該当しない生前贈与

  • 生命保険の活用

財産の所有者が認知症になると、不動産や預貯金が凍結状態になってしまうため、成年後見制度や家族信託が必要になるケースがあります。また、公平な遺産分割が難しいときは、調整方法として生前贈与や生命保険の活用も考えられます。

弁護士に相談すると効果的な対策を考えてくれるので、相続発生後のトラブルを回避できるでしょう。

遺産分割調停や審判をサポートしてくれる

弁護士は裁判所を介した手続きもサポートしてくれるので、遺産分割調停が必要なときは相談するようにしましょう。調停は話し合いで解決を目指す方法ですが、調停不成立となって審判に移行しても、弁護士がサポートしてくれます。

遺産分割調停は1年近くかかるケースが多く、月に1回程度は家庭裁判所に出向きますが、弁護士に代理人を依頼すると、多忙な方でも調停の手続きを進められます

遺産相続を相談する弁護士の選び方

各弁護士には専門分野があり、弁護方針もそれぞれ異なっているので、遺産相続を相談するときは以下の基準を参考にしてください。ネット検索で弁護士の情報を調べる、または無料相談を利用して納得できる弁護士を選びましょう。

遺産相続が専門分野であること

弁護士に相談するときは、遺産相続が専門分野になっているか確認しましょう。専門分野を明確にしている弁護士の場合、法律事務所のホームページに遺産相続の解決実績や解決事例を掲載しているケースがあります。

なお、弁護士によっては取扱業務に遺産相続や刑事事件、企業法務などを列挙していますが、何が専門なのかわからない弁護士はあまりおすすめできません。相続トラブルを解決したいときは、遺産相続に特化した弁護士を選びましょう。

弁護士費用をわかりやすく説明してくれること

弁護士に遺産相続のトラブルを相談するときは、弁護士費用の説明がわかりやすいかどうかチェックしてください。良心的な弁護士は報酬体系を丁寧に説明してくれるので、納得した上でトラブル解決を依頼できます。

料金表などを提示してくれない弁護士や、説明が曖昧な弁護士の場合、支払いトラブルになる可能性があるので注意しましょう。

依頼者の不利益も必ず伝えてくれること

遺産相続の悩みを相談するときは、依頼者の不利益も伝えてくれる弁護士を選んでください。

たとえば、期限間近で相続放棄を依頼すると、弁護士費用は相場よりも高くなってしまうでしょう。また、依頼者のリクエストを実現するため、他の相続人との対立を避けられない場合もあります

相続トラブルの解決にはある程度の妥協も必要なので、不利益も伝えてくれる弁護士であれば、安心して委任契約を結べます。

弁護士経歴が長いこと

相続トラブルの状況は家庭ごとに異なるため、経歴の長い弁護士に相談すると、経験した中から最適な解決策を提案してくれます。弁護士の経歴は司法修習の終了時期や登録番号からわかるので、法律事務所のホームページでプロフィールを確認してみましょう。

2023年時点の場合、登録番号が2万番台の弁護士は経歴20年以上のベテランですが、6万番台の弁護士は経歴が4年未満となるため、経験値に大きな差があります。なお、元裁判官や検事が弁護士になっている場合、登録番号が6万番台でも十分なキャリアを積んでいるので、複雑な相続トラブルでも相談に乗ってもらえます。

相続関係の専門書を監修していること

遺産相続に詳しい弁護士を選ぶ場合、相続関係の専門書を監修しているかどうかも目安になります。書籍監修に携わっている弁護士には高度な専門知識があるため、法的に難しい判断を迫られた場合でも、最適な解決策を提案してくれます。

ただし、専門知識は十分でも、交渉力がなければ依頼者のリクエストを実現できないので、トラブルの解決実績も必ず確認してください。

依頼者の意向を尊重してくれること

相続トラブルの解決を相談するときは、依頼者の意向を尊重してくれる弁護士を選びましょう。解決方法を勝手に決めてしまう弁護士の場合、依頼者が望んでいなかった結果になる可能性があります。

相続トラブルの解決にはある程度の時間もかかるので、依頼者の意向を尊重し、長く付き合える弁護士を選びましょう

遺産相続を弁護士に依頼したときの費用相場

遺産相続のトラブル解決を弁護士に依頼すると、以下の費用がかかります。

  • 法律相談料

  • 着手金

  • 報酬金

  • 実費と日当

現在の弁護士費用に統一基準はありませんが、2004年4月廃止の旧報酬基準をベースにしている弁護士が多いので、一般的な費用相場は以下のようになります。

法律相談料

弁護士の法律相談料は30分5,500円や1時間1万1,000円程度が相場です。初回の相談を無料にしている弁護士が多いので、相続トラブルに困っているときは気軽に相談してみましょう。

着手金

弁護士の着手金は依頼者の経済的利益×料率(%)になっており、旧報酬基準は以下のように設定されています。

  • 300万円以下:8%

  • 計算式

  • 300万円超~3,000万円以下:5%+9万円

  • 計算式

  • 3,000万円超~3億円以下:3%+69万円

  • 計算式

  • 3億円超:2%+369万円

たとえば、相続財産2,000万円の取得を目指す場合、経済的利益も2,000万円となり、着手金は以下のようになります。

  • 計算式

  • 着手金:2,000万円×5%+9万円=109万円

なお、着手金は問題解決の成否に関わらず発生します。

報酬金

弁護士がトラブル解決に成功すると、旧報酬基準では以下の報酬金が発生します。

  • 300万円以下:16%

  • 計算式

  • 300万円超~3,000万円以下:10%+18万円

  • 計算式

  • 3,000万円超~3億円以下:6%+138万円

  • 計算式

  • 3億円超:4%+738万円

たとえば、トラブル解決によって2,000万円を取得した場合、報酬金は以下のようになります。

  • 計算式

  • 報酬金:2,000万円×10%+18万円=218万円

計算方法はシンプルですが、「何をもって成功とするか」が重要になるので、委任契約の際によく確認しておきましょう。

実費と日当

弁護士が相続トラブルを解決する場合、実費と日当がかかります。実費には交通費や通信費、切手代や印紙代などが含まれており、日当は弁護士が法律事務所を離れて活動するときに発生します。

日当は1時間1万円程度になっているケースが多いので、遺産分割調停の代理人になってもらうときは、家庭裁判所に近い法律事務所を選ぶと節約できます。

弁護士の他に遺産相続を依頼できる専門家

遺産相続の手続きには相続税申告や相続登記などがあり、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成も必要です。弁護士以外にも分野別の専門家がいるので、業務の対応領域などは以下を参考にしてください。

司法書士

司法書士は登記申請が独占業務になっており、不動産の相続登記を依頼するケースが一般的ですが、以下の手続きにも対応しています。

  • 相続人や相続財産の調査

  • 預金口座の解約

  • 株式の名義変更

なお、司法書士には依頼者の代理権がないため、相続放棄などを依頼するときは財産調査や書類作成だけに限定されます。訴訟についても、特別研修を受けた認定司法書士のみが、簡易裁判所で140万円以下を争う場合に代理人になれるので、紛争解決は弁護士に依頼した方がよいでしょう。

行政書士

行政書士には書類の収集と作成を依頼できるので、戸籍謄本の取得や遺産分割協議書の作成などを依頼してみましょう。また、行政書士は以下のような業務にも対応しています。

  • 相続人や相続財産の調査

  • 預金口座の解約

  • 株式や自動車の名義変更

相続税申告や相続登記の必要がなく、相続トラブルもなければ、相続手続き全般を行政書士に依頼できるケースもあります。

税理士

税理士には相続財産の評価や相続税申告、相続税対策を依頼できます。相続税申告はミスが発生しやすく、税務調査の対象になる可能性があるので、財産評価や税額計算は税理士に任せた方が確実です。税務署に申告ミスを指摘されると、追徴課税される確率がかなり高いので注意してください。

また、相続税対策は生前にスタートすると節税効果が高いので、税理士に相談するタイミングも早いほどよいでしょう

まとめ

遺産相続のトラブルは当事者同士の解決が難しいので、困ったときはまず弁護士に相談しましょう。トラブルの解決を先送りにすると、将来的には子孫に引き継がれてしまうため、手の施しようがない状態になってしまいかねません。

なお、すべての弁護士が遺産相続に詳しいわけではないので、専門分野の確認が必要です。弁護士費用や弁護方針もそれぞれ異なるため、迷ったときは相性が決め手になるケースもあります。信頼できる弁護士を選んでおけば、相続トラブルの早期解決を期待できるでしょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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