印鑑証明書とは
印鑑証明書とは、使用した印鑑が実印であることを証明する書類です。正式名称を「印鑑登録証明書」といい、印鑑証明書や印鑑証明と略される場合もありますが、いずれも同じ書類を指しています。
印鑑証明書は重要契約の際に必要となり、住宅や車などを購入するとき、契約書の実印とセットになっていれば、本人の意思に基づく契約であることを証明できます。
ただし、印鑑証明書は市町村役場で取得するため、事前に実印を登録しておかなければなりません。役場に実印を登録していない方は、以下の解説を参考にして登録してください。
なお、印鑑を押す行為を「押印」、自筆の署名とセットになる押印を「捺印」として表記しています。
印鑑登録とは
印鑑登録とは、自分専用の実印を市町村役場に登録する制度です。印鑑登録の手続きは即日対応になっており、役場の担当窓口に以下の書類や印鑑を提出すると、概ね10分程度で「印鑑登録証」が発行されます。
登録する際に必要なものは以下のものです。
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実印にしたい印鑑
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運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
印鑑登録の際には300円の手数料がかかるので、現金は必ず準備しておきましょう。
相続手続きで印鑑証明書が必要になるケース
印鑑証明書は、以下のような相続手続きに必要です。期限が定められている相続手続きが多いので、印鑑登録していない方は早めに手配しておきましょう。
相続分の譲渡や放棄
自分の相続分を放棄する、または他の相続人に譲渡するときは、相続分放棄書や相続分譲渡証明書に実印を押印し、印鑑証明書も添付します。
相続分の譲渡と放棄は口頭で宣言しても構いませんが、書面にしておくと、遺産分割協議書に譲渡または放棄した人の署名捺印が不要になります。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書を作成するときは、実印を押印して印鑑証明書も添付します。実印の押印に法的根拠はありませんが、各相続人が本人の意思で署名捺印したことを証明できるので、後でトラブルになるリスクを回避できます。
預貯金の解約や株式の名義変更
被相続人の預金口座を解約するときや、株式の名義変更手続きにも印鑑証明書を添付します。金融機関や証券会社で相続手続きを行う場合、所定の届出書などに実印を押印するケースがほとんどです。
書面に実印を押印し、印鑑証明書も添付すると手続がスムーズになるでしょう。
相続税申告
相続税を申告する場合、相続税申告書への押印は不要になっていますが、遺産分割協議書を提出するときや延納や物納の申請には印鑑証明書が必要です。
相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」になっているので、期限を過ぎないように注意してください。
不動産の相続登記
不動産の相続人を遺産分割協議によって決めたときは、法務局で相続登記する際に印鑑証明書が必要になります。登記申請書には認印を押印しても構いませんが、遺産分割協議書に合わせて実印にした方がよいでしょう。
印鑑証明書の取得方法・必要書類
印鑑証明書を取得するときは、印鑑登録した役場に申請します。印鑑登録の際にマイナンバーカードに紐づけすると、コンビニエンスストアでも印鑑証明書を取得できるので、取得方法や必要書類は以下を参考にしてください。
印鑑証明書を市町村役場で取得する場合
市町村役場で印鑑証明書を取得するときは、担当窓口に以下の書類を提出します。
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印鑑登録証(印鑑登録カード)
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運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
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手数料300円
印鑑証明書は代理人でも取得できますが、印鑑登録証がなければ発行してもらえないので注意が必要です。
印鑑証明書をコンビニエンスストアで取得する場合
コンビニエンスストアで印鑑証明書を取得するときは、マルチコピー機を使って申請します。申請時にはマイナンバーカードと4桁の暗証番号、200円の手数料のみ必要なので、手間と費用をかけたくない方はコンビニエンスストアを利用してみましょう。
マルチコピー機で印鑑証明書を取得申請するときは、メイン画面から「行政サービス」を選択し、案内に従って操作してください。
相続手続きで印鑑証明書は最低3枚必要
印鑑証明書の必要枚数は相続手続きによって変わりますが、以下の手続きは共通しているケースが多いので、最低3枚は必要になるでしょう。
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遺産分割協議書用
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被相続人名義の預金解約や払出し
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被相続人名義の不動産の相続登記
なお、もう1枚追加して4枚揃えておけば、株式などの財産が後から判明したときに備えられます。
相続手続きで使う印鑑証明書の有効期限
印鑑証明書に有効期限はありませんが、金融機関や保険会社は発行から3カ月や6カ月に限定しているケースが多く、一般的には以下のような期限になっています。
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遺産分割協議書:提出先によって有効期限が変わる
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相続分の放棄や譲渡:有効期限なし
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預貯金解約や株式の名義変更:発行から6カ月以内
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相続税申告と相続登記:有効期限なし
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死亡保険金の受け取り:発行から3カ月以内
提出先によっては印鑑証明書の添付が不要になるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
相続手続きで印鑑証明書を取り扱うときの注意点
印鑑証明書は容易に取得できる書類ですが、海外在住者や未成年者にはいくつか注意点があります。印鑑登録できない方や、法律行為が制限されている方は以下のように対応しましょう。
未成年者は特別代理人の印鑑証明書が必要
未成年者は単独の法律行為が認められていないため、一般的には親権者が法定代理人になります。ただし、未成年者と親権者が同じ相続の当事者になると、お互いが利害相反関係になるので、未成年者には特別代理人の選任が必要です。
特別代理人の選任は家庭裁判所へ申し立てますが、相続の当事者ではない叔父や叔母、または弁護士や司法書士が選任されるでしょう。遺産分割協議書などを作成したときは、特別代理人の印鑑証明書を添付してください。
海外在住の相続人は署名証明書が必要
印鑑を使わない海外在住者の場合、相続手続きには署名証明書(サイン証明書)が必要です。署名証明書を取得するときは、大使館や領事館に以下の書類を提出します。
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署名証明申請書
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署名が必要な遺産分割協議書等の書類
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申請者のパスポート
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滞在資格を証明できる書類
署名証明書には所定紙タイプと割印タイプがあり、提出先によってはどちらか一方を指定しているケースがあります。事前にいずれのタイプか確認しておきましょう。
まとめ
印鑑証明書は車などの購入時にも提出するので、つい最近取得したものが残っている場合もありますが、相続手続きに使用する際は必ず有効期限を確認しましょう。また、引っ越しによって市区町村が変わったときは、新たな住所地の役場で印鑑登録しますが、手続きを忘れているケースが多いので注意が必要です。
ほとんどの相続手続きには印鑑証明書や戸籍謄本などが必要になるので、自分で取得する時間がないときは、相続の専門家に相談しておきましょう。弁護士や行政書士などの専門家に依頼すると、印鑑証明書などの必要書類を代理取得してもらえます。



