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日本医師会シンポジウム採録 受け継がれる北里柴三郎の志 〜新千円札発行を記念して〜 日本医師会シンポジウム採録 受け継がれる北里柴三郎の志 〜新千円札発行を記念して〜

提供:学校法人北里研究所北里柴三郎記念博物館

Q&A Q&A

事前に寄せられた質問に、登壇者の皆さんが回答しました。

北里先生の新興感染症に対する教えを、日本医師会はどのように受け継いでいきますか。
釜萢 新型コロナ以外にも、これからまた新たな感染症の大流行が起こるという懸念は大いにあります。北里先生がおっしゃっていたように、予防あるいは健康増進を日頃からしっかりやっておくこと、そして新たな感染症に対して可能な限り事前に準備をしておくことが、日本医師会として最も強力に取り組んでいくべきことだと思っています。
北里柴三郎先生が大きな成果を挙げた一番の要因は何だと思いますか。
北里 幼い頃から自分の人生を変えたいという強い思いがあり、国費留学生としてドイツへ行き、祖国日本に恩返しをしたい。そういった気持ちが強かったことがまず挙げられると思います。帰国後は、日本の公衆衛生を変えたい、良くしなければならないという使命感に燃えていました。こうしたことから、成果を挙げることができたのではないでしょうか。終始一貫、感染症との闘いに人生を捧げた人だったと思います。
感染症が人類に大きな影響を与えた出来事を一つ挙げるとすると何でしょうか。
本郷 ペストです。ペストが世界的に蔓延(まんえん)した14世紀中頃、「メメントモリ」という言葉が生まれました。日本語で「死を思え」ということです。こうした言葉が生まれてくるほど、人がたくさん亡くなりました。イエス・キリストに敬虔(けいけん)な信仰を捧げていた人たちが、次の日には亡くなっている。ここからおそらく宗教改革が生まれたのだと思いますし、近代科学が生まれてくる一つの大きな要因になったと考えています。
これからどんな感染症が流行するのでしょうか。なぜ感染症を撲滅することはできないのでしょうか。
菅原 大変難しい質問です。どのような感染症が流行するかはわかりません。微生物がなくなってしまえば、感染症は起きなくなると思いますが、おそらく私たち人間も生きていけなくなる。ですので、私たち人類は病原微生物と闘い続けていく宿命にあると思います。唯一私たちが病原ウイルスに勝った感染症は天然痘で、1980年にWHO(世界保健機関)が根絶宣言をしています。

病原微生物の速やかな検査法の開発、ワクチンや治療薬の開発など、これからの技術発展が期待されます。
超高齢社会を迎えている日本で、これからの医療はどうあるべきでしょうか。
釜萢 これからは「治し、支える医療」が求められるようになります。具体的には、在宅医療や介護との連携が重要になると考えられ、日本医師会としてもしっかり連携を進めるための役割を担っていきたいと思っています。

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