特別講演
ずっと笑顔でいられるために アデランスの価値共創型SDGs
箕輪 睦夫
アデランス上席執行役員
管理本部副本部長 グループCSR広報室担当
オンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2021」( 10月17日〜21日)の2日目、アデランス上席執行役員の箕輪睦夫氏が「世界に笑顔が広がる価値共創型SDGs」をテーマに特別講演をした。
CSR経営の理念を SDGsと一体化する

アデランスは、創業50周年を迎えた2018年に初めて「朝日地球会議」に参加しました。私たちはこの場を日本に古くからある「三方よし」の哲学に基づくアデランスのCSR経営の理念と具体的な活動を社内外に発信する大切な機会だと考えています。
4年目となる今年は、これまでのCSRを振り返るとともにアデランスがこれからどこへ向かうのかというビジョンをお伝えしたいと思います。アデランスでは、2011年にCSR部門を立ち上げ、自社の商品やサービスでどのように社会課題を解決できるかを考え活動してきました。当時のコアメッセージは「笑顔のために」でした。その後、「朝日地球会議」との出会いなどを経て、私たちのCSR活動にSDGsがゴールと位置づける持続可能な社会の実現を組み入れるべきだという考えに至りました。
そこで、2020年より「ずっと笑顔でいられるために」を新たなビジョンとして定め、よりSDGsの視点に基づいた目標策定を進めています。その過程で、より具体的な活動分類もできあがりました。それが、「健康の笑顔」「社会の笑顔」「地球の笑顔」「未来の笑顔」です。この4つのテーマで地球上の幅広いシーンにおいて、笑顔を支えていくのがアデランスのCSR活動の独自性であると考えます。
3つの成長エンジンで CSR活動を推進

こうした活動を持続するためには、アデランスの事業自体の成長エンジンと一致させる取り組みが重要になります。そこで私たちは、CSR活動を推進するための3つの成長エンジンを明確化しました。
まず、成長エンジンの1つめは「自社の強みを社会で活かす」です。私たちは、CSR部門立ち上げ当初からこれを活動の軸としてきました。アデランスは創業の精神である「お客様の毛髪に関するお悩みを解決したい」を柱としながら、企業の成長とCSR活動の一体化を目指してきました。そして今、SDGsが描く2030年以降の未来に向け、改めて「自社の強みを社会で活かす」というメッセージを発信することで、社員および関係する皆様に創業以来の目標を「見える化」することが大切だと考えています。
成長エンジンの2つめは、「日本から世界へ」です。私たちは、1968年の創業時から「目指せ世界のブランド アデランス」を目標にして、事業に邁進してきました。そして、2021年に、20の国と地域67社で事業を展開するまでに成長することができました。おかげさまで現在の日本と海外の売上規模はほぼ同等です。さらに、男性用だけでなく女性用ウィッグの開発、毛髪移植、新増毛ヘアシステムなどを手がけるトータルヘアソリューション企業となることができました。
この成長の過程で、1978年から力を入れてきたのが、毛髪に悩みを抱える子どもたちにウィッグをプレゼントする「愛のチャリティ」の活動です。現在は、この活動の輪が世界にも広がっています。2013年にグループインした米国ヘアクラブ社は、同様の活動をアメリカで続けてきた歴史があり、この点で企業間の理解が一気に進みました。さらに、世界展開をする同社は、この活動をアメリカ以外の国でもスタートしています。私はデンマーク・コペンハーゲンにある店舗を訪れたときに、ウィッグをプレゼントした女の子とその母親から「どうしても会って御礼がしたい」と言われたことがあります。そのとき、私たちの地道な活動が世界の人々も笑顔にしていたことに感動いたしました。
ウィッグの技術を用いた日本から世界への広がりとしては、1983年に劇団とのコラボレーションから始まった自社開発の「エンターテインメントウィッグ」があります。パリのオペラ座やニューヨークのブロードウェイなど海外のエンターテインメントシーンでもアデランスグループのウィッグの技術が使用されています。
光触媒を用いた衛生事業に進出する
そして、成長エンジンの3つめは「毛髪からウェルネスへ」です。アデランスは、2018年に創業50周年を迎えるにあたり、経営理念を見直しました。ウィッグや育毛中心のヘア産業だけでなく、今後は美容や健康まで領域を広げたウェルネス産業にも事業を展開していきます。
その新たな一歩となるのが、光触媒を用いた衛生事業の開始です。これは光触媒に太陽光や室内灯などの光を当て、そこで起きる化学反応で有機物などを分解する効果を実証し、製品化したものです。私たちは、光触媒から生まれたこの製品群を「Hikarium」と名付けました。この新たな挑戦は、光触媒研究の世界的権威である東京理科大学の藤嶋昭栄誉教授との出会いによってもたらされたもので、私たちも大きな期待を寄せています。この事業は、安心・安全に暮らせる地球の未来に向けたSDGs活動の一環としても重要な意味を持つと考えています。
日本で、そして海外で……これから地球規模で展開するアデランスの価値共創型SDGs活動にご期待ください。
- 愛のチャリティ
- アデランスでは、1978年から「愛のチャリティ」を実施。病気やケガなどの理由で毛髪の悩みを抱える子どもたちにウィッグをプレゼントする活動は、現在、海外のグループ会社にも広がっている。なかでも米国ヘアクラブ社は、1995年から20年以上に渡り、「HairClub」という同様の活動を行っている。
- ヒカリウム
- 昨今の衛生管理に対する意識の高まりを受け、アデランスグループでは、抗菌・抗ウイルス・消臭などの効果が期待される光触媒技術を用いた衛生事業として、新ブランド「Hikarium(ヒカリウム)」を新たに設立。アデランスの全国のサロンでは、光触媒製品を用いて、店舗室内の衛生管理体制強化を行っている。
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