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朝日地球会議2021

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広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

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特別講演

地域の人と自然を育む里山づくり

山本 百合子

イオン環境財団 専務理事

30年間で1223万本を植樹

イオン環境財団は、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」というイオンの基本理念のもと、時代とともに変化する国際課題に応じた環境活動に取り組むために特化した財団として、1990年に設立されました。

現在は、4つの事業活動を行っています。まず「イオンの森づくり」として、世界各地の市民ボランティアと木を植え続けてきました。また、世界各地で環境活動を行うNPOやNGOへの支援活動を行っている「助成事業」「環境教育」、国内外の主要な大学・国際専門機関と連携する「パートナーシップ事業」があります。

当財団の最大の特徴は、お客さまと一緒に環境活動を行うということです。これまでの30年間で1223万本を超える植樹を行ってきましたが、これからの30年に向けて地域の皆さんとともに、いかに新たな森づくり・里山づくりを行っていくかについて紹介します。

地域と一体で進める「イオンの森づくり」

宮崎県綾町の「綾町イオンの森」では、2013年から19年にかけて約2万本を植樹しました。参加したボランティアは、地元の綾中学校の生徒たちを含む2550人です。伐採した町有林の跡地を本来の里山に復元して豊かな森を守るという目的で、伐採された木材は綾中学校の校舎などの建設材として活用されました。

当財団は日本ユネスコエコパークネットワークと2017年、国内初となる連携協定を締結しました。「綾町イオンの森」は、人と自然が共生する「ユネスコエコパーク」というグローバル基準に沿った里山に再生するため、地域の皆さんとともに植樹活動を行いました。植樹地には、たくさんのミツバチが飛来し、綾町の特産品である日向夏の受粉にもつながるようになりました。

現在、その森を環境教育の場に活用しています。リモート・センシング技術センターと連携し、綾中学校の生徒たちも参加して、植樹から10年経った木々の炭素蓄積量の調査を行いました。

このように当財団は、伐採された木で中学校が建ち、中学校で学ぶ子供たちが自分たちのフィールドで木を植え、その森を利用して中学生自身が環境教育を受けるという、世界でも例を見ない活動を推進してきました。まさに森の中での地域循環ではないかと思っています。今後も、さらにこの里山づくりを進化させていきます。

綾町に在住のイラストレーターと一緒に、自然散策のマップも作りました。町外から綾町を訪れる方が自然を活用して、この里山に触れる人々の関係人口が増えることを期待しています。

また、長崎県の「南島原イオンの里山」でも、4000人のボランティアの皆さんと一緒に2010年から12年にかけて約5万5000本を植樹し、地域の子供たちへの環境教育を行いました。

里山づくりの新たな可能性を求めて

当財団は、このように「イオンの森づくり」を行ってきました。今後は、イオンだからできる新たな里山づくりに取り組んでいきたいと思っています。早稲田大学と当財団による「AEON TOWAリサーチセンター」を設立して、「イオンの里山」の定義・構築を現在目指しています。助成活動においても、世界各地で環境活動に取り組むNPO・NGOと、新たな里山をつくりたい、今ある里山を守りたいという考えを共有しています。

昨年には、当財団が30周年を迎えたのを契機に「植樹30万本プロジェクト」を始めました。コロナ禍で社会も生活も大きく変わり、当財団の環境活動も大きく変わりました。現状でもできる活動として、苗木の里親プロジェクトを始めました。3年間で30万本の植樹を行って各地に緑や桜の名所を増やそうと、全国のイオンの店舗でお客さまに苗木を配布しています。

当財団はこれからも、地域の皆さんやステークホルダーと連携をさらに深めて、一緒に「イオンの里山」という新しい取り組みを推進していきます。人間活動と自然活動のバランスが取れ、地域の文化を伝承・活用し、地球環境の持続性に貢献する開かれた里山を、皆さんと一緒につくっていきます。イオン環境財団の今後の取り組みに、ぜひご参画いただけたらと思います。

特別協賛
  • 旭硝子財団
  • アデランス
  • イオン環境財団
  • サントリーホールディングス
  • JT
  • TAIWAN EXCELLENCE
協賛
  • 住友林業

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