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2025年度 かんきょう新聞

出張授業

地球にやさしいアルミニウム

株式会社UACJ
授業の内容
  • ● 暮らしのなかのアルミニウム
  • ● 軽くて強いアルミニウムの特長
  • ● アルミニウムはリサイクルの優等生
  • ● UACJ押出加工滋賀 工場見学
    (近江八幡市立武佐小学校のみ)
講 師
宮川竜太朗先生
マーケティング・技術本部
R&Dセンター
熱製品開発部
空調熱交材料開発室(当時)
宮川竜太朗先生
稲垣睦月先生
マーケティング・技術本部
R&Dセンター
基盤研究部
材料基盤研究室
稲垣睦月先生
出張授業:株式会社UACJの様子1
「電気がついた!」。炭と塩水、アルミ皿で電池をつくる実験に挑戦

暮らしを支えるアルミニウムの特長は?

アルミニウムは鉄や銅に比べて軽く、他の金属と混ぜることで高い強度を発揮する。子どもたちはまず、アルミニウム・鉄・銅の立方体を手に持ち、重さの違いを実感した。次に、ほぼ100%アルミニウムの棒と、他の金属を少し混ぜた「アルミ合金」の棒を曲げる実験に挑戦。前者は簡単に曲げられるが後者はびくともせず、教室には驚きの声があがった。

軽さと強さを併せ持つアルミニウムは、さまざまな場面で活躍している。たとえば自動車にアルミニウムを用いると、強さを維持しながら車体を軽くできる。軽くなるほど動かすエネルギーは少なくてすむため、使うガソリンや電気の量が少なくなり、地球温暖化の原因のひとつである二酸化炭素の排出量を減らせるのだ。

さらに授業では、アルミニウムやガラスなどでできた皿に氷をのせ、溶ける速さを比較する実験も行われた。他の皿と比べて、アルミニウムの皿の氷はみるみるうちに溶けていく。熱を伝える力(熱伝導率)が高いのだ。先生は、「この特長を生かし、アルミニウムはエアコンの熱を交換する部品に使われます」と解説した。

高いリサイクル率で地球にやさしく

続いて取り上げられたのは、アルミニウムのリサイクルについて。たとえばジュースやお茶などの容器には、アルミ缶や鉄でできたスチール缶、プラスチックでできたペットボトルなどがある。

基本的にはどれも「集めて」「溶かして」「形作る」という手順でリサイクルされるが、アルミニウムのリサイクルのしやすさは「溶かす」という点にある。アルミニウムは比較的低い温度で溶けるため、原料のボーキサイトから新たにアルミニウムを作るのに必要なエネルギーを100とすると、リサイクルするのに必要なエネルギーはたったの3ほどですむという。

授業では、日本のアルミ缶のリサイクル率が、2024年度は約99・8%に達したことがクイズ形式で示された。その率の高さに、「えー!」と声をあげる子どもたち。アルミ缶の分別という自分たちにもできる行動が、大切な資源や地球環境を守ることにつながっていると実感できたようだ。

先生は「日常生活のなかで、アルミニウムの製品に目を向けてみましょう。さらにリサイクルを意識することが、地球にやさしい行動につながります」と授業を締めくくった。

製造現場を見学 あいさつは「ご安全に」

授業に加えて、滋賀県にあるUACJ押出(おしだし)加工滋賀を見学したのは、近江八幡市立武佐小学校の子どもたちだ。工場内で交わされるあいさつは「ご安全に」。大きな機械や設備が動く製造現場では、安全を最優先とする姿勢が何よりも大切なのだ。

子どもたちは、約500℃に加熱されたアルミニウムの素材が金型を通って押し出され、さまざまな形に加工される様子や、高温のアルミニウムが急速に冷やされて縮む場面などを目の当たりにし、ものづくりの迫力と工夫に目を輝かせた。安全への配慮と技術の積み重ねがあってこそ、私たちの暮らしを支え、地球にもやさしいアルミニウムの製品がつくられていることを、現場で学ぶ機会となった。

氷を使って熱伝導率を確認。アルミ皿にのせた氷は溶けるのが速い
アルミニウムの押出加工を行う機械の前で説明を受ける子どもたち
ほぼ100%アルミニウムの棒と、他の金属を少し混ぜた「合金」の棒を曲げる実験に挑戦
実際に手に持ち、アルミニウムの軽さを実感
日本のアルミ缶のリサイクル率を予想。「50%ぐらいかな?」
アルミニウムの押出加工を行う機械の前で説明を受ける子どもたち

出張授業を終えて

和歌山市立野崎小学校 (和歌山県/2025年10月24日)
和歌山市立野崎小学校の出張授業
冷水翔太教諭
冷水翔太教諭

さまざまな実験を通して「重さ」や「冷たさ」といった感覚を実際に体験することで、子どもたちにとっては学びが深まるだけでなく、思い出にも残る授業になったと感じます。子どもたちがクイズの答えに驚く表情や、実験に目を輝かせる姿がとても印象的でした。

下関市立桜山小学校 (山口県/2025年11月25日)
下関市立桜山小学校の出張授業
弘中悠一教諭
弘中悠一教諭

本校では総合や社会や理科で、SDGsとリサイクルについて学んでいます。5年生は1学期の総合で、各自がテーマを決めSDGsについて調べたりまとめたりしたところでした。出張授業での学びによって、リサイクルがさらに自分ごとになったと感じます。

近江八幡市立武佐小学校 (滋賀県/2025年12月9日)
近江八幡市立武佐小学校の出張授業
辻彩教諭
辻彩教諭

環境やSDGsを、家庭科や社会などで横断的に学んでいます。本校では今回の出張授業のタイミングに合わせ、本来3学期に学ぶ内容を2学期に組み替えるなど調整してきました。実験が多い体験型の授業や工場見学は、子どもたちが楽しく取り組めて良いですね。

かんきょう1日学校

講 師
稲垣睦月先生
稲垣睦月先生
マーケティング・技術本部
R&Dセンター 基盤研究部
材料基盤研究室
かんきょう1日学校:株式会社UACJの様子1
UACJは、国内トップ※1のアルミニウム総合メーカーです。

稲垣先生は、アルミニウムが日常の身近なものからロケットまで、いろいろなところで活用されていると紹介しました。

アルミニウムが多くの製品に使われる理由は、「サビない」「毒性がない」など、多彩な特長を持っているから。中でも「軽い」「強い」「リサイクルの優等生」の三つの特長は、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献できると言います。

まず「軽くて強い」ことを生かし、アルミニウムは自動車に使われています。車体が軽ければ、動かすエネルギーが少なくてすみ、省エネにつながります。一方でみんなの安全を守るためには、強くなければなりません。アルミニウムは鉄に比べて、重さは約3分の1しかなく、とても軽い金属ですが、直径3㎜で約70㎏の重さまで耐えることができます。作り方次第では400㎏まで耐えられるというから驚きです。

次に「リサイクルの優等生」です。アルミニウムは溶ける温度が低いため、原料のボーキサイトから作るために必要なエネルギーを100とすると、一度作ったものを溶かしてリサイクルするのに必要なエネルギーは、たったの3ですみます。

「日本のアルミ缶のリサイクル率は何%でしょう?」と先生が子どもたちに聞きます。正解は99%以上※2。日本ではほとんどのアルミ缶がリサイクルされています。

「これからもアルミニウムはいろいろな場所で大活躍します。アルミニウムを積極的に使って、エコ活動に参加しましょう」と先生は締めくくりました。

※1:軽金属ダイジェスト(2025年9月1日)
※2:アルミ缶リサイクル協会,2024年度 飲料用アルミ缶リサイクル率(再生利用率)について 
アルミニウムの特長を生かして、車のボディに使ったり、アルミ缶を再生利用したりすることで、地球にやさしいエコ活動につながる。
  • かんきょう1日学校:株式会社UACJの様子2
  • かんきょう1日学校:株式会社UACJの様子3
  • かんきょう1日学校:株式会社UACJの様子4

豊かな地球環境と子どもたちの
未来を守るために

新井佳代子さん
身の回りから環境課題解決を
株式会社UACJ 総務・広報部 広報グループ長

新井佳代子さん

私たちUACJ(ユーエーシージェー)は、アルミニウム総合メーカーとして、飲料缶、IT機器、ルームエアコン、自動車、電車、飛行機、ロケットなど、さまざまな分野で用いられるアルミ素材を提供しています。

かんきょう1日学校では、「強くて軽い」「リサイクル性が高い」といったアルミニウムの特長を取り上げ、身近な製品を通して、アルミニウムがどのように環境負荷低減に貢献するかをご紹介しました。自分たちの将来や次の世代の地球環境について、一度立ち止まって考えるきっかけとなったなら幸いです。

当社は「アルミでかなえる、軽やかな世界」をスローガンに掲げ、アルミニウムの製造を通して、持続可能で豊かな社会の実現を目指し取り組んでいます。今後もさまざまな機会を通じて、次世代を担う子どもたちの育成支援を推進してまいります。(談)

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