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遺産分割

最終更新日:2022.05.30

続登記用の遺産分割協議書なら
不動産のみの記載でOK!
書き方・記入例まとめ

このコンテンツでわかること

  • ■ 不動産のみの遺産分割協議書を作成できる理由がわかる
  • ■ 不動産のみの遺産分割協議書の書き方がわかる
  • ■ 不動産のみの遺産分割協議書を作るコツがわかる
  • ■ 相続登記の流れや必要書類がわかる

亡くなられた家族が遺言書を遺していなかったときは、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書には「誰が・どの財産を相続するか」を記載しますが、すべての遺産分割が決まっていなくても作成は可能です。相続登記を早めに終わらせたいときや、預貯金などの情報はあまり知られたくないときは、不動産のみの遺産分割協議書を作成しても構いません。

ただし、不動産は書き方を間違えやすく、登記漏れも発生しやすい財産です。2024年4月1日以降は相続登記の義務化もあり、登記を怠った場合の罰則も規定されるので、遺産分割協議書の作成方法はしっかり覚えておきましょう。

相続登記目的なら不動産のみの遺産分割協議書でOK

相続登記するときは遺産分割協議書を法務局に提出しますが、内容は不動産のみでも構わず、特に決まった様式もありません。ただし、不動産の情報が正確に伝わらなければ登記申請はできないため、所在や地積などは登記事項証明書どおりに記載します。たとえば「被相続人の自宅は〇○が相続する」では具体性がなく、第三者にはどこかもわからないので、次の記入例を参考に遺産分割協議書を作成してください。

不動産のみの遺産分割協議書の書き方・記入例

遺産分割協議書は以下の5部構成になっているので、まず全体の書き方から解説します。

  • 被相続人の氏名住所等

  • 遺産分割内容

  • 補足事項

  • 遺産分割協議の成立等

  • 署名捺印(実印)

不動産は「遺産分割内容」の部分に記載しますが、土地や住居(戸建てやマンション)によって記載方法が変わるので、種類別の書き方も参考にしてください。

遺産分割協議書全体の書き方

以下の遺産分割協議書は預貯金と土地を相続するときの記入例です。

---------
遺産分割協議書

被相続人 朝日光一 (令和○年○月○日死亡)
生年月日 昭和○年○月○日
本籍 東京都国立市西○丁目○-○○
最後の住所 東京都江東区大島○丁目○-○○

上記被相続人 朝日光一の死亡により開始した相続について、被相続人の妻 朝日華代、被相続人の長男 朝日光二の相続人全員が遺産分割協議を行い、次のとおり遺産分割協議が成立した。

1.朝日華代は次の遺産を相続する

(土地)
所  在 東京都江東区大島○丁目
地  番 ○番○○
地  目 宅地
地  積 200.00㎡

2.朝日光二は次の遺産を相続する

(預貯金)
○○○銀行 大島支店 普通預金 支店番号111 口座番号9999999

3.相続人全員は本協議書に記載のない遺産及び、後日判明した遺産については、被相続人の妻朝日華代が相続することに同意した

上記のとおり協議が成立したので本協議書を2通作成し、署名押印の上、各相続人が1通ずつ所持する

令和○年○月○日

住所  東京都江東区大島○丁目○-○○
氏名  朝日華代  実印

住所  東京都足立区本木○丁目○-○
氏名  朝日光二  実印
---------

被相続人の本籍は住民票の除票を確認し、土地の地番や地積などは登記事項証明書、または固定資産税の納税通知書などを確認してください。

戸建てを遺産分割する場合

戸建ての住居と敷地を相続するときは、遺産分割内容の部分を以下のように記入します。「所在」は一般的な住所表記とは異なるので、すべて登記事項証明書などの記載内容に合わせてください。

---------
1.朝日華代は次の遺産を相続する

(土地)
所  在 東京都江東区大島○丁目
地  番 ○番○○
地  目 宅地
地  積 200.00㎡

(建物)
所  在 東京都江東区大島○丁目○-○○
家屋番号 ○番○の○
種  類 居宅
構  造 木造瓦葺き2階建
床面積  1階 70.00㎡  2階 55.00㎡
---------

マンションを遺産分割する場合

分譲マンション(区分所有マンション)の1室を相続するときは、建物と部屋(専有部分)、さらに敷地権を遺産分割協議書に記入します。

---------
1.朝日光二は次の遺産を相続する

(1棟の建物の表示)
所  在 東京都国立市西○丁目○-○○
構  造 鉄筋コンクリート造陸屋根4階建
床面積  1階 300.00㎡
     2階 300.00㎡
     3階 300.00㎡
     4階 150.00㎡

(専有部分の建物の表示)
家屋番号 東京都国立市西○丁目○-○○
建物の名称 303
種  類 居宅
構  造 鉄筋コンクリート造4階建
床面積 3階部分 50.00㎡

(敷地権の目的である土地の表示)
土地の符号 1
所  在 東京都国立市西○丁目
地  番 ○番○
地  目 宅地
地  積 1,000.00㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 1,000分の30
---------

戸建てに比べて記入内容が多いので、作成後は書き間違いや漏れがないか入念にチェックしましょう。

不動産のみの遺産分割協議書を作るコツ

冒頭でも触れましたが、不動産の相続登記は今後義務化されるので、登記漏れの防止が遺産分割協議書を作成するコツといえます。現実の相続では家族の知らない不動産があり、相続登記が放置されているケースも少なくないため、次の書類を揃えて不動産を確認しましょう。

登記事項証明書

登記事項証明書は土地・建物の所在地を管轄する法務局で取得できます。土地の所在や地積、権利関係などが記載されているので、遺産分割協議書を作成する前に取得してください。取得方法は以下の3種類ですが、多忙な方は郵送またはオンライン申請がおすすめです。

  • 窓口申請:1通600円(その場で交付される)

  • 郵送申請:1通600円(申請から受け取りまで3日~1週間程度)

  • オンライン申請:郵送は1通500円、窓口交付は480円(申請から受け取りまで1日~1週間程度)

なお、登記事項証明書を取得する際には「地番」が必要なので、不明な場合は次に解説する「固定資産税の課税明細書」などを確認してください。

オンライン申請のご案内(法務局)
全国の法務局(法務局)

固定資産税の課税明細書

不動産を所有している場合、毎年4月~5月頃に固定資産税納税通知書が送付されます。同封の「課税明細書」には不動産の所在や家屋番号など、遺産分割協議書に必要な項目が記載されているので、手元に直近のものがあれば確認しておきましょう。

ただし、固定資産課税台帳をもとに作成されているため、免税点未満の不動産は記載されません。免税点とは、固定資産税を課税するかどうかの境界であり、土地は30万円、建物は20万円に設定されています。従って、課税明細書だけで不動産を確認すると、免税点未満の私道や山林・原野などが漏れてしまいます。 課税対象になっていない不動産を確認するときは、次に解説する「名寄帳」も取得してください。

土地・家屋の名寄帳

被相続人の所有不動産をすべて確認するときは、市町村役場で「名寄帳」を取得してください。名寄帳には免税点未満の不動産も含め、被相続人の所有不動産が一覧表示されています。固定資産税の課税明細書に記載されていない不動産があれば、登記事項証明書を取得することで、公道や私道などの違いがわかります。ちなみに公道であれば県や市が所有者になっています。

名寄帳は市町村役場で取得できますが、同時に固定資産税評価証明書も取得しておきましょう。不動産相続には登録免許税がかかり、税額は「固定資産税評価額×0.4」で計算されるので、相続登記する年の証明書があれば正確な税額がわかります

  • 名寄帳:1枚300円程度(枚数が増えるごとに40円~100円程度の加算があります)

  • 固定資産評価証明書:1通350円~400円程度

相続登記の流れ・必要書類

遺産分割協議書の作成が完了したら、不動産の所在地を管轄する法務局に相続登記を申請します。登記申請するときには以下の書類も必要になるので、漏れがないように準備しておきましょう。

  • 相続登記申請書

  • 遺産分割協議書(不動産のみの分割内容)

  • 相続人全員の印鑑証明書

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

  • 被相続人の住民票除票

  • 相続人全員の戸籍謄本

  • 相続人全員の本人確認書類(運転免許証など)

  • 不動産を相続する人の住民票

  • 相続関係説明図(戸籍謄本の原本返還が必要な場合)

  • 登記事項証明書

  • 固定資産評価証明書

なお、相続登記は郵送やオンラインでも申請できますが、書類の添付漏れはその場で指摘されることもあるので、不安がある方は窓口申請をおすすめします

まとめ

遺産分割協議書は、すべての遺産分割が決定しないと作成できないと思われがちですが、預貯金や不動産など、特定の財産に限定した作成も可能です。相続登記を先行させたいときは、不動産のみで遺産分割協議書を作成した方がよいでしょう。しかし、遺産分割協議書の書き方を間違えると相続登記ができず、再協議や再作成も必要になるため、他の相続人にも迷惑がかかってしまいます。遺産分割協議書がトラブルの原因になる可能性もあるので、多忙な方や作成に不安のある方は、相続に強い専門家に作成を依頼しましょう。

税理士 桑原 弾
  • この記事の監修者

  • 税理士 桑原 弾

昭和55年生まれ、兵庫県出身。
大学卒業後、税務署に就職し国税専門官として税務調査に従事。税理士としても10年を超えるキャリアを積み、現在は「相続に精通した知識」と「元国税調査官としての経験」の両輪を活かして相続税申告を実践している。

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