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遺産分割

最終更新日:2022.05.30

動車の相続で
遺産分割協議書が必要なケース
【ひな形や記入例も紹介】

このコンテンツでわかること

  • ■ 車の相続に遺産分割協議書が必要なケースがわかる
  • ■ 車のみの遺産分割協議書の書き方や記入例がわかる
  • ■ 車の遺産分割協議成立申立書の書き方や記入例がわかる
  • ■ 車の相続手続きや名義変更に必要な書類がわかる

被相続人の自動車は遺産分割の盲点になりやすく、相続人同士の話し合いが決着した後で「そういえば自動車があった」と気付くケースもあります。また、預貯金口座であれば通帳、不動産は登記事項証明書から遺産分割協議書を作成できますが、自動車の場合は「何を書くの?」と迷ってしまう方も多いようです。被相続人の自動車は名義変更も必要ですが、そのまま放置すると相続人全員の共有物になり、いずれ到来する売却や廃車手続きに支障をきたすでしょう。

今回は、自動車を相続するときの遺産分割協議書について、記入例をもとにわかりやすく書き方を解説します。

車の相続に遺産分割協議書が必要なケース

被相続人名義の自動車を引き続き使用するときは、運輸局または運輸支局へ遺産分割協議書を提出して相続人名義に変更します。

ただし、査定額100万円以下の自動車は「遺産分割協議成立申立書」だけで構わず、軽自動車の場合は、遺産分割協議書・遺産分割協議成立申立書ともに不要です。なお、相続する人がいなければ売却または廃車手続きになりますが、被相続人名義のままでは手続きできないため、一旦相続人名義に変更する必要があります。

では遺産分割協議書が必要・不要をケース別にみていきましょう。

査定額100万円超の普通自動車には遺産分割協議書が必要

被相続人名義の普通自動車が査定額100万円超であれば、名義変更には遺産分割協議書が必要です。名義変更しなくても罰則はありませんが、万が一事故を起こしたときは自賠責保険だけでは補償しきれない場合があるので、必ず相続人名義に変更しておきましょう。

査定額100万円以下の普通自動車は遺産分割協議書が不要

普通自動車の査定額が100万円以下であれば、名義変更は「遺産分割協議成立申立書」だけでよく、遺産分割協議書は不要です。遺産分割協議書には相続人全員の署名捺印が必要ですが、申立書の場合は相続する人だけの実印でよく、手続きを簡略化できます。

査定証の入手方法

普通自動車を相続する場合、遺産分割協議書が必要かどうかは査定額によって分かれるため、査定証(査定書)を入手しておく必要があります。査定証は自動車販売店(ディーラー)や買取業者、日本自動車査定協会に発行を依頼できますが、それぞれ以下のような違いがあります。

【販売店や買取業者】

販売店や買取業者の査定は下取りや買取りが前提となります。名義変更用の査定では査定証を発行してくれないケースがあるので、発行可能かどうか事前連絡で確認しておきましょう。

【日本自動車査定協会】

日本自動車査定協会は全国に支局があり、相続する自動車の査定を行い、査定証も発行してくれます。各支局の所在地はホームページから確認できるので、以下のリンクを参照してください。

一般社団法人日本自動車査定協会

軽自動車には遺産分割協議書が不要

軽自動車の相続には遺産分割協議書が不要となり、相続する人が単独で名義変更できます。手続きは全国にある軽自動車検査協会の支所等で行いますが、車検証(自動車検査証)や相続人の住民票などが必要なので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

全国の事務所・支所一覧(軽自動車検査協会)

売却や廃車手続きには遺産分割協議書が必要

相続する人がいないときは売却または廃車になりますが、いずれも被相続人名義のままでは手続きできないため、一旦相続人名義に変えておかなければなりません。そのまま放置すると自動車税や軽自動車税がかかるので、早めに売却や廃車手続きをしておくとよいでしょう。

車のみの遺産分割協議書の書き方・記入例

遺産分割協議書を作成する場合、一般的には遺産分割の内容すべてを記入します。自動車の場合は「何を書くのかわからない」というケースもありますが、各運輸支局には自動車専用の遺産分割協議書があり、必要項目がすべてわかります。簡素な様式でわかりやすいため、記入漏れを防止したいときは運輸支局の様式を使うとよいでしょう。なお自動車用の遺産分割協議書は各運輸支局の窓口、またはホームページから入手できます。

次に具体的な書き方を解説しますが、自動車登録番号などが必要になるため、車検証(自動車検査証)は必ず準備してください。

地方運輸局(国土交通省)
遺産分割協議書の様式(関東運輸局)

車のみの遺産分割協議書の記入例

運輸支局の遺産分割協議書を使うときは、以下の記入例を参考にしてください

------------
遺産分割協議書

令和○年○月○日(遺産分割協議の成立日)

令和○年○月○日、所有者○○○○の死亡により相続を開始し、相続人全員で遺産分割協議を行った結果、次の自動車を△△△△が相続することに協議が成立しました。

自動車登録番号:杉並333さ1166
車台番号:VS888T-1234567

相続人
住所 東京都杉並区荻窪○丁目○-○○
氏名 △△△△  実印
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自動車登録番号や車台番号は車検証に記載されています。また、相続人の署名は本人が直筆で行い、捺印には実印を使用してください。

車の遺産分割協議成立申立書の書き方・記入例

普通自動車の査定額が100万円以下であれば、遺産分割協議成立申立書のみで名義変更できます。遺産分割協議成立申立書も運輸支局窓口、または運輸局ホームページから入手できるので、以下のリンクを参照してください。次に具体的な書き方を解説しますが、遺産分割協議成立申立書を記入するときも車検証が必要です。

遺産分割協議成立申立書の様式(運輸局)

車の遺産分割協議成立申立書の記入例

遺産分割協議成立申立書を作成するときは、以下の記入例は参考にしてください

------------
遺産分割協議成立申立書

自動車の表示
登録番号:杉並333さ1166
車台番号:VS888T-1234567

被相続人
氏名:○○○○
死亡年月日:令和○年○月○日

遺産分割協議成立年月日:令和○年○月○日
申立書による申請の同意年月日:令和○年○月○日(相続人全員が名義変更に同意した日)

被相続人の死亡により、被相続人所有の上記自動車について民法の規定に基づき遺産分割協議を行なったところ、私が上記自動車を相続することで協議が成立したので申し立てます。また、当該移転登録について、本申立書により申請する旨同意を得られたので今回の申請に及びました。なお、本申立について問題が発生した場合は、私が責任をもって処理し、貴職には一切ご迷惑をかけないことを誓約いたします。

令和○年○月○日(申請日を記入)

○○運輸局 △△運輸支局長 殿
住所 東京都杉並区荻窪○丁目○-○○
氏名 △△△△ 実印
------------

車の相続手続き・名義変更に必要な書類

遺産分割協議書、または遺産分割協議成立申立書を提出して自動車の名義を変更する場合、以下の添付書類も必要です。

  • 車検証

  • 査定証:日本自動車査定協会などに査定と発行を依頼

  • 車庫証明書:警察署へ申請し、発行後40日以内のものを使用

  • 被相続人と車を相続する人の戸籍謄本:本籍地のある役場で取得

  • 印鑑証明書:住民登録している役場へ申請し、発行後3カ月以内のものを使用

戸籍謄本については「全部事項証明書」を取得するようにしてください。

まとめ

遺産分割協議書の要・不要は自動車の種類によって変わるので、ひとまず査定額100万円と、普通自動車・軽自動車の違いを覚えておくと判断しやすいでしょう。また、日頃はあまり意識しない「車台番号」なども遺産分割協議書に記入するため、漏れや記入ミスにも気を付けておきたいですね。また、ナンバー付きの車両は自動車だけに限らず、バイクや農耕車両など実に様々な種類があり、相続手続きの方法もそれぞれ異なります。

遺産分割協議書に何を書いてよいかわからないときは、相続手続きに強い専門家へ相談しておきましょう。

税理士 桑原 弾
  • この記事の監修者

  • 税理士 桑原 弾

昭和55年生まれ、兵庫県出身。
大学卒業後、税務署に就職し国税専門官として税務調査に従事。税理士としても10年を超えるキャリアを積み、現在は「相続に精通した知識」と「元国税調査官としての経験」の両輪を活かして相続税申告を実践している。

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